<歌詞和訳>Creep – Radiohead 曲の解説と意味も
Radiohead – Creep
レディオヘッド – クリープ
イギリスのオルタナティヴ・ロックバンド レディオヘッドのデビューシングルとして、1992年9月にリリースされた曲です。
1stアルバム「Pablo Honey」に収録されています。
リリース当初、本国イギリスではヒットしなかったものの、ラジオ放送をきっかけにイスラエル、その後アメリカでヒットするという、珍しい売れ方をしたシングルです。
しかし、その後にリリースした曲はヒットせず、レディオヘッドは長らく “クリープだけの一発屋バンド" と世間では見なされていました。
そのような状況を『My Iron Lung』で自ら皮肉り、ライヴでは『Creep』の演奏を封印するなど、バンドにとって “いわくつきのヒット曲" であったと言えます。
(近年では『Creep』がライヴのセットリストに普通に加わるようになりました)
RADIOHEAD レディオヘッド (初来日25周年記念) – Alley/ポスター 【公式/オフィシャル】
歌詞の意味と解釈
タイトルの「クリープ」とは、"気味の悪いひと“、"変人" という意味です。
(本来の意味 “這う"、"忍び寄る" から派生した意味。ちなみに “creeper" は這う昆虫・爬虫類を指します)
より詳しい意味としては、主に女子が、嫌悪感をもつ男子(男性) に向かって使う言葉らしく、現代の日本語では「キモい」や「陰キャ」がしっくりきます。
(ただし、下の訳ではもう少し普遍的な言い回しにしました)
自らをキモいヤツと自虐する青年(少年) のラブソングは、トムのエモーショナルな歌唱、ジョニーの引き裂くようなギターカッティングも相まって、狂気を感じさせます。
歌詞と和訳
Written by Ed O’Brien, Colin Greenwood, Jonny Greenwood, Thom Yorke & Philip Selway
When you were here before
Couldn’t look you in the eye
You’re just like an angel
Your skin makes me cryYou float like a feather
In a beautiful world
I wish I was special
You’re so fuckin’ special
この前、ここで君を見た時
君の目をまともに見られなかった
君はまるで天使みたいで
泣きたくなるほどキレイな肌
君は美しい世界を
羽毛のように舞う
僕も特別な存在だったら。
君は気が変になりそうなほど特別だから
But I’m a creep
I’m a weirdo
What the hell am I doing here?
I don’t belong here
でも僕は気持ち悪くて
変なヤツ
一体こんなところで何してるんだろう?
ここは僕が居ちゃいけない
・weirdo 変人、奇妙な人
・what the hell 信じられない様子や動揺した様子(whatを強調した表現)
I don’t care if it hurts
I wanna have control
I want a perfect body
I want a perfect soulI want you to notice
When I’m not around
You’re so fuckin’ special
I wish I was special
傷ついたって構わない
自分をコントロールしたい
完璧な肉体を手に入れ
完璧な魂を宿したい
僕がそばにいなくても
気づいて欲しいんだ
君は狂いそうなほど特別だから
僕も特別だったらいいのに
But I’m a creep
I’m a weirdo
What the hell am I doing here?
I don’t belong here
でも僕は気持ち悪くて
変なヤツ
一体こんなところで何してるんだろう?
ここは僕が居ちゃいけない
She’s running out the door
She’s running out
She run, run, run, run
Run
あの娘がドアの外に走っていく
あの娘が走り去っていく
あの娘が逃げる、逃げる、逃げてしまう
Whatever makes you happy
Whatever you want
You’re so fuckin’ special
I wish I was specialBut I’m a creep
I’m a weirdo
What the hell am I doing here?
I don’t belong here
I don’t belong here
君を喜ばせるのならどんな事でも
君が欲しがるのならどんなものでも
君は狂いそうなほど特別だから
僕も特別だったら
でも僕は気持ち悪くて
変なヤツ
一体こんなところで何してるんだろう?
僕なんか居ちゃいけない
僕なんか居ちゃいけない
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言葉の解説
・creep クリープ
クリープという単語をどう訳すか、いまだに悩んでいます。「嫌われ者」「変態」「キモいヤツ」などが思い浮かびますが、この曲も時代を超えた名曲になってきているので、普遍的な表現で訳しました。
また、その後に続く「What the hell am I doing here? I don’t belong here」は、オシャレなクラブやパーティーのような場所をイメージしました。
あの娘に近づく為に勇気を出してパーティーに出かけたものの、まわりから浮いている自分を痛い程思い知らされ、あの娘と目を合わせることすらできない。
「なんで僕はこんな場所に来てしまったんだ。(あの娘の住む世界は)キモい自分には場違いだ」「でも、あの娘を想う気持ちは止められない」「彼女の幸せを想うなら(彼女の世界に)僕は居るべきじゃないんだ」
そんなイメージです。
いくらヒットしたとはいえ、何度も歌うにはキツイ曲だと思います(近年演奏されるようになったのは、年をとって曲と距離が置けるようになったから?でしょうか…)。
収録アルバム
アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。
Pablo Honey(1993年)
本人たちは気に入っていないという1stアルバム。根暗な青少年の主張が爆発している感じ、嫌いになれません(笑)
My Iron Lung EP(1995年)
8曲入りのEPで、アルバム「Pablo Honey」と「The Bends」の過渡期を埋める作品。こちらに収録されているアコースティックバージョンのクリープの情熱的な歌唱は一聴の価値ありです。
(こちらの曲は丸ごと2009年にリリースされた「Pablo Honey」のスペシャルエディションにも収録されています)
Radiohead: The Best Of(2008年)
1st「Pablo Honey」(1993年) から6th「Hail To The Thief」(2003年) までの代表曲を収録したベストアルバム。2枚組(白) と1枚(黒) のものがあります。
「King Of Limbs」までのバンド史(和訳版)