<歌詞和訳>El Condor Pasa(If I Could) (コンドルは飛んで行く) – Simon & Garfunkel 曲の解説と意味も
Simon & Garfunkel – El Condor Pasa(If I Could)
サイモン・アンド・ガーファンクル – エル・コンドル・パサー(邦題:コンドルは飛んでいく)
アメリカのフォークデュオ サイモン&ガーファンクルのラストアルバムとなる5作目「Bridge Over Troubled Water」(邦題:明日に架ける橋 1970年) に収録されている曲です。
この曲はラテンアメリカの民俗音楽(フォルクローレ) ですが、ポール・サイモンが独自に英語の詞をつけました。
演奏は、フォルクローレバンドのロス・インカスによるものです。
歌詞の意味と解釈
タイトル「エル・コンドル・パサー」はスペイン語で、英語に直すと「The Condor Passes」、日本語ではタイトル通り「コンドルは飛んで行く」となります。
また、サブタイトルの(If I Could)はポールが付け足したもので、曲中で何度も繰り返されるフレーズです。
歌詞は、詩のように簡素ですが、色々と考えさせられるものがあります(個人的な考察は和訳の後に書かせてもらいました)。
歌詞と和訳
Written by Daniel Alomía Robles
English Lyrics by Paul Simon
I’d rather be a sparrow than a snail
Yes I would
If I could
I surely would
カタツムリよりも、やはりスズメの方がいい
そうさ
なれるなら
きっとそうするさ
・would rather の方がマシ、むしろ~したい
・sparrow スズメ
・snail カタツムリ、のろま
I’d rather be a hammer than a nail
Yes I would
If I only could
I surely would
釘よりも、やはりハンマーの方がいい
そうさ
なれるなら
きっとそうするさ
Away, I’d rather sail away
Like a swan that’s here and gone
A man gets tied up to the ground
He gives the world
Its saddest sound
Its saddest sound
遠く、遠く海に出たい
ここを飛び立った、白鳥のように
人は大地に縛り付けられ
世界に向けて
とても悲しい声を上げる
これ以上ない程の悲しい声を
I’d rather be a forest than a street
Yes I would
If I could
I surely would
街路より、やはり森の方がいい
そうさ
なれるなら
きっとそうするさ
I’d rather feel the earth beneath my feet
Yes I would
If I only could
I surely would
この足で、大地を感じていたい
そうさ
それしかないなら
きっとそうするさ
個人的な解説・考察
「カタツムリよりも、やはりスズメの方がいい」
カタツムリとスズメは、捕食される側とする側。釘とハンマーは打たれる側と打つ(支配する)側を表していると思われます。
カタツムリとスズメなら、誰だってスズメを選ぶと思います。この内容では、全然詩になっていない気がします。
しかし、would rather (どちらかと言えば) とあるように、ここには消極的なニュアンスがあります。
それは、どんなに芸術的な歌を世に送り出したアーティストといえど、「勝者の側にいたい」という生物としての根源的な欲求には逆らえない、という事を表しているのではないでしょうか。
そのような詩を、ヨーロッパ人に虐げられた側のアンデスの曲にのせて歌うところが、胸をざわつかせます。
そして、残りの章で「自由が欲しい」「自然に還りたい」「大地を歩くしかない」という(と考えられる)テーマと合わせて、コンドルのように生きられない「人間の悲哀」が、この曲には歌われているように思えます。
収録アルバム
アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。
Bridge Over Troubled Water(邦題:明日に架ける橋 1970年)
ラストアルバムとなる5thアルバム。グラミー賞では6部門を獲得し、現在までに2,500万枚以上売れているモンスターアルバムです。
The Best Of Simon & Garfunkel(邦題:サイモン&ガーファンクルのすべて 1999年)
代表曲を網羅した、全20曲収録のベストアルバムです。