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Manic Street Preachers – Motorcycle Emptiness(享楽都市の孤独) 歌詞の意味と和訳

2019-01-13

Manic Street Preachers – Motorcycle Emptiness
マニック・ストリート・プリーチャーズ – モーターサイクル・エンプティネス(邦題:享楽都市の孤独)

 
 

 

Manic Street Preachersのファーストアルバム「Generation Terrorists」(1992年) の4曲目に収録されている曲です。

同アルバムの5枚目のシングルとしても、1992年6月にリリースされています。

初期には珍しいミドルテンポの曲ですが、ドラマティックな構成と、リッチーによる風刺と詩情に満ちた歌詞で、今もなおファンから熱い支持を得ている名曲です。

ベスト盤「Forever Delayed」(2002年) 、シングル集「National Treasures」(2011年) にも収録されています。

 

 

 

 

歌詞の意味と解釈

サビのフレーズ「Under neon loneliness, Motorcycle emptiness」は、大量消費社会への反発を歌ったものだと言われています。

邦題「享楽都市の孤独」は「Under neon loneliness」の部分を訳したもので、「煌びやかな消費社会が生み出す見せかけの豊かさと、その影にある不条理・虚しさ」を表現しています。
(なお、このフレーズはベーシスト ニッキー・ワイヤーの兄が作った詩から引用しているそうです)

 

一方、タイトルである「Motorcycle emptiness」は直訳すると”オートバイの空虚”となります。

この曲はアメリカの小説家S・E・ヒントン(S.E.Hinton 1948-)の書いた小説「ランブルフィッシュ」(Rumble Fish。1975年。日本語版のタイトルは「非行少年」)から着想を得ているそうです。
同小説は、アメリカの小さな街を舞台にした、不良少年が主人公の青春物語です。主人公の兄でカリスマ的な不良だった”バイクボーイ”は色覚異常を患い、空虚さを抱えた存在として登場します。

Under neon loneliness, Motorcycle emptiness」のフレーズは、バイクボーイを指したものと解釈する事もできます。

 


非行少年 (集英社文庫―コバルト Y.A.シリーズ)

 

「ランブルフィッシュ」はフランシス・コッポラ監督、マット・ディロン主演で映画化されています。

 

歌詞と和訳

Written by Sean Moore, James Dean Bradfield, Nicky Wire & Richey Edwards

Culture sucks down words
Itemise loathing and feed yourself smiles
Organise your safe tribal war
Hurt maim kill and enslave the ghetto
Each day living out a lie
Life sold cheaply forever, ever, ever

文化が言葉をダメにする
憎悪を並べ、作り笑いで満足する
自分を危険に晒さない民族紛争を企て
弱者を痛めつけ、傷害を加え、殺し、奴隷化する
毎日を虚構の中でやり過ごし
人生は安売りされる、永遠に、ずっと

 

itemise =itemize 箇条書きにする
loathing 強い嫌悪
maim 障害を負わせる、傷つける
enslave 奴隷にする、虜にする
ghetto ゲットー。もともとは中世ヨーロッパから始まったユダヤ人の居住区を指し、近代においては、第二次世界大戦時にドイツがヨーロッパ諸に侵攻した際、ユダヤ人を強制的に隔離した居住区となりました。それが転じて、少数民族などが住むスラム街を指します。
 (また、ヒップホップにおいては「治安が悪くヒップホップが盛んな地域」をゲットーと指します)

 

Under neon loneliness motorcycle emptiness(×2)

ネオンに照らされる孤独、オートバイの空虚
ネオンに照らされる孤独、バイク少年の空虚

 

 

Life lies a slow suicide
Orthodox dreams and symbolic myths
From feudal serf to spender
This wonderful world of purchase power
Just like lungs sucking on air
Survivals natural as sorrow, sorrow, sorrow

人生とは緩やかな自殺
ありきたりな夢、見せかけの神話
封建時代の農奴が浪費の奴隷に変わっただけ
購買力が支える素晴らしい世界
肺が酸素を吸い込むように
生きる事は悲しみを吸い込む事、悲しみを

 

orthodox 正統の、伝統的な、月並みな
feudal 封建主義
serf 中世の農奴
spender 浪費家
sorrow 悲しみ、不幸、難儀

 

Under neon loneliness motorcycle emptiness(×2)

ネオンに照らされる孤独、オートバイの空虚
ネオンに照らされる孤独、バイク少年の空虚

 

All we want from you are the kicks you’ve given us(×4)

俺達が欲しいのは、君がくれたあの興奮だけ

 

kick 蹴り、刺激、興奮、くたばる

 

Under neon loneliness motorcycle emptiness(×2)

ネオンに照らされる孤独、オートバイの空虚
ネオンに照らされる孤独、バイク少年の空虚

 

Drive away and it’s the same
Everywhere death row, everyone’s a victim
Your joys are counterfeit
This happiness corrupt political shit
Living life like a comatose
Ego loaded and swallow, swallow, swallow

払い除けても変わりゃしない
どこもかしこも死刑を待つ独房で、みんな餌食にされる
お前の喜びは模造品で
こんな幸福が、ふざけた政治を腐らせる
昏睡状態みたいな生き方
エゴが充満し、飲み込んでいく、飲み込んでいく

 

death row 死刑囚の独房
counterfeit 偽の、模造品、偽造品
comatose 昏睡の、無気力な

 

Under neon loneliness motorcycle emptiness
Under neon loneliness everlasting nothingness

ネオンに照らされる孤独、オートバイの空虚
ネオンに照らされる孤独、終る事ない虚無感

 

 

雑記

中盤に登場する印象的なフレーズ「All we want from you are the kicks you’ve given us」は、日本盤CD付属の和訳等を見ると「俺らがしたいのはお前たちへの復讐」というような訳になっています。

Kicksを”復讐”と訳していますが、私はKicksを”興奮”や”刺激”と解釈し「俺達が欲しいのは君がくれた興奮だけ」としています。

これは、消費社会に対する反発(欲しいものは大企業が供給する「モノ」ではない)という意味とも、様々なアーティストが残していった作品へのリスペクトとも解釈できます。

また、”you”をランブルフィッシュのバイクボーイだと解釈しても、意味が通ります(Kicksがバイクのキックスターターと掛かっているかもしれません)。

 

 

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