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<歌詞和訳>Subterranean Homesick Blues – Bob Dylan 曲の解説と意味も

2020-03-10Bob Dylan 歌詞和訳[表現] 詩的/文学的

Bob Dylan – Subterranean Homesick Blues
ボブ・ディラン – サブタレニアン・ホームシック・ブルース

 

アメリカのシンガー・ソングライター ボブ・ディランの5thアルバム「Bringing It All Back Home」に収録されている曲です。

1965年3月にシングルとしてリリースされました。

2分ちょっとの曲ですが、矢継ぎ早に言葉を繰り出す歌唱は、ラップにも影響を与えたと言われています。

また、日本でリリースされた初のボブ・ディランのシングルです (当時の邦題は「ホームシック・ブルース」) 。


サブタレニアン・ホームシック・ブルース/シー・ビロングズ・トゥ・ミー (完全生産限定盤)(アナログ盤) [Analog]

 

歌詞の意味と解釈

タイトルにある「サブタレニアン」とは ”地下” や ”地下に活動する人” を指す言葉です。

ここでは特に、ビートジェネレーションの作家ジャック・ケルアックの小説「The Subterraneans」(邦題:地下街の人びと 1953年) からとられていると言われています。

ビートジェネレーション:語源は「社会から打ちのめされた」あるいは「ノッている世代」。1955年~64年代のアメリカの文学界で異彩を放った作家グループと、そこから生まれた「人間らしさ」(自由と堕落)を追い求めるカルチャーの総称。ヒッピーを中心にした若者達に熱狂的な支持を得た。
(参考:wikipedia ビートジェネレーション


地下街の人びと (新潮文庫)

つまり「ビートジェネレーション(=サブタレニアン) を恋しがる (=ホームシック) ブルース」と訳せます。

一見何の脈絡のない、韻を重視したような歌詞も、実はサブタレニアンの生活が描いているように思われます。

 

歌詞と和訳

Written by Bob Dylan

Johnny’s in the basement, mixing up the medicine
I’m on the pavement, thinking about the government
The man in the trench coat, badge out, laid off
Says he’s got a bad cough, wants to get it paid off

ジョニーは地下室で、クスリを混ぜている
俺は歩道で、政府の動きを考えている
トレンチコートの男が、バッジを外し、仕事を休む
奴が言うには咳がひどくて、さっさと給料をよこせだと

 

lay off 一時解雇する、休養する、区分する
pay off 清算する、給与を渡して解雇する、仕返しする

 

Look out kid, it’s somethin’ you did
God knows when, but you’re doin’ it again
You better duck down the alleyway, looking for a new friend
The man in the coon-skin cap, by the big pen
Wants eleven dollar bills, you only got ten

気をつけな若いの、お前のした事だ
いつかはわからないが、お前はまたやっちまう
路地に身を隠し、新しい友達を探した方がいいぜ
アライグマの毛皮の帽子の男が、デカい檻のそばで
11ドルよこせというけれど、お前が持ってるのは10ドルだけ

 

duck down しゃがむ、身をかがめる
alleyway 路地
pen ペン、執筆する、檻、刑務所

 

Maggie comes fleet foot, face full of black soot
Talkin’ that the heat put, plants in the bed but
The phone’s tapped anyway
Maggie says that many say
They must bust in early May, orders from the D.A.

マギーが急いでやって来る、顔はすすで真っ黒
サツがベッドに罠を仕掛けた」と話しているが
どのみち電話は盗聴されてる
マギーが言うには、多くの奴らが
5月の初めに、検事の命令でパクられちまうって噂してるんだと

 

fleet foot (=fleet-footed) 足の速い
heat 熱、興奮、(スラングで)圧力・警察・銃
plant 植物、工場、(スラングで)おとり、警察の回し者
bed ベッド、寝床、(スラングで)性交する

bust 胸、爆発する、殴る、逮捕する
D.A. (=district attorney) 州検察官、地方検事

 

Look out kid, don’t matter what you did
Walk on your tiptoes, don’t try “No-Doz”
Better stay away from those, that carry around a fire hose
Keep a clean nose, watch the plain clothes
You don’t need a weatherman to know which way the wind blows

気をつけな若いの、やっちまった事はどうでもいい
静かに歩け、クスリに頼るな
消火ホースを持ち歩く奴らには、近づかない方がいい
厄介ごとには関わらず、私服警官に気を付けろ
風向きを知るのに、天気予報士は要らない

 

walk on tiptoe 抜き足差し足で歩く、つま先で歩く
No-Doz カフェインが含まれた眠気覚ましの錠剤(ただしここでは別のクスリの隠語かもしれません)
keep one’s clean nose ごたごたに巻き込まれないようにする
plain clothes 平服、(警官の)私服
weather man ウェザーマン。天気予報士
ちなみに「You don’t need a weatherman to know which way the wind blows」のフレーズに感化された”ウエザーマン”という名の極左テロ組織がアメリカに生まれたそうです(1975年に消滅したらしいです)。

 

Get sick, get well, hang around a ink well
Ring bell
, hard to tell, if anything is goin’ to sell
Try hard, get barred, get back, write braille
Get jailed, jump bail, join the army, if you fail

病気になって、回復して、インク瓶の周りをうろついて
ピンと来ても、言いにくいんだ、売れそうなヤツでも
必死で努力し、閉め出され、戻ってきて、読めないような字を書いて
ムショに入れられ、保釈中に失踪、しくじったんなら、軍隊に入りな

 

ink well インク入れ
ring a bel ベルを鳴らす、ピンとくる、思い出させる
braille 点字(暗号や読めない文字を指す場合もあるようです)
jail 刑務所、投獄する
hang bail 保釈中に失踪する

 

Look out kid, you’re gonna get hit
But users, cheaters, six-time losers
Hang around the theaters
Girl by the whirlpool, lookin’ 
for a new fool
Don’t follow leaders, watch the parkin’ meters

気をつけな若いの、痛い目見るぜ
だけどヤク中どもや、ペテン師ども、後が無い犯罪者どもが
劇場の周りにたむろし
騒ぎの近くの少女は、新しいカモを探してる
指導者に従うな、パーキングメーター(搾取)から目を離すな

 

six-time loser 直訳すると「6回敗者」ですが、two-time loserを「再犯者」(またはバツ2)、three-time loserを「常習犯」、four-time loserは「後が無いすてばちの犯人」を指すらしく、six-timeという事は相当ヤバイ犯罪者という事になります。
whirlpool 捨てる、渦巻き、騒ぎ

 

Ah get born, keep warm
Short pants, romance, learn to dance
Get dressed, get blessed,
Try to be a success
Please her, please him, buy gifts
Don’t steal, don’t lift
Twenty years of schoolin’ and they put you on the day shift

この世に生を受け、温かく包まれ
ショートパンツ、ロマンス、ダンスを覚えて
いい身なりをして、祝福を受け
成功しようと努力して
彼女を喜ばせ、彼を喜ばせ、プレゼントを買う
盗みをせず、万引きもせず
20年間学校教育を受け、日勤の仕事を与えられる

 

schooling 学校教育

 

Look out kid, they keep it all hid
Better jump down a manhole, light yourself a candle
Don’t wear sandals, try to avoid the scandals
Don’t want to be a bum, you better chew gum
The pump don’t work ‘cause the vandals took the handles

気をつけな若いの、奴らが全部隠してる
マンホール(地下)に飛び込みな、ロウソクは自分で点けな
サンダルは履かずに、スキャンダルを避けろ
乞食になりたくなけりゃ、ガムを噛みな
ポンプは使えないぜ、無法者どもがハンドルをとっちまったのからな

 

bum 浮浪者、役立たず
vandals 破壊者、(公共物などを)汚損する人、野蛮人

 


ロックTシャツBOB DYLAN ボブ・ディラン Blowing In The Wind フォトTシャツ

 

ミュージックビデオの先駆け

サブタラニアン・ホームシック・ブルースのビデオは、ボブ・ディランの伝記映画「Dont Look Back」(1967年公開) のオープニングの為に用意されたものだそうです。

このビデオがミュージックビデオの先駆けになったとも言われています。


ドント・ルック・バック [DVD]

また、向かって左奥で立ち話をしている人物は、ビートジェネレーションの作家アレン・ギンズバーグです。

 

収録アルバム

アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。

Bringing It All Back Home(1965年)

 

ボブ・ディランが初めてロックサウンド(電気楽器) を取り入れた5thアルバムです。

 

The Very Best Of Bob Dylan(2016年)

 

2012年のアルバム『Tempest』までの代表曲を収録した、2枚組35曲、究極のベストにして入門に最適な作品です。

 

日本のシングル集(2020年)

 

来日に合わせた日本企画盤。日本でリリースされた1965年~85年までのシングルをリリース順に収録。

 

ボブ・ディランの詩世界に浸りたい人へ