【ジャンル解説】ポストパンク(Post-Punk)
音楽ジャンルを歴史と一緒にわかりやすくまとめました。
Post-Punk:ポストパンクとは何か
始まり:1980年頃イギリス・アメリカ
詳細解説
ポストパンクは、イギリスのパンクバンドがそのままポストパンクとなった例(セックス・ピストルズのジョン・ライドンが結成したパブリック・イメージ・リミテッドや、パンクバンドとして登場したスリッツ、ワイヤーなど)も多い。
1970年代のパンクロックは、音楽性の上ではシンプルでストレートなものだったが、ポストパンクの音楽性はバンドごとに様々で、よりフリーフォームである。
ピストルズが解散した頃のジョニー・ロットンは、最高級のオーディオ機材でレゲエを聴き、音楽的興味はジャマイカに向かっていたというが、その逸話も「ポストパンク」を象徴しているといえる。
パンクロックのようなとっつき易さは無く、商業的には成功しなかった。しかし、その実験精神は後に多くのアーティストのインスピレーションとなり、90年代以降に再評価された。
なお、パンクロックのストレートな音楽性は過激さを増してハードコアパンクに引き継がれた。
代表的なアーティスト
・パブリック・イメージ・リミテッド(Public Image Ltd 活動期間:1978-92, 2009-)
・ギャング・オブ・フォー(Gang of Four 活動期間:1977-83, 1987-97, 2004-)
・トーキング・ヘッズ(Talking Heads 活動期間:1974-1991, 2002)
・スリッツ(The Slits 活動期間:1976-81, 2006-)
・ワイヤー(Wire 活動期間:1976-80, 1985-92, 2000-)
・ジョイ・ディヴィジョン(Joy Division 活動期間:1976-80)
・サートゥン・レイシオ(A Certain Ratio 活動期間:1977-)
・ザ・ポップ・グループ(The Pop Group 活動期間:1978-81, 2010-)
動画(全部で8作品)
音楽ジャンル解説の目次はコチラ
ポストパンクとは、パンクロックの”ラディカル”(急進的)な側面を受け継ぎ、既存のロックに縛られないスタイルをもった音楽である。
パンクロックをベースにしているが、ファンクやレゲエ(ダヴ)、フリージャズや民族音楽、ドラムマシーンやシンセサイザーなど様々な音楽要素が取り入れられた。
ロックに馴染みのないミュージシャンや素人が楽器を持ち、感性の赴くままに演奏し、録音作業を行う事もあった為、サウンドの形態はより規格外なものになっていた(パンクロックに刺激を受けて音楽を始めた者も多いという)。
なお、”ニューウェーブ”と同じ意味でポストパンクという言葉が用いられる事も多い。文字どおり、パンク以降(=post-punk)に登場した新感覚の音楽(=ニューウェーブ)を指すからである。
しかし、当サイトではニューウェーブとポストパンクを区別し、「ポストパンクはパンク直系の精神をもったニューウェーブの1ジャンル」と定義した。