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Bob Dylan – Like a Rolling Stone 歌詞の意味と和訳

2018-06-26

Bob Dylan – Like a Rolling Stone
ボブ・ディラン – ライク・ア・ローリング・ストーン

Bob Dylanのシングル曲として1965年6月にリリースされました。6分間を超える長さは、当時のシングルとしては異例だったようです。

6作目のオリジナルアルバム「Highway 61 Revisited(追憶のハイウェイ61)」(1965年) の1曲目にも収録されており、ロック史上に残る名曲と言われています。

 

 

 

歌詞の意味と解釈

歌詞は複数の章で構成されたストーリーになっています。その多くは、ある上流階級出身の女性が落ちぶれた様子を描いています。

歌詞にある「家もなく、知り合いもおらず、転がる石みたいになって」とは、決して自由奔放な様を歌ったものではなく、落ちぶれた厳しい状況を歌ったものです。

そこには、ボブ・ディランのブルジョワ層への辛辣なメッセージが込められていると思われますが、一方で「人生における栄枯必衰とは何か」考えさせられます。

 


ロックポスター Bob Dylan ボブ・ディラン ロンドン 1966 ポスター 61センチX91センチ

 

歌詞の和訳

Once upon a time you dressed so fine
Threw the bums a dime in your prime, didn’t you?

People call say ‘beware doll, you’re bound to fall’
You thought they were all kidding you

かつて、あんたは綺麗な身なりで
調子に乗って、取り巻き共に金をやっていたよな?

皆言ってただろ「気を付けなお嬢さん、今に痛い目みるぞ」って
そんなのは奴らがからかってるだけだと思ってただろ

 

・bum 「浮浪者」「役立たず」という意味ですが、「たかる」という動詞でもあります。
bumsを「金をたかる取り巻き共」と解釈しました。

beware 用心しろ
doll 人形、美人、女性

bound to ~する運命にある

 

You used to laugh about
Everybody that was hanging out

Now you don’t talk so loud
Now you don’t seem so proud
About having to be scrounging your next meal

街をぶらつく奴らを
あんたはよくバカにしてたな
今となっては、あんたは威勢よく話さない

プライドだって見あたりゃしない
今夜の飯すら乞わなきゃならない身の上だ

 

scroung せびる、乞う

 

How does it feel, how does it feel?
To be without a home

Like a complete unknown, like a rolling stone

どんな気分だ? どんな気分だい?
家も無くて
知り合いすらいなくて、転がる石みたいになって

 

Ahh you’ve gone to the finest schools, alright Miss Lonely
But you know you only used to get juiced in it

Nobody’s ever taught you how to live out on the street
And now you’re gonna have to get used to it

良い学校を卒業したんだってね、ミス・ロンリーってわけか
でもわかっただろ、あんたはおだてられていただけさ
路上での生き方なんて誰からも教わらなかったが

あんたは今、その生活に慣れなくちゃいけない

 

juiced 酔った
get used to 慣れる

 

You say you never compromise
With the mystery tramp, but now you realize

He’s not selling any alibis
As you stare into the vacuum of his eyes
And say do you want to make a deal?

不気味な浮浪者どもに近づくなんて有り得ないって
あんたは言っていたが、今わかっただろ


奴が言い訳をくれるわけじゃないぜ
それでもあんたは奴の空虚な目を見つめて

取引しない?って言うのさ

 

tramp 浮浪者、激しく踏みつける
 「Mystery Tramp」をより広い意味で解釈することも出来、その後に続く「deal」も含めて、「売春」を指していると捉える向きもあります。

alibi アリバイ、言い訳、口実
vacuum 真空、空虚、掃除機をかける

 

How does it feel, how does it feel?
To be on your own, with no direction home

A complete unknown, like a rolling stone

どんな気分だ? どんな気分だい?
ひとりぼっちで、帰るあてすら無く
知り合いすらいなくて、転がる石みたいになって

 

Ah you never turned around to see the frowns
On the jugglers and the clowns when they all did tricks for you
You never understood that it ain’t no good
You shouldn’t let other people get your kicks for you

曲芸師や道化師<のような取り巻き共>があんたを楽しませていたが
奴らのしかめ面には気づかなかっただろ
それがマズイって事も、わかっていなかった
他の奴らに、あんたのものを好き勝手させちゃいけないんだ

 

frown 顔をしかめる、難色を示す
get your kicks 満足する、楽しむ。上手い訳が見つかりませんでしたが、ここは「あなたが楽しむものを他人にさせてはいけない」というニュアンスで解釈しました

 

You used to ride on a chrome horse with your diplomat
Who carried on his shoulder a Siamese cat

Ain’t it hard when you discovered that
He really wasn’t where it’s at
After he took from you everything he could steal

肩にシャム猫を乗せた付き合い上手な男と
ピカピカの車に乗っていたよな

奴は、あんたから盗れるものを全部盗った途端、
すっかり居なくなっちまった
それを知った時、あんたはそりゃ辛かっただろう

 

diplomat 外交官。ここでは「付き合い上手な男」と解釈しました。

chrome horse 「クロームのメッキが施された乗り物」と解釈しました。
バイク(=horse)と訳した方が言葉に忠実ですが、「車」の方が話の流れにマッチするのでそうしました。

 

How does it feel, how does it feel?
To be on your own, with no direction home

A complete unknown, like a rolling stone

どんな気分だ? どんな気分だい?
ひとりぼっちで、帰る家すら無いってのは
知り合いすらいなくて、転がる石みたいになって

 

Ahh princess on a steeple and all the pretty people
They’re all drinking, thinking that they’ve got it made

Exchanging all precious gifts
But you better take your diamond ring, you better pawn it babe

お屋敷のお姫様や着飾った奴らは
美酒に酔い、浮かれた様子で
高価な贈り物を交換しているが
あんたはそのダイヤの指輪を外して、質にいれたほうがよさそうだな、お嬢さん

 

steeple 尖塔。ここでは「お屋敷」と訳しました。
have dot it made 成功したも同然
pawn 質に入れる、質

 

You used to be so amused
At Napoleon in rags and the language that he used

Go to him he calls you, you can’t refuse

When you ain’t got nothing, you got nothing to lose
You’re invisible now, you’ve got no secrets to conceal

落ちぶれたナポレオンと、奴の格言を
よく面白がってたよな
奴の所へ行きな 呼んでるぞ 嫌とは言えないぜ


何にも無いって事は、何も失うものが無いのだから

あんたは今透明<社会から見放された存在>なんだ、あんたには隠さなきゃならない秘密も無い

 

How does it feel, ah how does it feel?
To be on your own, with no direction home

A complete unknown, like a rolling stone

どんな気分だ? どんな気分だい?
ひとりぼっちで、帰る家すら無いってのは
知り合いすらいなくて、転がる石みたいになって

 

Written by Bob Dylan
Like a Rolling Stone Lyrics © Sony/ATV Music Publishing LLC

 


ロックTシャツBOB DYLAN ボブ・ディラン Blowing In The Wind フォトTシャツ

 

 

言葉の解説

・rolling stone 風来坊、住所不定の人

 有名なことわざ「A rolling stone gathers no moss」(転がる石に苔はつかない)というものがあります。
 これには2つの意味、「職業を転々としている人は裕福になれない」というネガティヴな意味と、「常に活動している人は停滞しない」というポジティヴな意味があります。
 この曲の個人的な解釈としては、下の「雑記」に書かせていただきました。

 

 

雑記

複数の章で構成されたストーリーですが、その多くはミス・ロンリー(Miss Lonely)という架空の女性が、落ちぶれていく様子が描かれています。裕福で高学歴だった彼女は、食事もままならない程の路上生活者へと転落していきます。

彼女が落ちぶれた原因は「調子に乗って、他者の警告を顧みず、取り巻き共(the jugglers and the clowns)や口の上手い人間(your diplomat)にいいように利用されてしまった」事だと思われます。

なお、「ミス・ロンリー」のモチーフはアメリカの女優イーディ・セジウィック(Edie Sedgwick 1943-1971)だという説もあります。彼女はアンディ・ウォーホルの映画作品に主演し、脚光を浴びました。また、ボブ・ディランとも親交があったと言われています。
ただし、彼女とボブ・ディランの交際が破局したのはこの曲のリリースの後であり、彼女が薬物の過剰摂取で亡くなるのはさらに後の事です。

アンディ・ウォーホル Andy Warhol: Screen Test: Edie Sedgwick, 1965 アートポスター

一方、「シャム猫を肩にのせた外交官」は、アンディ・ウォーホルを指すという解釈が定着しています。(ボブ・ディランとウォーホルはイーディを巡って関係が悪化したとも言われています)

上流階級(princess on a steeple)の様子が描かれる章がありますが、この場面は「ベトナム戦争で利益を得た富裕層を批判した」ものだとも言われています。

最終章の落ちぶれたナポレオン(At Napoleon in rags)の表現も意味深です。セントヘレナ島に流刑された晩年のナポレオンや、ナポレオンの有名な言葉「余の辞書に不可能は無い Impossible, n’est pas français直訳すると「不可能という言葉はフランス的でない」)」を指すのかもしれません。

この曲で歌われる「Like A Rolling Stone」はネガティブな意味に思えますが、終盤のフレーズ「When you ain’t got nothing, you got nothing to lose」「You’re invisible now, you’ve got no secrets to conceal」には希望や励ましのような意味も感じます。その方が、ロック的な価値観にハマります。

 

 

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