<歌詞和訳>Orange Crush – R.E.M. 曲の解説と意味も
R.E.M. – Orange Crush
アール・イー・エム – オレンジ・クラッシュ
アメリカ ジョージア州で結成されたロックバンド R.E.M.の6thアルバム「Green」(1988年)に収録されている曲です。
同アルバムの最初のシングルとして、同年12月にリリースされました。
歌詞の意味と解釈
反戦的な曲として紹介されるこの曲「オレンジ・クラッシュ」ですが、歌詞は直接的な表現がされておらず、よくわかりません。
ポップな曲調と、炭酸ジュースと同じ名称のタイトルもあって、一見気楽なポップロックソングに聴こえます。
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しかし、この曲の「オレンジ・クラッシュ」とは、ベトナム戦争で除草剤として使われた化学兵器「エージェント・オレンジ」を指していると知ると、歌詞のもつ意味合いが俄然違ってきます
エージェント・オレンジ:べトラム戦争で、アメリカ軍がジャングルを枯らす目的としてベトナム国土に大量に散布した化学兵器。異常児の出産など人体に多大な悪影響を及ぼした
マイケル・スタイプの父もアメリカ陸軍としてべトナム戦争に従軍したらしく、父を含むその世代の人の体験談も、歌詞に反映されているようです。
下記の和訳では、ベトナム戦争に寄せた意訳をしています。
歌詞と和訳
Written by Bill Berry, Peter Buck, Mike Mills & Michael Stipe
(Follow me, don’t follow me)
I’ve got my spine, I’ve got my orange crush
(Collar me, don’t collar me)
I’ve got my spine, I’ve got my orange crush(We are agents of the free)
I’ve had my fun and now it’s time
To serve your conscience overseas (Over me, not over me)
Coming in fast, over me
(×2)
(ついて来い、いや、ついて来るな)
背骨は無事だ、オレンジ・クラッシュを浴びても
(補助具をくれ、いや、補助具は要らない)
背骨は無事だ、オレンジ・クラッシュを浴びても
(俺らは自由のエージェント)
楽しかった日々、でもその時が来た
アンタの正義の為、海外での務めが待っている(俺を飛び越えろ、いや、越えるな)
急げ、俺を越えていけ
・spine 脊椎、背
・collar カラー、襟、首輪をつける、つかまえる、逮捕する
・conscience 良心、道義心
High on the roof
Thin the blood
Another one came on the waves tonight
Coming in, you’re home
すっかりハイになる
血を薄める
別の奴らが今夜、押し寄せてきた
やって来る、君は家にいる
・high on 酔っぱらう
“We would circle and we’d circle and we’d circle
To stop and consider and centered on the pavement
Stacked up all the trucks jacked up and our wheels
In slush and orange crush in pocket and allThis here county, hell, any county, it’s just like heaven here
And I was remembering and I was just in a different county and all
Then this whirlybird that I headed for I had my goggles pulled off;
I knew it all, I knew every back road and every truck stop"
俺らは輪になり、輪になり、輪になり
立ち止まり、あれこれ考え、集まった、道路の上で
大渋滞を起こしたトラックはジャッキアップされ、俺らの車は
ぬかるみにはまり、ポケットにはオレンジクラッシュ
この国は、地獄だから、他の国は、まるで天国
俺は思い出している、あの国にいた事を
あの時、ヘリに向かって、外したゴーグルを振りかざす
全部わかった、わかったんだ、裏道もドライブインも
・consider 熟考する、か投げる
・pavement 舗装道路
・stuck up 積まれる、渋滞する、匹敵する
・whirlybird ヘリコプター
・truck stop トラック用のドライブイン
※ここのパートは「戦場を表現したもの」と考えられますが、隠語も使われているようで、そのまま訳しても意味がよくわかりません
(Follow me, don’t follow me)
I’ve got my spine, I’ve got my orange crush
(Collar me, don’t collar me)
I’ve got my spine, I’ve got my orange crush(We are agents of the free)
I’ve had my fun and now it’s time
To serve your conscience overseas (Over me, not over me)
Coming in fast, over me
(ついて来い、いや、ついて来るな)
背骨は無事だ、オレンジ・クラッシュを浴びても
(補助具をくれ、いや、補助具は要らない)
背骨は無事だ、オレンジ・クラッシュを浴びても
(俺らは自由のエージェント)
楽しかった日々、でもその時が来た
アンタの正義の為、海外での務めが待っている(俺を飛び越えろ、いや、越えるな)
急げ、俺を越えていけ
High on the roof
Thin the blood
Another one came on the waves tonight
Coming in, you’re home
(×2)
すっかりハイになる
血を薄める
別の奴らが今夜、押し寄せてきた
やって来る、君は家にいる
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メジャーデビューシングルなのに…
メジャーレーベルからのシングル1曲目としてはかなり尖ったテーマですが、インディーで活動していたアーティストがメジャーデビューすると「セルアウト」(商業的になった)と非難されていた時代、バンドの「魂は売っていない」というアピール、と解釈できなくもありません。
ちなみに、アルバム「Green」のジャケットももしかして…?
収録アルバム
アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。
Green(1989年)
メジャーレーベルからリリースされた通算6枚目のスタジオアルバム。バンドの勢いを感じさせる充実した作品。
R.E.M.の代表作というと、この次の「Out Of Time」(1991年) か「Automatic For The People」(1992年) になるのですが、その2作はちょっとおとなしい作風なので、このアルバムが一番入りやすいかもしれません。個人的にも傑作だと思います。
Part Lies Part Heart Part Truth Part Garbage 1982-2011(2011年)
全キャリアから代表曲を網羅した2枚組40曲のベストアルバム。新曲も3曲収録されています。
R.E.M.はインディー時代のベスト盤とメジャー時代のベスト盤が出ていますが、入門にはまずこれを聴き、そこから気に入った時代のものを聴いていくのが良いと思います。