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<歌詞和訳>True Love Waits – Radiohead 曲の解説と意味も

2021-12-08[その他 Radiohead],Radiohead 歌詞和訳[社会] 風刺/抗議

Radiohead – True Love Waits
レディオヘッド – トゥルー・ラヴ・ウェイツ

 

イギリスのオルタナティヴ・ロックバンド レディオヘッドの9thアルバム「A Moon Shaped Pool」(2016年 "水溜まり型の月"の意味) に収録されている曲です。

しかし、この曲の歴史は長く、1995年頃には録音され(上の動画はそちらのものです)、ライヴでも違うアレンジでたびたび演奏されていました。その為、ファンの間では"未発表の名曲“として知られていました。

この曲が初めて公式にリリースされたのは2001年のライヴミニアルバム「Might Be Wrong:Live Recordings」で、アコースティックギター弾き語りのライヴ音源となっています。

A Moon Shaped Pool」に収録されたバージョンは、ピアノ主体の非常にシンプルなものとなっています。

 

歌詞の意味と解釈

※2021/12/8に解釈を大幅に修正しました。

タイトル「トゥルー・ラヴ・ウェイツ」を直訳すると"真実の愛は待つ“となります。

美しい響きのタイトルや、出だしの歌詞「I’ll drown my beliefs to have your babies」(=信念など水に沈めてしまうよ、君との子供を持つために)等から、てっきり「哀愁を帯びたラブソング」だと思ってしまいますが、私が今回行った和訳では、この曲はラブソングどころかかなり毒のある悲劇的な曲となります。

 

大胆な解釈かもしれませんが、まずタイトルの「トゥルー・ラヴ」は「愛し合う二人から生まれた子供」を指し、歌詞は「子供を欲するカップル」→「子供が生まれた後の様子」→「育児放棄された幼い子供」(歌詞で繰り返されている「Don’t leave」は子供の想い)と、場面が移り変わっているものと考えました。

そう考えると、「トゥルー・ラブ」という甘い言葉を痛烈に皮肉っているわけですが、この曲が作られた時期(「Pablo Honey」(1993年)~「The Bends」(1995年)の頃と思われます)を考えると、その攻撃的な作風も理解できます。

 

ただし、海外のサイトではこの曲を悲しくも美しいラブソング(真実の愛は自己犠牲や劣悪な環境の中に存在する?)と見なす意見が多いようです。その場合、どうしても悲痛な「Don’t leave」との整合性がとれていないように感じます。

 

また、別の解釈として、トムと長年連れ添ったパートナーのレイチェル・オーウェン(23年間連れ添い、息子のノアを授かり、2015年に離婚。2016年に癌で死去)の関係性を指している、と考える向きもあるようです。

 

歌詞と和訳

Written by Philip Selway, Ed O’Brien, Colin Greenwood, Jonny Greenwood & Thom Yorke

I’ll drown my beliefs
To have your babies
I’ll dress like your niece
And wash your swollen feet

“信念など水に沈めてしまうよ
君との子供を持つ為に"
“あなたの姪っ子みたいな服装をして
その腫れた足を洗うわ"

 

drown 溺れる、溺死させる、紛らわせる、かき消す
belief 信念、信仰
niece 姪
swell 膨れる、腫れる、増す

※drownは旧約聖書に登場する大洪水(ノアの箱舟)、足を洗う様子はマグダラのマリア(キリストの足を香油と自身の髪でぬぐった女性)をイメージしているのかもしれません。
真実の愛で結ばれるカップルの描写に聖書を被せているところが、皮肉っぽさを増幅させていると思います。

 

Just don’t leave
Don’t leave

ねえ、置いていかないで
置いていかないで

 

I’m not living
I’m just killing time
Your tiny hands
Your crazy kitten smile

“僕はもう生きているのではなく
時間をつぶしているだけだ"
“この子の小さな手
狂おしい子猫みたいな笑顔"

 

ketten 子猫、気まぐれな女の子

 

Just don’t leave
Don’t leave

ねえ、置いていかないで
置いていかないで

 

And true love waits
In haunted attics
And true love lives
On lollipops and crisps

真実の愛(幼い子供)は待っている
お化けの出そうな屋根裏で。
真実の愛は生きている
ペロペロキャンディーとポテトチップスで

 

haunted 幽霊の出る、憑りつかれた
attic 屋根裏、アテネ(アッティカ)の
lollipop ロリポップ、棒付きのキャンディー
crisp ポテトチップス、カリカリする、歯切れのよい、縮れた

 

※キャンディーとチップスで生き延びる子供の描写は、トムが実際に聞いたニュースが元になっているそうです(両親が幼い子供を置き去りにして家を出てしまった間、その子供はお菓子を食べて空腹を満たしていた)。

 

Just don’t leave
Don’t leave

ねえ、置いていかないで
置いていかないで

 

 

収録アルバム

アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。

I Might Be Wrong: Live Recordings(2001年)

 

2001年にリリースされた8曲入りのライヴ・ミニアルバム。未発表曲『True Love Waits』(ライヴ録音)を収録。

アルバム「Kid A」(2000年)「Amnesiac」(2001年)は作品そのものも傑作ですが、それらを再現したライヴツアーの評判も非常に高く、その評判が後押しとなってこのライヴアルバムのリリースになったのだと思われます。

 

A Moon Shaped Pool(2016年)

 

9作目のスタジオアルバム。革新的というより「従来のレディオヘッドがメインに据えてこなかったサウンド」を主体にした作品(ストリングス、独特なリズムなど)。これを「地味」と感じるか、「アンビエントなレディオヘッド。傑作!!」と感じるかは人それぞれです(恥ずかしながら私は前者です笑)