<歌詞和訳>It’s The End Of The World As We Know It – R.E.M. 曲の解説と意味も
R.E.M. – It’s The End Of The World As We Know It (And I Feel Fine)
アール・イー・エム – イッツ・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド・アズ・ウィー・ノウ・イット(アンド・アイ・フィール・ファイン)
アメリカ ジョージア州で結成されたロックバンド R.E.M.の5thアルバム「Document」(1987年) に収録されている曲です。
同アルバムの2枚目のシングルとして、1987年11月にリリースされ、バンドが解散するまでライヴでの定番曲となりました。
矢継ぎ早に言葉をまくし立てる曲調は、従来の路線とあまりにかけ離れていた為、お蔵入りになりかけたそうです。
歌詞を耳で追うのは英語圏の人でも困難らしく、ネット上にも何種類もリリックが掲載されていました。
歌詞の意味と解釈
タイトル通り「世界の終わり」の様子が歌われているようです。
「アイ・フィール・ファイン」(いい気分) と続けているのは、やけくそなのか、皮肉なのか、それとも本心なのかはよくわかりません。
歌詞にはナンセンスで意味不明な言葉が多く含まれており、独特の面白さがあります。こういうめちゃくちゃな様子も、世界の終わりを感じさせます。
一方で、80年代当時の"冷戦"を感じさせる箇所も少なくなく、深読みするとシリアスにも受け取れます。
(今回の和訳は、意味が通るように無理やりな訳をしている箇所があります。ご了承ください)
歌詞と和訳
Written by Mike Mills, Michael Stipe, Peter Buck & Bill Berry
That’s great, it starts with an earthquake
Birds and snakes, an aeroplane
Lenny Bruce is not afraid
こりゃ凄い、地震から始まって
鳥も蛇も、飛行機も
レニー・ブルースも平然としてる
・Lenny Bruce レニー・ブルース(1925-1966)。アメリカの毒舌コメディアン。
人物についての詳細は和訳の後にまとめています。
Eye of a hurricane, listen to yourself churn
World serves its own needs, don’t misserve your own needs
Speed it up a notch, speed, grunt, no, strength
The ladder starts to clatter with fear of height, down, height
台風の目、自分の慌てぶりを聴いてみろ
世界は己の要求に振り回される
君の要求をとりこぼしちゃいけない
ノックを喰らわせる、スピードも、不平も、力不足
ハシゴはガタガタ揺れて
高所恐怖症も、降りたり、登ったり
・churn 激しく動く、撹拌する、かき混ぜる
・grunt ブーブー言う、不平を言う
・clatter カタカタいう音、騒々しさ
Wire in a fire, representing seven games
And a government for hire and a combat site
Left of west and coming in a hurry
With the Furies breathing down your neck
燃えたワイヤーに操られる7つのお遊戯会
雇われの政府と戦場
彼女を置いて、慌てないで
君につきまとう復讐の女神達とともに
・breathe down one’s neck ぴったり付く、しくこく付きまとう、監視する
・Furies フュリーズ。復讐の女神
Team by team, reporters baffled, trumped, tethered, cropped
Look at that low plane, fine, then
Uh oh, overflow, population, common food
But it’ll do, save yourself, serve yourself.
World serves its own needs, listen to your heart bleed
Tell me with the Rapture and the reverent in the right, right
チームごとに、記者達が困惑し、ねつ造し、繋ぎ合わせ、切り揃える
低空飛行機を見なよ、たいしたものさ、それから
おぉ、増えすぎさ、人口、食糧
だけどそうさ、君を救い、君自身に振り回される
世界は己の要求に振り回される、自分の心の痛みに耳を傾けるんだ
喜ばしく、うやうやしく、正しく僕に教えてよ、正義を
・rapture 有頂天、歓喜
・reverent うやうやしい、敬虔な
You vitriolic, patriotic, slam fight, bright light
Feeling pretty psyched
君は激しく、愛国的で、スラムの喧騒、激しい光
かなりイカレてる
It’s the end of the world as we know it
(It’s the)
It’s the end of the world as we know it
(It’s the)
It’s the end of the world as we know it
And I feel fine
世界の終わりさ、知ってのとおり
世界の終わりさ、知ってのとおり
世界の終わりさ、知ってのとおり
せいせいするね
Six o’clock, TV hour, don’t get caught in foreign tower
Slash and burn, return, listen to yourself churn
Lock him in uniform, book burning, blood letting
Every motive escalate, automotive incinerate
6時のテレビ番組、外国の電波塔に捕まっちゃダメさ
焼き畑式、戻って、自分の動揺に耳を傾けて
奴は戦闘服にがんじがらめ、本が焼かれ、血の海さ
すべての衝動がエスカレートする、自動車が燃やされる
・slash and burn 焼き畑
・incinerate 焼却する、火葬にする
Light a candle, light a votive, step down, step down
Watch your heel crush, crushed, uh-oh
This means no fear, cavalier renegade and steering clear
A tournament, a tournament, a tournament of liesOffer me solutions, offer me alternatives, and I decline
ロウソクに火を点けろ、衝動に火を点けろ、降りろ、降りろ
踵から崩れてく、見てみな、崩れるぜ、あぁ
怖がることはないさ、紳士気取り、裏切り者、避けながら
トーナメント、トーナメントさ、嘘つきのトーナメント戦
解決策をくれよ、代替え案をくれよ、僕はごめんさ
・cavalier キャバリエ。(英国の)騎士
・renegade レネゲード。背教者、裏切り者
・steer clear steer clear of で「~を避ける」。steerは「ハンドル操作する」の意味です。
・decline 断る、衰える、下落する
It’s the end of the world as we know it
(It’s time I had some time alone)
It’s the end of the world as we know it
(It’s time I had some time alone)
It’s the end of the world as we know it
(It’s time I had some time alone)
And I feel fine
(I feel fine)
(×2)
世界の終わりさ、知ってのとおり
(孤独に過ごした時)
世界の終わりさ、知ってのとおり
(孤独に過ごした時)
世界の終わりさ、知ってのとおり
(孤独に過ごした時)
せいせいするね
(いい気分さ)
The other night I dreamt of knives, continental drift divide Mountains sit in a line, Leonard Bernstein
Leonid Brezhnev, Lenny Bruce and Lester Bangs
Birthday party, cheesecake, jelly bean, boom!
You symbiotic, patriotic, slam but neck
Right? Right!
ある晩、僕は大陸を切り分けるナイフの夢を見た。山々が連なり、レナード・バーンスタイン
レオニード・ブレジネフ、レニー・ブルース、レスター・バングス
バースデイ・パーティー、チーズケーキ、ジェリービーン、ドカーン!
君は共存的で、愛国的で、スラムだけどイチャイチャ
そうかい? そうさ!
・continental drift 大陸移動
・Leonard Bernstein レナード・バーンスタイン(1918-1990)。アメリカの作曲家。
・Leonid Brezhnev レオニード・ブレジネフ(1907-1982)。ソビエト連邦の第5代最高指導者
・Lester Bangs レスター・バングス(1948-1982)。アメリカのロックジャーナリスト
※イニシャル「L.B」の共通点を持つ著名人が登場しますが、これについてマイケル・スタイプは「自分が見た夢の出来事が題材」だとインタビューで答えています。
・symbiotic 共生、共同生活
・patriotic 愛国の、愛国心の強い
・neck 首、襟、狭い部分、厚かましさ、(恋人が)首を抱き合って愛撫する(ネッキング)
It’s the end of the world as we know it
(It’s time I had some time alone)
It’s the end of the world as we know it
(It’s time I had some time alone)
It’s the end of the world as we know it
(It’s time I had some time alone)
And I feel fine
(I feel fine)
(×2)
世界の終わりさ、知ってのとおり
(孤独に過ごした時)
世界の終わりさ、知ってのとおり
(孤独に過ごした時)
世界の終わりさ、知ってのとおり
(孤独に過ごした時)
せいせいするね
It’s the end of the world as we know it
It’s the end of the world as we know it
It’s the end of the world as we know it
(It’s time I had some time alone)
And I feel fine
世界の終わりさ、知ってのとおり
世界の終わりさ、知ってのとおり
世界の終わりさ、知ってのとおり
(孤独に過ごした時)
せいせいするね
It’s the end of the world as we know it
(It’s time I had some time alone)
It’s the end of the world as we know it
(It’s time I had some time alone)
It’s the end of the world as we know it
(It’s time I had some time alone)
And I feel fine
(×2)
世界の終わりさ、知ってのとおり
(孤独に過ごした時)
世界の終わりさ、知ってのとおり
(孤独に過ごした時)
世界の終わりさ、知ってのとおり
(孤独に過ごした時)
せいせいするね
R.E.M. Automatic For The People ファッションプリントトップtシャツ black L
言葉の解説
・Lenny Bruce レニー・ブルース(1925-1966)。アメリカの毒舌コメディアン。多くのミュージシャンにも影響を与えています。(ボブ・ディランは彼の名前の曲を発表し、ビートルズの「サージェント・ペパーズ~」のアルバムジャケットにも登場しています)
How to Talk Dirty and Influence People: An Autobiography
・Leonard Bernstein レナード・バーンスタイン(1918-1990)。アメリカの作曲家。20世紀後半のクラシック音楽界をリードした作曲家。
・Leonid Brezhnev レオニード・ブレジネフ(1907-1982)。ソビエト連邦の第5代最高指導者
・Lester Bangs レスター・バングス(1948-1982)。アメリカの音楽評論家で、伝説のロックジャーナリストと言われています。映画『あの頃ペニー・レインと』においても主人公のメンターとして描かれています。
収録アルバム
アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。
Document(1987年)
インディーズでの最後のリリースとなった5thアルバム。これまでの集大成的サウンドで、人気の高い作品です。
Part Lies Part Heart Part Truth Part Garbage 1982-2011(2011年)
全キャリアから代表曲を網羅した2枚組40曲のベストアルバム。新曲も3曲収録されています。
R.E.M.はインディー時代のベスト盤とメジャー時代のベスト盤が出ていますが、入門にはまずこれを聴き、そこから気に入った時代のものを聴いていくのが良いと思います。