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<歌詞和訳>Englishman In New York – Sting 曲の解説と意味も

2022-05-01その他の有名曲・定番曲 歌詞和訳[生き方] 信念/自分らしさ,★★★★★ (いい歌詞)

Sting – Englishman In New York
スティング – イングリッシュマン・イン・ニュー・ヨーク

 

イギリスのロックバンド ザ・ポリスの中心メンバーだったベーシスト兼ボーカリスト スティングの2ndソロアルバム「…Nothing Like The Sun」(1987年)に収録されている曲です。

同アルバムからの3枚目のシングルとしてもリリースされました。

 

歌詞の意味と解釈

スティングはこの曲について「70年代前半にロンドンからニューヨークに移り住んだ友人の為に書いた曲」と説明しています。

その友人とは、ゲイカルチャーの先駆者とも言われるイギリス人作家クエンティン・クリスプ(1908-1999年)を指しており、彼はミュージックビデオにも登場しています。

(イングランドでは男性同士の性的な行為が1967年まで犯罪でした。スコットランドは1980年まで、北アイルランドでは1982年までです)

 

歌詞の内容は、タイトルどおり「ニューヨークに住む英国人」(Englishmanはイギリス人ではなく"イングランド人"を指します)が、「イングランド気質を語っている」ものに思えます。

しかし、歌詞の本質は英国人やニューヨークについてではなく、「人がなんと言おうと、自分らしくあれ(自分の信念を貫け)」(Be yourself, no matter what they say)という事で、それは同性愛者であったクリスプの生き様とも一致します。
また、自分らしくいるのは「ニューヨークで英国流を貫いて生活するくらい難しい」という意味にも思えます。

 

なお、曲に散りばめられたジャズ、レゲエ、クラシックの要素は、様々な音楽が聴こえるニューヨークの街を表現したものでもあるそうです。

 

歌詞と和訳

Written by Sting

I don’t drink coffee, I’ll take tea my dear
I like my toast done on one side
And you can hear it in my accent when I talk
I’m an Englishman in New York

コーヒーは飲まない、紅茶をくれないか
トーストは片面だけ焼くのが好きだ
僕の英国訛りを聞けばわかるさ
僕はニューヨークの英国人

 

accent アクセント、なまり、強調、言葉づかい

 

See me walking down Fifth Avenue
A walking cane here at my side
I take it everywhere I walk
I’m an Englishman in New York

五番街を歩く僕を見れば
ステッキを持っているはずさ
どこにでも持ち歩くんだ
僕はニューヨークの英国人

 

cane ステッキ、(歩く為に使う)杖、茎、鞭打つ

 

I’m an alien, I’m a legal alien
I’m an Englishman in New York
(×2)

僕は外国人、合法的な異邦人
僕はニューヨークの英国人

 

alien 外国人、異邦人、宇宙人、よそ者、異質な
 ※legal alienという言葉は"illegal alien"(=不法在留外国人)という言葉を反対にして、皮肉っぽく使われている(外国人だけど違法じゃない)と思われます。

 

If “manners maketh man" as someone said
Then he’s the hero of the day
It takes a man to suffer ignorance and smile
Be yourself, no matter what they say

誰かが言ったみたいに"礼儀が人を作る"としたら
(礼儀をわきまえた)彼こそ今の時代の英雄
他人の無知に耐え、微笑みで返す、それが大人さ
自分らしくいるんだ、人がなんと言おうとも

 

manners maketh man イギリス中世の神学者・政治家 ウィカムのウィリアム(William of Wykeham 1324-1404)が残したといわれることわざ。makethは古い英語で、現在の言葉に置き換えると「manners make the man」となります。
 ※余談ですが、映画「キングスマン」でも印象的な言葉として使われています(後述)

it takes ~を必要とする
suffer 経験する、こうむる、我慢する、苦しむ
ignorance 無知、無学

 

I’m an alien, I’m a legal alien
I’m an Englishman in New York
(×2)

僕は外国人、合法的な異邦人
僕はニューヨークの英国人

 

Modesty, propriety, can lead to notoriety
You could end up as the only one
Gentleness, sobriety are rare in this society
At night a candle’s brighter than the sun

謙虚さや礼儀正しさが、悪評に繋がる事もある
仕舞には、独り切りなんて事もあるだろう
優しさや真面目さなんて、この界隈では滅多に見ない
でも夜になれば、ロウソクの灯りは太陽に勝るんだ

 

modesty 謙遜、控え目、慎ましさ
propriety 礼儀正しさ、正当性
notoriety 評判、悪名
end up as 最後には~になる、~で一生を終える
gentleness 優しさ、穏やかさ
sobriety まじめさ、平静、酔っていない様子

※ニューヨークの派手で騒々しい世界では、謙虚さや礼節、優しさ、真面目さは軽蔑や敬遠の対象になる、しかし、最後には信念を貫いたものが勝る、という意味が込められていると思われます。

 

Takes more than combat gear to make a man
Takes more than a license for a gun
Confront your enemies, avoid them when you can
A gentleman will walk but never run

一人前になるには、武装する事より
銃の免許を取る事より
相手と真正面から向き合い、避けられる争いは避ける事。
紳士ってのは歩くものさ、走って逃げたりしない

 

confront 直面する、対決する、突き合わせる

 

If “manners maketh man" as someone said
Then he’s the hero of the day
It takes a man to suffer ignorance and smile
Be yourself, no matter what they say
Be yourself, no matter what they say
Be yourself, no matter what they say
Be yourself, no matter what they say
Be yourself, no matter what they say

誰かが言ったみたいに"礼儀が人を作る"としたら
彼こそ今の時代の英雄
他人の無知に耐え、微笑みで返す、それが大人さ
自分らしくいるんだ、人がなんと言おうとも

 

I’m an alien, I’m a legal alien
I’m an Englishman in New York
(×2)

僕は外国人、合法的な異邦人
僕はニューヨークの英国人

 

 

I’m an alien, I’m a legal alien
(Be yourself, no matter what they say)
I’m an Englishman in New York
(×2)

僕は外国人、合法的な異邦人
(自分らしくいるんだ、人が何と言おうと)
僕はニューヨークの英国人

 

 

収録アルバム

アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。

…Nothing Like The Sun(1987年)

エリック・クラプトンやマーク・ノップラー、ギル・エヴァンスら豪華ゲストを迎えて制作された、最高傑作と呼ばれる事も多い2ndアルバム。
タイトルはシェイクスピアの詩の一節「My mistress’ eyes are nothing like the sun. Coral is far more red, than her lips red」(私の愛人の瞳も太陽には及ばない。唇もサンゴの方がずっと赤い)からの引用です。

 

The Best Of 25 Years(2011年)

ソロ活動25周年を記念してリリースされたベストアルバム。ソロキャリアを代表する31曲が収録された2枚組。

 

My Songs(2019年)

ザ・ポリス時代も含む自身の代表曲15曲をセルフカバーしたアルバムです。

 

 

マナーズ・メイクス・マン

映画「キングスマン」より。


キングスマン(字幕版)