アニメ「リスナーズ」元ネタまとめ(全話分)
アニメ『LISTENERS リスナーズ』の元ネタをまとめています。
※アニメの画像は「リスナーズの公式ホームページ」から引用させていただいております
TRACK03「ユー・メイド・ミー・リアライズ」(You Made Me Realise)
シューゲイザーの回です。シューゲイザーとは、1980年代後半にイギリスで生まれたロックのスタイルです。
うつむきながら、轟音で曖昧かつ甘美なメロディを演奏するバンド達です。
元ネタ:タイトルは、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(以下マイブラ)の曲『ユー・メイド・ミー・リアライズ』です。マイブラはシューゲイザーの象徴といえるバンドです。(You Made Me Realiseの歌詞和訳はコチラ)
真っ赤なイメージ映像はマイブラの名盤「Loveless」のジャケットです。
『ユー・メイド・ミー・リアライズ』はアルバムには収録されておらず、同名の5曲入りEPに収録されています。廃盤となり、一時期はプレミア化していました(確か1~2万円くらい。現在は普通の中古価格です)。
現在ではEP音源集「EP’s 1988-1991」やYoutubeで聴けます。
『ユー・メイド・ミー・リアライズ』は、ライヴでは10分以上、長い時は30分以上に渡って演奏され(ノイズまき散らし) 、バンドを代表する曲です。マイブラがクリエイションレコーズ移籍後の初の音源でもあります。
ビリン・ヴァレンタイン/ケヴィン・ヴァレンタイン
元ネタ:マイブラのフロントマン2人、ブリンダ・ブッチャーとケヴィン・シールズです(マイブラは男女2人ずつの4人組バンドです)。
イクイップメントの「Sue」はマイブラの曲『Sueisfine』、必殺技「Feed Me With Your Kiss」やセリフ「I Can See It (But I Can’t Feel It)」はそのまま曲名です。すべて1stアルバム「Isn’t Anything」に収録されています。
小ネタ集
トレモロ技研
元ネタ:マイブラのEP「Tremolo」です。また、ケヴィンはアームを使ったトレモロ演奏(アーミング) を多用する事で知られています。
Bootlegによると"技研“はケヴィンも一時参加したイギリスのユニット Experimental Audio Research(E.A.R.) (=実験的音響研究所)からとられているようです。
E.A.R.の中心メンバー ソニック・ブームことピーター・ケンバーは、シューゲイザーの源流の1つともいえるスペースメン3の元メンバーです(1991年に解散。同じく元メンバーはスピリチュアライズドのジェイソン・ピアース) 。
セリフ
ケヴィン「消え去るよりも燃え尽きた方がいい」・・・ニール・ヤングの曲『Hey Hey, My My』の歌詞「It’s better to burn out than to fade away」からです。次回登場のカート・コバーンの遺書に書かれたセリフとしても有名です。
ビリン「チェルシー・ガール」「ライク・ア・デイドリーム」・・・マイブラと同じくシューゲイザーバンドとして人気を博したバンド ライドの曲名です。両曲とも初期EPを集めた編集盤「Smile」に収録されています。
ビリンとミュウの会話中「空飛ぶカモメ」がインサートされるのも、ライドの曲『Seagull』からと思われます。
ビリン「レイヴ・ダウン」・・・シューゲイザーバンド スワーヴドライヴァーの曲名だそうです(Bootlegより。これは知りませんでした)
見覚えのある画像
ビートルズの来日。
TRACK04「ティーン・スピリット」(TEEN SPIRIT)
グランジ/USオルタナティブの回です。グランジは、90年代にアメリカのインディーシーンで生まれたロックの1種で、ニルヴァーナの成功を機に"グランジ"という言葉がレコード会社の売り出し文句となりました。
元ネタ:タイトルはアメリカのロックバンド ニルヴァーナの『スメルズ・ライク・ティーン・スピリット』です。
Smells Like Teen Spirit (1991-05-03)
ネヴァーマインドの裏面のアートワークも。
ニル
元ネタ:ニルヴァーナのフロントマン カート・コバーン(コベイン)です。
カートは幼い頃に両親が離婚し、親族の家を転々とし、内に籠りがちな性格になっていったと言います。高校を中退し、その後は用務員として働き、ホームレスのような生活をしながらバンド活動をしていた事もあったそうです。そのような苦しい経験は、歌詞にも反映されています。
ホール
元ネタ:カートの妻コートニー・ラブを中心としたロックバンド ホールです。
ニルとホールの性別が気になりますが、コートニーの方が"強い"イメージはあります。
キム
アメリカのオルタナティブロックバンド、"生ける伝説"ソニック・ユースの女性ベーシスト キム・ゴードンです。
曲によってはリードボーカルも担当しています。
カートはキムを姉のように慕っていたと言われています。
フリーク・シーン・アカデミー
元ネタ:轟音ギターが特徴のアメリカのロックバンド ダイナソーJrの曲『Freak Scene』です。
最高傑作といわれる3rdアルバム「Bug」に収録されています。
日本では前出の2バンドに比べてややマイナーかもしれませんが、前回登場したマイブラのケヴィン・シールズとの共演も多く、マイブラとニルヴァーナを繋げる存在としては最適だと言えます。
↓ソニック・ユース、ニルヴァーナ、ダイナソーJrがそろい踏みしたヨーロッパツアードキュメントです。
1991: The Year Punk Broke [DVD] [2011]
小ネタ集
ティーン・スピリット
実際の「ティーン・スピリット」はデオドランド剤の商品名です。
レディスピードスティック Lady Speed Stick デオドラント ティーンスピリット ピンククラッシュ 女性用 固形 制汗剤 39.6g
グランジのアーティストは薬物中毒になる傾向がかなり高いです。
数学愛好会
元ネタ:マッド・ハニー(これは「Bootleg」を見るまでわかりませんでした! 体の泥がマッドで、数学はマッドハニーの元のバンド名は数学教師の名前から付けていたからだそうです。なんてマニアックな)
[間違い] 私はてっきり数学(=マスロック)で上半身裸なのでスリントかと思いましたが(ラインナップ的にはちょっと苦しい…)。
マッドハニーは、ニルヴァーナも所属していたインディーレーベル サブ・ポップのアーティストで、"元祖グランジバンド“と言われています。グランジ(語源はGrungy=薄汚い)という言葉は、マッド・ハニーが自身の音楽性を説明する際に用いた言葉だと言われています。
Superfuzz Bigmuff: Deluxe Edition
セリフ
ニル「僕は今幸せだよ、だって今日友達が出来たから」・・・ニルヴァーナの曲『リチウム』の歌詞より(Lithiumの歌詞和訳はコチラ)
ニル「銃に弾を詰めて、仲間を連れて来くるんだ・・・エンターテイン・アス」・・・『スメルズ・ライク・ティーン・スピリット』の歌詞より(Smells Like Teen Spiritの歌詞和訳はコチラ)
(黒板の文字(MOSQUITO、MULATTO、ALBINO)も同じく『スメルズ~』から)
その他
キース・ローリング・・・ザ・ローリングストーンズのギタリストのキース・リチャーズ
ピート・バッドフィンガー・・・ザ・フーのピート・タウンゼント(TV番組「TOP OF THE POPS」出演時にギターを破壊、中指を突き立ててBBCから出入り禁止を受けているからバットフィンガー?)。右手を風車のように振り回す"ウィンドミル奏法"が有名です。
やる気のないチアガール・・・前出の『スメルズ・ライク・ティーン・スピリット』のミュージックビデオより
瞑想している人達・・・ビートルズのジョージ・ハリスン??
サーフィンの練習をしている人達・・・(?) ニルヴァーナと同じく"グランジ"にくくられて商業的に大成功したロックバンド パールジャム??(フロントマンのエディ・ヴェダーはサーファーとしても有名です。ただ、絵は似せていないので、関係ないかもしれません)
(それともバットホール・サーファーズ、じゃないですよね…)
オアシス「Definitely Maybe」のジャケットのポスターが登場していました。
校門にはピンクフロイドの「The Wall」も
部室棟BCBG・・・ニューヨークのライヴハウスCBGC
I WANT YOU FOR THE FANCLUB・・・スコットランド出身のバンド ティーンエイジ・ファンクラブでしょうか? 1991年に名作をリリースしたのは、マイブラやニルヴァーナとも一致します。ニルヴァーナと同じレコード会社、ゲフィン傘下のDGCから作品をリリースされていました。
カボチャを殴る人達・・・シカゴ出身のバンド スマッシング・パンプキンズ。90年代のオルタナティブロックの中でも成功したバンドの1つです。デビュー後しばらくは同時期にデビューしたニルヴァーナと比較され、苦労していたそうです。
3rdアルバム以降はグランジ勢とは一線を画す音楽性に進んでいきました。
(Rotten Apples) The Smashing Pumpkins Greatest Hits [Explicit]
スケボー/恐竜の化石・・・前出のダイナソーJr
奇人としても有名なマルチプレイヤーのJ・マスシス。スケボーもこんなに上手いとは…。
ちなみになぜアニメで少女になっているのかというと、メジャーデビューアルバム「グリーン・マインド」の"タバコを加えた少女"のイメージなんだそうです(Bootlegより)。
大男と妖精・・・ピクシーズ。80年代に活動したアメリカのオルタナティブロックバンド(解散後、2004年に再結成)。90年代以降のオルタナティブロックに絶大な影響を与えました。
ニルヴァーナのカートも、自身の作品を「ピクシーズをパクった」と語っていたと言われています。
(↑女性ベーシストだけ若いのはメンバー交代しているからです)