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アニメ「リスナーズ」元ネタまとめ(全話分)

2020-04-27テーマ別曲集

アニメ『LISTENERS リスナーズ』の元ネタをまとめています。

※アニメの画像は「リスナーズの公式ホームページ」から引用させていただいております

第1話・第2話の元ネタはこちら

第3話・第4話の元ネタはこちら

第5話・第6話の元ネタはこちら

第7話の元ネタはこちら

第8話の元ネタはこちら

第11話・イクイップメント・第12話の元ネタはこちら

 

TRACK09「自由」(Freedom)

7話から続くロンディニウム編(元ネタ:ロンドン) です。

テーマはジミ・ヘンドリックスが多めですが、「ロックスターの光と影」のようなものも含まれているようです(Bootlegでも「ロックスターの虚構」というお話がありました)。

ちなみに、ジミヘンはアメリカ人ですが、活動を本格的に開始した(名前をジミとし、自らのバンド ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスを結成した)のはイギリスのロンドンです。

ジャケットのイメージは、ジミヘンの2ndアルバム「Axis: Bold As Love」(1967年)と思われます。(特に文字の書体)


アクシス:ボールド・アズ・ラヴ

サイケデリック全盛期のかなりぶっ飛んだセンスのジャケットです。(60年代後半は「ヒッピームーヴメント」の最盛期、LSDも国や地域によってはまだ合法でした)

 

タイトルの元ネタはジミ・ヘンドリックスの楽曲『Freedom』から。

アニメ9話のタイトルが表示された時のミュウ(?)のセリフ「So I can give」は歌詞の一部です(Freedom 歌詞和訳はこちら)

 

ちなみにこの曲は、ジミヘンが死亡した翌年にリリースされました。

生きていれば、4thアルバムとなる「First Rays Of The New Rising Sun」に収録されるはずでした。


ファースト・レイズ・オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン

 

 

小ネタ集

今回は、主要キャラは登場済なので「小ネタ」が中心です。

アニメのストーリーは、やや暗く、先行きが気になる感じになっていますが、ネタもかなりたくさん盛り込まれています。

 

パープル・ヘイズ

元ネタ:ジミヘンの代表曲『Purple Haze

 


アー・ユー・エクスペリエンスト?

 

 

ブライトン・ビーチ

元ネタ:イギリスの海辺の観光都市ブラントン(ロンドンから電車で1時間ほどのところにある開放的な雰囲気の街だそうです)

映画「さらば、青春の光」では、モッズvsロッカーズの暴動が起こる映画のクライマックスとなりました。


さらば青春の光 [DVD]

 

また、アニメでのトミーのセリフ「僕は海」は、サントラに収録されているザ・フーの曲のタイトルです。

 


さらば青春の光オリジナル・サウンドトラック+1(紙ジャケット仕様)

 

 

ロンディニウム・インヴェイジョン

元ネタ:ブリティッシュ・インヴェイジョン

ブリティッシュ・インヴェイジョンとは、1960年代半ばにイギリスのアーティストがアメリカのヒットチャートを席巻した現象を指します(その中心にあったのはビートルズです)。

 


1

 

セカンド・カミング

元ネタ:ザ・ストーン・ローゼズの2ndアルバム「Second Coming」(1994年)

ストーン・ローゼズは80年代後半に登場したイギリス マンチェスター出身のバンドです。(今後、ローゼズの曲がタイトルになった回があるようです)

 


セカンド・カミング

イギリスのロックを語る上で欠かせないとされる名盤の1stアルバムから、5年の間隔が空いてリリースされた本作。
重厚なギター中心の作風となった本作の評判はイマイチで、バンドは1996年に解散。現状では、ストーン・ローゼズのラストアルバムとなっています。

 

 

アノラックとサイコビリー

それぞれ、ロック(オルタナティヴロック) のサブジャンルです。

詳細は別の記事で書いていますので、気になる方はどうぞ。

 

 

アノラックを代表するバンド ヴァセリンズはニルヴァーナもカバーし、注目を集めました。

 


Enter the Vaselines (Dlx) (Dig)

 

 

 


インセスティサイド

 

髪型や服装など、とにかくアクが強いジャンル サイコビリー
ばっちりキマッたサイコ刈りと棺桶型のウッドベースがインパクト大のネクロマンティックス

 


リターン・オヴ・ザ・ラヴィング・デッド

 

また、アノラック、サイコビリーの後にはAC/DCのブライアン・ウィルソンアンガス・ヤングと思しきハンティングキャップ姿のキャラクターが登場しています。

 


Back in Black (Dlx)

 

 

ジョー

元ネタ:ジョー・ストラマー(ザ・クラッシュ)

捕らわれたエコヲとニルを救った(助けたのはニルだけでしたが)、ライドとリッチーのダチ。

セックス・ピストルズと共に1970年代のロンドン・パンクを代表するバンド。

 


ヒッツ・バック・ジャパン・ヴァージョン

アルバム1枚で解散したピストルズと違い、クラッシュはその後音楽性を広げながら、計6枚のオリジナルアルバムをリリースしました。

クラッシュ解散後は、ソロアーティストとしても活動していましたが、2002年に急逝しました。


ジョー・ストラマー 001

 

 

ニルのアンプ

元ネタ:Randall RG-120

アメリカのメーカー ランドール社製のアンプ。オレンジのラインが印象的です。

 

ニルヴァーナのカート・コバーンが使用していた(主に1stアルバム「Bleach」の時期) 事でも知られているようです。


ブリーチ

 

ライドとリッチーのお墓

2人のお墓に書かれた生年月日は、元ネタのジョン・ライドンシド・ヴィシャスの生年月日が入れ替わったものです(1957年1月31日と1957年5月10日。ライド(ジョン)だけ1年違い)。


NO FUTURE A SEX PISTOLS FILM (字幕版)

 

 

セリフ

・ジミ「昔鏡だらけの部屋に住んでいた、見えるものと言えば自分だけ、ある時気力を振るって鏡をたたき割った、そしたら目の前に世界が見えた

元ネタ:ジミ・ヘンドリックスの曲『Room Full Of Mirors』の歌詞より

I used to live in a room full of mirrors
All I could see was me
Well, I take my spirit and I smash my mirrors
Now the whole world is here for me to see

こちらも、ジミの死後に正式にリリースされた曲です。

 

ジミの伝記本のタイトルにもなっています。


ジミ・ヘンドリクス 鏡ばりの部屋 (P‐Vine BOOKs)

 

 

・マーシャル「“ドント・トラスト・オーヴァー・サーティー"ってな

元ネタ:60年代のヒッピームーブメントの中で生まれた言葉

(Don’t trust anyone over 30=30歳以上の奴を信じるな)

 

・ミュウ「誰も彼も、死んだ奴にこんな夢中だなんて、おかしな話だね

・ジミ「そして俺達は皆、愛する者を燃やす」 ミュウ「燃やすのは生贄だ

元ネタ:ジミヘンの有名な言葉より

It’s funny how most people love the dead

Those times I burned my guitar, it was like a sacrifice. We all burn things we love. I love my guitar.

 

 

TRACK10「クロスロード・ブルース」(Cross Road Blues)

ブルースの回です。

タイトルは、伝説のブルースミュージシャン ロバート・ジョンソンと、彼の曲『Cross Road Blues』へのオマージュとなっています。


コンプリート・レコーディングス

 

 

ロバート・ジョンソンは1911年のミシシッピ州のプランテーションで働く小作人の私生児として生まれました(母親にはすでに10人の子供がいたとか)。
ギターを兄から習い、その後ブルースミュージシャンに教わったそうですが、その腕はお世辞にも上手いとは言えないものだったそうです。
しかし、彼はアメリカ各地をアコースティックギター片手に旅をしながら、短期間で見違えるように演奏と歌の技術を上達させたと言います。
上達の理由を聞かれた彼は、「真夜中の十字路で悪魔と取引をした」と言ったそうです。これが俗に言う「クロスロード伝説」です。

27年という彼の短い生涯で、彼が行ったレコーディングはたった2回で、彼が残した曲は29曲(別テイクも含めた42トラック)です。

また、残された彼の写真も、上記のものを含めた2枚しかありません。

 

ちなみに、クロスロード・ブルースの舞台となっているミシシッピ州の田舎町クラークスデイルにおいて、国道61号と49号が交わっているクロスロード(十字路・交差点)は、町のランドマーク的な場所だったそうです。

現在は世界中のブルース愛好家が集まる観光地となっているそうです。

 

クロス・ロード・ブルースで歌われているのは、この交差点でヒッチハイクをしている男の心境ともとれますが、悪魔に魂を売った男を歌っているとも解釈できます。

クロス・ロード・ブルースの歌詞和訳はこちら

 

27歳で急死した彼の死因も謎に包まれています。一説には人妻に手を出した為に恨みを買って毒殺されたとも言われていますが、それをクロスロード伝説になぞらえて悪魔に魂を売った為と見る人もいます。


ロバート・ジョンソンへの旅~その音楽と人生 [DVD]

 

ブルースから発展したのがロックンロールという事を考えると、アニメでロバートの元からジミが旅立っていく、というのもロックの歴史を表現していると言えます。

 

 

ロバートとジャニス

 


Farewell Song

元ネタ:ロバート・ジョンソンジャニス・ジョプリン

ロバート・ジョンソンは先ほど書かせていただいたので、ここではジャニス・ジョプリンについて。
ジャニス・ジョプリンはブルースの女王、初の女性ロックシンガーともいわれているアメリカのシンガーです。

ジミ・ヘンドリックスと同時代を生きたミュージシャンで、ロバート、ジミと同様、27歳でその生涯を終えています。

 

 

アニメでジャニスが手にするレコードは、ジャニス・ジョプリンの3枚目のアルバム「I Got Dem Ol’ Kozmic Blues Again Mama!」(コズミック・ブルースを歌う 1969年)です。


コズミック・ブルースを歌う

 

 

 

27クラブ

27歳で亡くなった天才的なミュージシャンを総称し、このように呼ばれています。

クロスロード伝説になぞらえ「悪魔に魂を売って才能を手に入れた」と見る向きもあります。

前出のロバート・ジョンソン、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリンに、ニルヴァーナのカート・コバーン。アニメ「リスナーズ」の登場人物は27クラブを中心に進行しているという見方もできます。

 

その他に有名なのは、ローリング・ストーンズのリーダーでギタリストだったブライアン・ジョーンズと、ドアーズのジム・モリソン

この2名はアニメには登場していませんが、第8話の演劇(ウォッチタワー)は、ブライアン・ジョーンズへのオマージュにもなっているそうです。
というのも、ローリング・ストーンズの「サタニック・マジェスティーズ」はブライアン・ジョーンズが貢献した最後のアルバムで、ジミヘンの「ウォッチタワー」の録音にはブライアン・ジョーンズがパーカッションで参加していたという事です(Bootlegより)。かなり細かいです…。

 

 

小ネタ

道路標識

道路標識には、シカゴ、セントルイス、メンフィス、(一部隠れて)リヴァプールとあります。

イリノイ州シカゴで生まれたシカゴ・ブルースは、エレクトリック楽器を用いたバンド形式で、後のロックンロールへ大きな影響を与えました。マディ・ウォーターズはシカゴ・ブルースの父と呼ばれています。

 

ミシシッピー州セントルイスは、ロックンロールの創始者チャック・ベリーの生まれ故郷として知られています。

 

テネシー州メンフィスは、エルヴィス・プレスリーらが所属していたインディペンデント・レコード会社サン・レコードがある土地として知られています。

 

イギリスの港湾都市リヴァプールは、ブルースを始めとしたアメリカの音楽がいち早く輸入された都市で、その音楽に触発された若者(ビートルズを含む)はバンドを組み、イギリスのロックの形成を担っていきました。

 

 

鼻歌

アニメでたびたび登場していた鼻歌の原曲が10話のエンディングテーマ『Slumber』だった事が、Bootlegで明らかになりました。
(当初10話はルーツミュージック全般を扱う予定だった為、ブルース調ではなくカントリー調の曲です)