<歌詞和訳>All Along The Watchtower (見張塔からずっと) – Bob Dylan 曲の解説と意味も
Bob Dylan – All Along The Watchtower
ボブ・ディラン – オール・アロング・ザ・ウォッチタワー(邦題:見張塔からずっと)
2016年にノーベル文学賞を受賞したアメリカのミュージシャン ボブ・ディランの8thアルバム「John Wesley Harding」に収録されている曲です。
同アルバムのシングルとして、1968年11月にリリースされました。
ジミ・ヘンドリックスがカバーし、1968年9月にシングルとしてリリースされ、本家を凌ぐヒットとなりました。
ボブはジミのアレンジをとても気に入り、ジミに寄せたアレンジで演奏していたそうです。
歌詞の意味と解釈
タイトルにある「ウォッチタワー」(見張り塔) とは、櫓のような、外部の敵などを見張る為の塔です。
この言葉は聖書にも登場し、「ものみの塔」等と訳されています。
歌詞の後半部分は、旧約聖書 イザヤ書の「バビロニア帝国の崩壊を伝える使者」との類似点が指摘されています。
ボブ・ディランの詞の中でも難解なものと言われ、歌詞に登場する人物についても、宗教・哲学・音楽業界などの視点から、様々な解釈や憶測が生まれています。
しかし、歌詞の意味がわからなくとも、道化師(joker) と盗人(thief) が交わす会話には、不思議な深さを感じます。
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歌詞と和訳
Written by Bob Dylan
“There must be some way out of here"
Said the joker to the thief
“There’s too much confusion
I can’t get no relief
Businessmen, they drink my wine
Plowmen dig my earth
None of them along the line
Know what any of it is worth"
「ここから抜け出す手段があるはずだ」
道化師は盗人に言った
「混乱ばかりで
休めやしない。
事業家どもは俺のワインを飲み
農夫どもは俺の土地を耕す
やつらの誰一人として
その価値をわかっちゃいない」
・plowman 農夫、田舎者、(plow=すき、耕すの意味)
“No reason to get excited"
The thief, he kindly spoke
“There are many here among us
Who feel that life is but a joke
But you and I, we’ve been through that
And this is not our fate
So let us not talk falsely now
The hour is getting late"
「そんなにイラつく事じゃないさ」
盗人は優しく話した
「俺達の仲間には
人生はただの冗談だと思っている奴がたくさんいる。
だけどアンタと俺は、そんな考えを乗り越えてきたし
そんな運命を背負っちゃいない
心にもない事を話すのは止めにしよう
夜も更けてきた」
・is but ~ ~に過ぎない
・falsely 誤って、偽って、だまして
All along the watchtower
Princes kept the view
While all the women came and went
Barefoot servants too
Outside, in the distance
A wildcat did growl
Two riders were approaching
The wind began to howl
見張塔からずっと
王子たちは眺めていた
女たちが裸足の召使を従え
行ったり来たりする様子を。
外側の、遠くの方では
ヤマネコが唸り
2人の馬に乗った者が近づいて来て
風がざわめき始めた
・all along 初めから、ずっと
・barefoot はだしの
・growl うなる、怒鳴る
収録アルバム
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John Wesley Harding(1967年)
バイク事故を経た後、シンプルな構成で制作された8thアルバムです。
The Very Best Of Bob Dylan(2016年)
2012年のアルバム『Tempest』までの代表曲を収録した、2枚組35曲、究極のベストにして入門に最適な作品です。
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