<和訳>A Wolf at the Door – Radiohead
Radioheadの6作目のアルバム「Hail To The Thief」(“泥棒万歳" の意味 2003年) の最後に収録されている曲です。
Radiohead – A Wolf at the Door
レディオヘッド – ア・ウルフ・アット・ザ・ドア
Drag him out your window
奴を窓から引きずり出せ
Dragging out the dead
死を引きずりながら
Singing I miss you
寂しさを歌っている
Snakes and ladders flip the lid
スゴロクゲームの蓋が開けられ
Out pops the cracker
クラッカーが鳴らされた
Smacks you in the head
君の頭を叩いて
Knives you in the neck
ナイフを首筋に突き刺して
Kicks you in the teeth
君をひどい目にあわせる
Steel toe caps
金属の爪先で蹴り上げ
Takes all your credit cards
君のクレジットカードを全部巻き上げていく
Get up get the gunge
起き上がってなんでもいいから掴め
Get the eggs
生卵を掴め
Get the flan in the face
顔面にプリンをぶつけてやれ
The flan in the face(×2)
プリンをお見舞いしてやれ
Dance you fucker dance you fucker
踊れよ、踊り狂え
Don’t you dare(×2)
やめろ、もうやめろ
Don’t you flan in the face
プリンなんて投げてきやがって
Take it with the love its given
愛で乗り切ろう
Take it with a pinch of salt
鵜呑みにしないように
Take it to the tax man
税金の取り立てにも耐えるんだ
Let me back(×2)
僕を戻して
I promise to be good
悪いようにはしないから
Don’t look in the mirror at the face you don’t recognize
訝しがった顔で鏡越しに見ないで
Help me, call the doctor, put me inside
助けて、お医者さんを呼んで、僕を中へ入れて
Put me inside(×4)
中に入れてよ、ねぇ
I keep the wolf from the door
But he calls me up
僕は狼をドアに近づけまいと頑張るけど
奴は僕を威嚇する
Calls me on the phone
電話ごしに僕に言う
Tells me all the ways that he’s gonna mess me up
めちゃくちゃにしてやるぞって
Steal all my children if I don’t pay the ransom
身代金を払わなかったら、お前のガキどもをさらってやるって
And I’ll never see them again if I squeal to the cops
警察なんか呼んだら、二度と会えなくしてやるぞって
Walking like giant cranes
巨大なクレーン車みたいにペシャンコにしてやる
And with my X-ray eyes I strip you naked
X線の瞳でお前を丸裸にしてやるって
In a tight little world
And are you on the list?
ちっぽけな世界なんだ、お前をリストにも載せられるんだぞ?って
Stepford wives who are we to complain?
ステップフォードの妻たちが諫めると思うかい?って
Investments and dealers(×2)
投資とディーラー
Cold wives and mistresses
冷たい夫人たちと愛人
Cold wives and Sunday papers city
冷たい夫人たちと日曜の新聞
Boys in first class don’t know we’re born just know
Someone else is gonna come and clean it up
ファーストクラスの若造達は、僕らが生まれた事すら知らない
知っているのは、誰かが来て身の回りを掃除するって事だけ
Born and raised for the job
そんな仕事の為に生まれ育ったと思っている
Someone always does
いつも誰かがしている事さ
I wish you’d get up get over
立ち上がって飛び越えて
Get up get over and turn the tape off
立ち上がり飛び出して、そしてテープを止めて
I keep the wolf from the door
But he calls me up
狼を玄関から通すまいと踏ん張っているけど
奴は僕を威嚇する
Calls me on the phone
電話ごしに僕に言う
Tells me all the ways that he’s gonna mess me up
ずっと言うんだ、めちゃくちゃにしてやるって
Steal all my children if I don’t pay the ransom
身代金を払わなかったら、お前のガキどもをさらってやるって
And I’ll never see them again if I squeal to the cops
もし警察なんか呼んだら、二度と会えなくしてやるって
So I’m just gonna
今すぐやってもいいんだぞって
Written by Colin Charles Greenwood / Edward John O’brien / Jonathan Richard Guy Greenwood / Philip James Selway / Thomas Edward Yorke
A Wolf at the Door Lyrics © Warner/Chappell Music, Inc
言葉の意味・解説
・Snakes and ladders スネークス・アンド・ラダーズ。子供向けの双六形式のボードゲーム
(イスイ)YISHUI セット 磁気 ヘビ はしご 遊び プレゼント おもちゃ
・Flan フラン。プリンのようなお菓子
Flan – The Ultimate Recipe Guide (English Edition)
・Stepford wives 映画「The Stepford Wives」に出てくるような夫人の事を指していると思われます。
雑記
ラップ調のボーカルと相まって一見支離滅裂な詞に感じられます。主人公の語りと、「wolf」のセリフ、情景描写が交錯している歌詞と捉えました。タイトルにもなっている「wolf」は、『2+2=5』でいうところの「the devil’s way」、『go to sleep』でいうところの「monster」や「loonies(狂人たち)」と同じく、悪しきものの象徴だと解釈しました。この曲でwolfはより具体的な行動に出ています。「Let me back」から「Put me inside」までは主人公たちをそそのかそうとするオオカミの甘い言葉でしょうか。ここで取り上げている「悪」とは特定の人物や組織を指すものではなく、自分の心に潜む無責任や無関心(な態度をとることで世界中の暴力や搾取や殺戮を助長する状況)だと思っています。
「I keep the wolf from the door」はこの曲のカギとなる主人公の行動です。『2+2=5』でいうところの「paying attention」でしょう。ただ、形勢は厳しそうです。主人公に対し、オオカミはステレオタイプともとれる脅迫をしてきます。
「Boys in first class don’t know」からのくだりは、主人公やオオカミといった抽象的な表現を捨て、現実的な描写をしています。エリート階級(Boys in first class)は掃除夫(we)が彼らのオフィスを掃除しているのなんか気にも留めない。僕らを道具か消耗品のように思っている。
さらに想像力(妄想力)を働かせて、オオカミから守っているドアとは『2+2=5』に登場した「主人公が籠っている〝2+2=5になる家”」と考えるのも面白いです。
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