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【ジャンル解説】ローファイ(Lo-Fi)

2018-04-17音楽ジャンル辞典

音楽ジャンルを歴史と一緒にわかりやすくまとめました。

 

Lo-Fi:ローファイとは何か

 

 

始まり:1990年代アメリカ

  ローファイとは、もともとは不明瞭な音質を指す表現である。転じて、宅録などの安物機材やヴィンテージ機材で録音するアーティストや、いわゆるヘタウマ系のアーティストを指すジャンルとなった。

 1980年代以降、明瞭で規格化された音(ハイファイ)が主流になる中、アンダーグラウンドのアーティストのチープな音質や、力の抜けた雰囲気が個性となり、一部のリスナーの間で評価されるようになったことから生まれた概念だといわれる。

 

 

詳細解説

 ローファイとは、元々は”Low-Fidelity”というハイファイ(明瞭な音)の反対語として、不明瞭な音質を指す表現だが、転じてジャンルを表す言葉となった。

 1980年代になると録音技術が上がり、メインストリームのアーティストの作品ではオーバーダビング(多重録音)や、音質、ボリューム、位相を調整するミキシングが緻密になった。
 一方、それら規格化された音への反動として、インディーアーティストの間では、加工が施されない生々しい(録ったままの)サウンドを志向する動きが生まれた。または、機材や予算の制約でそうならざるを得ない場合もある。

 

 ローファイでは、歌唱力や演奏技術よりも独特の味が重視される。このような価値観は現在でもオルタナティヴロック/インディーロックの重要な要素だといえる。
 なお、ローファイに括られるアーティストは、ギターポップにも通じるメロディのよさを持っている場合が多い。音質が悪くても、技巧的なアーティストがローファイと呼ばれる事は無い。

 

 また、ローファイの極端な例としては、1968年にアメリカの音楽素人の3人姉妹が、厳格な父親の指示で結成させられたシャッグスが挙げられる。シャッグスの稚拙で散らかった演奏と歌声がフランク・ザッパ等にかえって評価され「世界最悪のロックンロールバンド」「ビートルズよりも重要なバンド」などと呼ばれている(ニルヴァーナのカート・コバーンも作品をフェイバリットの一つに挙げたという)。
 この作品は、スカムミュージック(クズ音楽)という概念の重要作品としても挙げられる。

 

 

代表的なアーティスト

ペイヴメント(Pavement 活動期間:1989-99, 2010-)
ベック(Beck 1970-)
ビート・ハプニングス(Beat Happening 活動期間:1982-)
セバドー(Sebadoh 活動期間:1986-)
リズ・フェア(Liz Phair 1967-)
ダニエル・ジョンストン(Daniel Johnston 1961-)
ガイデッド・バイ・ヴォイシズ(Guided by Voices 活動期間:1983-2004, 2010-14, 2016-)
シャッグス(The Shaggs 活動期間:1968-75, 1999, 2017)

 

動画(全部で8作品

 

 

 

 

 

 

 

 

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