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<歌詞和訳>The Grudge – Tool 曲の解説と意味も

Tool 歌詞和訳[表現] 詩的/文学的

Tool – The Grudge
トゥール – ザ・グラッジ

 

アメリカのオルタナティヴロック/メタルバンド トゥールの3rdアルバム「Lateralus」(2001年)の1曲目に収録されている曲です

めまぐるしく展開する曲調、複雑に絡み合うリズム、エフェクトを聞かせた独特な音像、詩的かつエモーショナルなメイナードの歌声、などなど、トゥールの魅力が詰まった1曲だと思います。

 

歌詞の意味と解釈

タイトルの「グラッジ」とは、"恨み“という意味です。

おおまかなメッセージは「恨みに囚われるな。そんなものは手放せ」(=let go)というポジティブなものなようです。
歌詞は全編通して、人が成長を通して恨みを手放す様子が書かれているように思われます。

しかし、比喩表現が多く難解で、海外のリスナーは歌詞を、占星術や錬金術、旧約聖書(ユダヤ教)、ギリシャ神話、ユング心理学などの視点から解釈しようとしているようですが、正直私は知識不足過ぎてピンときませんでした…。

とはいえ、意味がわからずとも、言葉には美しく・深遠な響きがあり、それはそれで魅力的ではあります。

 

歌詞と和訳

Written by Justin Chancellor, Adam Jones, Danny Carey & Maynard James Keenan

Wear the grudge like a crown of negativity
Calculate what we will or will not tolerate
Desperate to control all and everything
Unable to forgive your scarlet letterman

負の王冠の如く、恨みを身にまとえ
判断を下せ、許容するものと、しないものとを。
必死になって、すべてを、あらゆるものを制御しようとする
お前の"緋文字の男"を許すことはできない

 

calculate 計算する、判断する、計画する、考える
tolerate 大目に見る、許容する、我慢する
desperate 自暴自棄の、死に物狂いの、絶望した人々
scartet letterman スカーレット・レターマン
 アメリカの小説家ナサニエル・ホーソーンの小説「スカーレットレター」(邦題:緋文字)。17世紀のピューリタン社会を舞台に、姦通の罪を背負った女性を描いた物語。


完訳 緋文字 (岩波文庫)

 ※歌詞ではスカーレット・レター"マン"となっているので、罪を負った女性ではなくそれに加担した男性側を指しているのかもしれません

 

Clutch it like a cornerstone
Otherwise, it all comes down
Justify denials and
Grip 'em to the lonesome end
Clutch it like a cornerstone
Otherwise, it all comes down
Terrified of being wrong
Ultimatum prison cell

基盤の如く、握りしめろ
さもなくば、すべて落ちていく
拒絶を正当化し
寂寥の終わりまで、手放さずにいろ。
基盤の如く、握りしめろ
過ちを恐れている
最後通告の独房で

 

clutch しっかりと握る
cornerstone 隅石、基礎
otherwise さもなければ、他の点では、違った方法では
denial 拒否
lonesome 寂しい、心細い
ultimatum 最後の言葉、最後通牒、根本原理
prison cell 独房、檻

 

Saturn ascends
Choose one or ten
Hang on or be
Humbled again
Humbled again

サターンが昇る
1か10か決めろ
しがみつくか、それとも
また挫かれるのか
また挫かれるのか

 

saturn 土星、サトゥルヌス(ギリシャ神話に登場する農耕神。自分の子に殺されるという予言を恐れて5人の子供を飲み込んでいったという伝承をもとに描かれたゴヤ作「我が子を食らうサトゥルヌス」がある)
 ※歌詞では土星ともサトゥルヌスとも言い切れないので(両方の意味を含む?)、サターンと訳しています。また、土星の周期(約30年で太陽のまわりを1周する)と人生(人の成長)をかけているとする解釈もあります
ascend 登る、上がる
one or ten ※旧約聖書に登場する「セフィロトの樹(生命の樹)」を参照しているという指摘があります
hang on しがみつく、すがりつく
humble 謙虚にする、くじく、謙遜な、卑しい

 

Clutch it like a cornerstone
Otherwise it all comes down
Justify denials and
Grip them to the lonesome end

基盤の如く、握りしめろ
さもなくば、すべて落ちていく
拒絶を正当化し
寂しき終わりまで、手放さずにいろ

 

Saturn ascends
Comes round again
Saturn ascends
The one, the ten
Ignorant to the damage done

サターンが昇り
再びやって来る
サターンが昇る
1、10
負った傷にも気付かぬまま

 

ignorant 気づかないで、無知の

 

Wear the grudge like a crown of negativity
Calculate what we will or will not tolerate
Desperate to control all and everything
Unable to forgive the scarlet lettermen

負の王冠の如く、恨みを身にまとえ
判断を下せ、許容するものと、しないものとを。
必死になって、すべてを、あらゆるものを制御しようとする
お前の"緋文字の男"を許すことはできない

 

Wear the grudge like a crown
Desperate to control
Unable to forgive and sinking deeper
Defining, confining
Sinking deeper
Controlling, defining
And we’re sinking deeper

王冠の如く、恨みを身にまとえ
死に物狂いで制御する
許すことはできず、深く沈み
定義し、制限し
深く沈み
制御し、定義し
我々は深く沈んでいく

 

define 定義する、明らかにする
confine 制限する、閉じ込める

 

Saturn comes back around to show you everything
Lets you choose what you will not see and then
Drags you down like a stone or lifts you up again
Spits you out like a child, light and innocent

サターンが再びやって来て、お前にすべてを見せ
お前が見ないものを選ばせる
石のように引きずり落すか、再び持ち上げ
お前を吐き出す、まるで光と無垢の子供のように

 

spit out 吐き出す、吐き捨てる
※ギリシャ神話では、サトゥルヌスは自身の子を飲み込みましたが、子の一人であるゼウスによって子供を吐き出させられました。

 

Saturn comes back around
Lifts you up like a child
Or drags you down like a stone
To consume you 'til you
Choose to let this go
Choose to let this go

サターンが舞い戻り
お前を子供のように持ち上げるか
石のように引きずり落すか
お前を喰らい尽くす
お前が、それを手放すと決めるまで
手放すと決めるまで

 

consume 消費する、食い尽くす

 

Give away the stone
Let the oceans take and transmutate
This cold and fated anchor
Give away the stone
Let the waters kiss and transmutate
These leaden grudges into gold

その石を与えよ
海を飲み込み、変容させよ
この冷たい運命の錨(いかり)を
その石を与えよ
水に口づけし、変容させよ
鉛色の恨みを、黄金へと

 

transmutate trans(越えて、向こう側の)+mutate(変化させる)
leaden 鉛製の、鉛色の、重苦しい、だるい

 

Let go, let go, let go, let go(×11)
Let go, let go, let go

手放せ、手放せ、手放せ、手放せ

 

 

収録アルバム

アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。

Latelarus(2001年)

 

3rdアルバム。「ラタララス」という不思議な言葉は、lateral thinking(水平思考)Vastus lateralis(足の外側広筋)を合わせた造語と言われています。
曲はより複雑かつ長尺になっていますが、唯一無二のダークなアート性が確立した作品として、トゥールの最高傑作と言われる事が多い作品です。
ビルボードのアルバムチャートで1位を獲得した他、日本での人気が急上昇したのもこの作品のリリース以降です。