<歌詞和訳>Maxwell’s Silver Hammer – The Beatles 曲の解説と意味も
The Beatles – Maxwell’s Silver Hammer
ザ・ビートルズ – マックスウェルズ・シルバー・ハンマー
ザ・ビートルズの11thアルバム「Abbey Road」(1969年) に収録されている曲です。
牧歌的なメロディに似つかわしくない、物騒な歌詞が有名です。
いち早く導入されたモーグ・シンセサイザーのサウンドも特徴的です。
ポールはこの曲をシングルにする為に、様々な試みをしたそうです。
しかし、他のメンバーはそれに嫌々付き合わされた様子で、ジョン、ジョージ、リンゴはこぞってこの曲をこき下ろしており、「この曲のレコーディングがメンバー間の不和を強めた」とすら言われています。
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歌詞の意味と解釈
歌詞の内容は、「薬学を専攻する学生マックス・エディスンが、銀のハンマーで様々な人を撲殺していく」と言う物騒なストーリーです。
ポール流(英国流?) の皮肉やユーモアかもしれませんが、いまいち理解に苦しみます。
また、”韻” を重視したと思しき、よくわからない言葉も多く登場します(一方で、ボーカルのメロディーは耳にとてもよく馴染みます)。
掘り下げた考察は、和訳の後にしています。
歌詞と和訳
Written by John Lennon / Paul McCartney
Joan was quizzical, studied pataphysical science in the home
Late nights all alone with a test tube, oh, oh, oh, ohMaxwell Edison, majoring in medicine calls her on the phone
“Can I take you out to the pictures, Joa-oa-oa-oan?"But as she’s getting ready to go, a knock comes on the door
ジョーンはちょっとオカシな娘、空想物理を学んでいて、自宅では
夜更けまで試験管を手に実験している
薬学を専攻しているマックス・エディスンが、彼女に電話した
「一緒に映画館へ行かないかい? ジョーン」
だけど彼女が出掛ける準備をしていると、ドアをノックする音が
・quizzical 奇妙な、いぶかしげな
・pataphysical パタフィジック。フランスの作家アルフレッド・ジャリの造語で「形而超学」「空想科学」などと訳されます。ある種の皮肉を含んだ言葉とされ、「パタフィジックを学んで、試験管で実験する」事はかなり滑稽な様子だと思われます。
・majoring in 専攻している
Bang! Bang! Maxwell’s silver hammer came down upon her head
Klang! Klang! Maxwell’s silver hammer made sure that she was dead
バン!バン! マックスウェルの銀のハンマーが、彼女の脳天に振り下ろされる
ガン!ガン! マックスウェルの銀のハンマーが、彼女の息の根を止めた
・make sure 確かめる、必ずする
Back in school again Maxwell plays the fool again
Teacher gets annoyed
Wishing to avoid an unpleasant sce-e-e-eneShe tells Max to stay when the class has gone away
So he waits behind
Writing 50 times “I must not be so, o, o, o"But when she turns her back on the boy, he creeps up from behind
マックスウェルは大学に戻ると、また悪ふざけをする
困り果てた先生は
不快な妨害をどうにかしようと考え
マックスに、授業後に残るよう告げた
そこで彼は居残って
「もうしません」と50回も書かされた
でも先生が背を向けた途端、彼は背後から忍び寄り
・annoy いらだたせる、悩ます、困らせる
・unpleasant 不快な、いやな
・scene シーン、場面、風景、情勢、好み、醜態
・creep up 這い寄る、這い上がる
Bang! Bang! Maxwell’s silver hammer came down upon her head
(Do-do-do-do)
Klang! Klang! Maxwell’s silver hammer made sure that she was deadDo-do-do-do
バン!バン! マックスウェルの銀のハンマーが、彼女の脳天に振り下ろされる
ガン!ガン! マックスウェルの銀のハンマーが、彼女の息の根を止めた
P. C. 31 said, “We caught a dirty one.", Maxwell stands alone
Painting testimonial pictures, oh, oh, oh, ohRose and Valerie, screaming from the gallery, say he must go free
(Maxwell must go free)
The judge does not agree and he tells them so-o-o-oBut as the words are leaving his lips, a noise comes from behind
「とんでもないヤツを捕まえた」と31番の巡査は言った、一人立たされたマックスウェルは
証言の絵を描いている
ローズとヴァレリーが傍聴席から叫ぶ、彼は無実よ
(マックスウェルは無実よ)
裁判官は首を横に振り、判決を言い渡そうとする
だけど言葉を口にするその瞬間、背後から物音が
・P.C.(=police constable) 巡査
・testimonial 証言、証拠、証明書、表彰状
Bang! Bang! Maxwell’s silver hammer came down upon his head
Klang! Klang! Maxwell’s silver hammer made sure he was dead
バン!バン! マックスウェルの銀のハンマーが、彼の脳天に振り下ろされる
ガン!ガン! マックスウェルの銀のハンマーが、彼の息の根を止めた
Whoa, whoa, whoa
Doo-doo, doo-doo, doo
Silver hammer man
あぁ、なんてこった
銀のハンマー男
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マックスウェルのシルバー・ハンマーとは何なのか?
ポールはこの曲を「人生の没落を具現化したもの」「うまくいかない出来事のアナロジー」という説明をしています。
歌詞をシリアスに捉えるならば、「マックスウェルのシルバーハンマーのような不幸な出来事が誰の身にも起こりうる」という世の中の不条理を表現しているのかもしれません。
そう考えると、なかなか身につまされるものがあります。
また、昔話や童話には、”殺し” 等の怖い内容があっさりと描かれているものも多く、そういう表現を狙ったものかもしれません。
収録アルバム
アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。
Abbey Road(1969年)
通算11枚目のアルバムで、アルバムタイトルはレコーディングスタジオがある通りの名前からとられました(後に、スタジオの名称も正式に「アビー・ロード・スタジオ」となりました)。