<歌詞和訳>I Shall Be Released – Bob Dylan 曲の解説と意味も
Bob Dylan – I Shall Be Released
ボブ・ディラン – アイ・シャル・ビー・リリースト
アメリカのシンガーソングライター ボブ・ディランが1967年に制作した曲です。
ボブ・ディランと行動を共にしていたザ・バンドが、シングルとして1968年8月にリリースし、彼らの代表曲となりました。
ボブ・ディラン バージョンは1971年の「Greatest Hits Vol.2」で、ようやく公式に発表されました。
バンドTシャツ BOB DYLAN ボブ・ディラン THE BASEMENT TAPES Tシャツ ボブディラン フォークロック
歌詞の意味と解釈
タイトル「アイ・シャル・ビー・リリースト」を訳すと ”俺は解放されるべきなんだ” となります。
歌詞の言葉数はかなり少ないので、リスナー側の解釈の余地が多く、色々な見方がされています。
例えば、主人公の置かれた状況を「独房に入れられた囚人」に見立てたものや、いくつかの言葉を聖書の記述に照らして「神のご加護を歌ったもの」と見るものなどです。
いずれにせよ、広い意味で ”解放” や ”社会の生きずさ” を歌っている曲だと思われますので、ここの訳では、できるだけ限定しないで訳させていただきました。
そして、歌詞で印象的なのは、「壁の上にある反射」や「輝いている光」を見ている主人公は、「自由になる事を強く確信しているであろう」という事です。
そんなところからか、メッセージ性の強い日本のアーティストも、独自の解釈の日本語カバーで歌っています(忌野清志郎やディランIIなど)。
歌詞と和訳
Written by Bob Dylan
They say ev’rything can be replaced
Yet ev’ry distance is not near
So I remember ev’ry face
Of ev’ry man who put me here
人は言う、元に戻らないものはない
その道のりは短くないけれど、と。
だから俺は思い出すんだ、
俺をここへ連れてきた人々の顔を
・replace 取って代わる、元の位置に戻す
I see my light come shining
From the west unto the east
Any day now, any day now
I shall be released
俺の光が、西から東へと
輝いているのが見える
今すぐに、今すぐにでも
俺は解放されるべきなんだ
・any day now 今すぐにでも
いつかはわからない(any) けど、今(now) でもいい時間(day) という意味です。
They say ev’ry man needs protection
They say ev’ry man must fall
Yet I swear I see my reflection
Some place so high above the wall
人は言う、誰だって護られるべきだし
誰だって過ちを犯すものだ、と。
だけど、俺には反射する光が見えるのさ
この壁の遥か上に
I see my light come shining
From the west unto the east
Any day now, any day now
I shall be released
俺の光が、西から東へと
輝いているのが見える
今すぐに、今すぐにでも
俺は解放されるべきなんだ
Standing next to me in this lonely crowd
Is a man who swears he’s not to blame
All day long I hear him shout so loud
Crying out that he was framed
孤独な人の群れの中で、隣に立っている男が
自分は悪くないと主張する
一日中奴が大声で、
自分はハメられたんだと叫ぶのが聴こえる
・framed 額に入れられた、無実の罪を受けた
I see my light come shining
From the west unto the east
Any day now, any day now
I shall be released
俺の光が、西から東へと
輝いているのが見える
今すぐに、今すぐにでも
俺は解放されるべきなんだ
収録アルバム
アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。
Bob Dylan’s Greatest Hits Vol.II(1971年)
1971年にリリースされたボブ・ディランのベスト盤の第2弾です。当時アルバム未収録・未発表だった曲も多数収録されファンには嬉しい内容だったようです。
ここに収録の『I Shall Be Released』は歌の3節のうち、1番がありません。
The Very Best Of Bob Dylan(2016年)
2012年のアルバム『Tempest』までの代表曲を収録した、2枚組35曲、究極のベストにして入門に最適な作品です。
日本語カバー
※Youtubeにリンクを貼っています(公式ではないので、埋め込みではなくリンクにしています)。
忌野清志郎(RCサクセション) は、アルバム「Covers」が東芝の圧力で発売中止になった無念を晴らすような、表現の自由を訴えるカバーを歌いました。
友部正人は、直訳寄りの、独特の雰囲気が生きるカバーをしています(真島昌利との共演)
フォークデュオ ザ・ディランIIは「男らしいってわかるかい」という邦題と独自の解釈でカバーしています。
Any Day Now
サビの「Any Day Now」は性的マイノリティや障がい者を描いた映画「Any Day Now」(邦題:チョコレートドーナツ)のタイトルとなり、劇中ではショーダンサーのルディが歌っています。