<歌詞和訳>Smells Like Teen Spirit – Nirvana 曲の解説と意味も
Nirvana – Smells Like Teen Spirit
ニルヴァーナ – スメルズ・ライク・ティーン・スピリット
アメリカのロックバンド ニルヴァーナの2ndアルバム「Nevermind」のリードシングルとして、1991年9月にリリースされた曲です。
90年代の音楽業界にオルタナ/グランジという言葉を刻み、ロックシーンに革命を起こした名曲です。
歌詞の意味と解釈
タイトル「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」を直訳すると “10代の精神のような匂い" となります。
しかし、「ティーン・スピリット」とは女子が使うデオドランド剤の商品名です。
(それが曲タイトルになった経緯は、和訳のあとに追記しています)
歌詞はとても感覚的で、その意味がカート・コバーンから語られることはありませんでした。
さらに、ドラマーのデイヴ・グロール曰く「歌詞は歌う前にカートが5分くらいで書き上げていたもの」だそうで、「この歌詞に何かメッセージがあるとは思えない」らしいです。
そうは言っても、この曲の言葉が当時のアメリカの(あるいは時代を超えた世界中の) 若者の共感を呼んだことは間違いありません。
曲の最後に A denial(=拒絶)とあるように、生きづらさとフラストレーションを抱える若者達のリアルな声が表現されているように思います。
歌詞と和訳
Written by Krist Novoselic, Dave Grohl & Kurt Cobain
Load up on guns
Bring your friends
It’s fun to lose and to pretend
She’s overboard, self assured
Oh no I know, a dirty word
銃をかき集めて
仲間を連れて来い
負けるのも騙すのも楽しいさ
あの娘は有頂天で、なにも恐れちゃいない
そういえば、酷い言葉を知ってるぜ
・load up on 大量に詰め込む・用意する
guns(複数系)なので大量の銃と考えるのが自然です
・overboard 船外という意味ですが、go overboardで「やりすぎる、調子に乗る」という意味になります
・self assured 自身のある、物怖じしない
・a dirty word 汚い言葉・・・この後に続く"hello"を指していると解釈しました。
Hello, hello, hello, how low (×3)
Hello, hello, hello
ハロー、ハロー、ハロー、どれだけ酷い?
ハロー、ハロー、ハロー
With the lights out, it’s less dangerous
Here we are now, entertain us
I feel stupid and contagious
Here we are now, entertain us
明かりを消せば、危険が減る
さぁやって来たぜ、楽しませてくれよ
頭がおかしくて、うつしちまうんだ
さぁ始めよう、楽しませてくれよ
・conatgious 伝染性の、移りやすい
A mulatto, an Albino
A mosquito, my libido, yeah
Hey, yay
ムラート、アルビノ
モスキート(蚊)、俺のリビドー(性的欲求)、イエー
ヘイ
・mulatto ・albino
ムラートとは、主にヨーロッパ系白人とアフリカ系黒人による混血者を指す言葉で、差別的な意味で使われる事が多いらしいです。
アルビノとは、アルビノ症、先天性白皮症とも言われ、人間に限らず先天的にメラニンが欠乏する症状を指します。アルビノ症の人は皮膚も髪も生まれ流れに白く、紫外線への耐性がありません。
2つの単語で韻を踏んでいますが、なぜこのような珍しい言葉が使われたのかは不明です。しかし、カートの詞には遺伝や胎児、臓器に関わる言葉が多く使われています(アートワークを見てもわかりますが)。また、両親の離婚や高校中退などタイプは違うもののカートも ”生きづらさ” を感じていた点で、これらの単語に惹かれるものがあったのかもしれません。
I’m worse at what I do best
And for this gift, I feel blessed
Our little group has always been
And always will until the end
ベストを尽くす俺は最低
でもこの才能のおかげで、祝福されてる気分さ
俺らの小さなグループじゃいつもそうだったし、
死ぬまでこんなだろうよ
・gift 贈り物、才能
Hello, hello, hello, how low (×3)
Hello, hello, hello
ハロー、ハロー、ハロー、どれだけ酷い?
ハロー、ハロー、ハロー
With the lights out, it’s less dangerous
Here we are now, entertain us
I feel stupid and contagious
Here we are now, entertain us
明かりを消せば、危険が減る
さぁやって来たぜ、楽しませてくれよ
頭がおかしくて、うつしちまうんだ
さぁ始めよう、楽しませてくれよ
A mulatto, an Albino
A mosquito, my libido, yeah
Hey, yay
ムラート、アルビノ
モスキート、俺のリビドー、イエー
ヘイ
And I forget just why I taste
Oh yeah, I guess it makes me smile
I found it hard, it was hard to find
Oh well, whatever, nevermind
なぜこんな事したか、忘れちまった
あぁそうだ、笑わせてくれるからだ
キツいのに気付いたのか、気付くのがキツいのか
まあ、どうでもいいさ、気にすんな
・taste 味、好み、味わう、経験する ※ドラッグを使うという意味もあるようです
Hello, hello, hello, how low (×3)
Hello, hello, hello
ハロー、ハロー、ハロー、どれだけ酷い?
ハロー、ハロー、ハロー
With the lights out, it’s less dangerous
Here we are now, entertain us
I feel stupid and contagious
Here we are now, entertain us
明かりを消せば、危険が減る
さぁやって来たぜ、楽しませてくれよ
頭がおかしくて、うつしちまうんだ
さぁ始めよう、楽しませてくれよ
A mulatto, an Albino
A mosquito, my libido, yeahA denial, A denial, A denial, A denial, A denial
A denial, A denial, A denial, A denial
ムラート、アルビノ
モスキート、俺のリビドー、イエー
デニアル(否定)、デニアル、デニアル、デニアル、デニアル
デニアル、デニアル、デニアル、デニアル
ティーン・スピリットの解説とタイトルの由来
“ティーン・スピリット" とは主に若い女子が使うデオドラント剤(制汗剤) の商品名です。
カートの部屋の壁に、友人がした落書き「Kurt Smells Like Teen Spirit」(カートは”ティーン・スピリット”の匂いがする) をカートが気に入り、曲のタイトルにしたと言われています。
ちなみに、"ティーン・スピリット" がデオドランド剤だとカートが知ったのは、この曲がリリースされてから数か月後の事だそうです。
落書きをしたのは、ガールズパンクバンド(“ライオットガール" と呼ばれたフェミニズムをテーマにしたパンク) ビキニ・キル(Bikini Kill)のフロントマン キャスリーン・ハンナだと言われています。
ちなみに当時のカートは、同じくビキニ・キルのドラマー トヴィ・ヴェイルと恋人関係にあり、トヴィがティーン・スピリットを使っていたことから、カートをからかう意味で落書きがされたようです。
Bikini Kill 左からTobi Vail(トヴィ・ヴェイル)、Kathaleen Hanna(キャサリーン・ハンナ)、Kathi Wilcox(カティ・ウィルコックス)
収録アルバム
アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。
Nevermind(1991年)
メジャーデビュー作となる2ndアルバム。全世界で3,000万枚以上のセールスを記録。メインストリームのロックの空気を「煌びやかな80年代」から「シリアスで退廃的な90年代」へと変えてしまった作品と言えます。
Nirvana(邦題:ニルヴァーナ・ベスト 2002年)
未発表曲「You Know You Are Right」の収録が話題となったベストアルバムです。アンプラグド・ライヴからの選曲もあり、通して聴くとあまり一貫性はありません。
カート・コバーン直筆の日記。コアなファン向け
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