【ジャンル解説】チェンバーロック(Chamber Rock)
音楽ジャンルを歴史と一緒にわかりやすくまとめました。
Chamber Rock:チェンバーロックとは何か
始まり:1960年代末ヨーロッパ
詳細解説
チェンバーロックがジャンルとして成立したのは1970年頃、サード・イアー・バンドがジャンルの草分け的存在と言われる。ロックには馴染みが薄い管楽器(クラリネットやフルート、ホルン)や弦楽器(チェロやヴィオラ)が使用され、緊張感のあるアンサンブルを奏でる。
ヨーロッパのバンドが多いが、非西洋圏の音楽(中近東アジアやインドなど)の要素も積極的に取り入れている。
また、暗くシリアスなテーマをもったユニヴェル・ゼロなどは”暗黒チェンバー”とも形容される。
Recommended Records:レコメン系とは何か
チェンバーロックの代表的なバンド ヘンリー・カウのクリス・カトラーはバンド解散後の1978年、世界中のアヴァンギャルドなインディーバンドを紹介する自主レーベル”Recommended Records”(レコメンデッド・レコード)を立ち上げた。同レーベルからリリースされるバンドは、日本においても”レコメン系”と呼ばれ、一部のコアなプログレファンの間で浸透している。
また、同氏は商業主義なロックに対する運動”Rock in Opposition”(RiO)を実施し、ここ日本でも2014年RiOフェスが開催されている(日本の出演バンドは高円寺百景など)
代表的なアーティスト
・ヘンリー・カウ(Henry Cow 活動期間:1968-1978)
・サード・イアー・バンド(Third Ear Band 活動期間:1968-1974)
・アール・ゾイ(Art Zoyd 活動期間:1969-)
・ユニヴェル・ゼロ(Univers Zero 活動期間:1974-1987, 1999-)
・アクサク・マブール(Aksak Maboul 活動期間:1977-1981, 2010-)※無国籍アヴァンギャルド、レコメン系
動画(全部で7作品)
チェンバーロックやレコメン系に大きな影響を与えたであろうキング・クリムゾン『太陽と戦慄』
音楽ジャンル解説の目次はコチラ
チェンバーロックとは、プログレッシヴロックの1ジャンルで、室内楽(チェンバーミュージック)のような編成と、前衛的な作風が特徴のロックである。
オペラチックなボーカルや、ロックには馴染みの薄い管楽器や弦楽器が多く使われる。
商業性とは程遠いものが多いが、キング・クリムゾンの「太陽と戦慄(Larks’ Tongues in Aspic=ちなみに直訳すると”ヒバリの舌の煮こごり”)」の音が好みならば手にとる価値はあると思われる。