【ジャンル解説】インダストリアルロック（Industrial Rock）

2018-04-152018-11-24音楽ジャンル辞典

音楽ジャンルを歴史と一緒にわかりやすくまとめました。

 

Industrial Rock：インダストリアルロックとは何か

始まり：1980年代後半アメリカ・イギリス

 

 

詳細解説

　インダストリアルロックの起源は、1970年代後半までさかのぼる。ニューウェーブバンドのスロッビング・グリッスルは、シンセサイザーやサンプラー、ノイズ、メタルパーカッション（金属音）を用いたサウンドと、前衛的な楽曲（曲の形を持たないもの、反復がひたすら続くもの、テクノミュージック的なもの等）で注目を浴びた。

　スロッビング・グリッスルがアルバムジャケットに掲げた言葉「Industrial Music For Indubtrial People」から、それらの音楽は”インダストリアル”と呼ばれるようになったという。

 

　80年代から90年代にかけて、ドイツやベルギーなどヨーロッパ中心に、”エレクトリック・ボディ・ミュージック”（EBMと略される）がジャンルとして隆興していく。こちらはベルギーのユニット Front 242を始祖としている。
　インダストリアルの不穏さはそのままに、踊れるような（肉体的な）抑揚や躍動感がサウンドに加わっている。しかし、シンセポップやテクノとは違い、しゃがれたボーカルや、ダークで病的な雰囲気を特徴としている。

 

　90年代には、上記のインダストリアルやEBMに、メタルやニューウェーブ、ゴシックロック（ニュー・オーダー、キリング・ジョークなど）、ニューヨークのノーウェイヴ（スワンズなど）などの音楽性が混ざり合い、今日のインダストリアルロックと呼ばれる音楽は誕生した。

 

　中でも、ナイン・インチ・ネイルズは内省的で自虐的な世界観と、激しさとキャッチーさを両立したサウンドで人気を博し、多くのフォロアーを生んだ。同時期に、ショッキングなパフォーマンスと見た目で人気を集めたマリリン・マンソンも登場した。
　また、もともとEBMユニットとして扱われていたミニストリーも、メタルに近づいた激しいサウンドで支持を広げた。

　インダストリアルロックの主流は、ギターなどを取り入れたエレクトロユニットから、エレクトロニクスを取り入れたバンドへと移っていく。

　そうして、インダストリアルロックは、グランジやミクスチャーロックに並ぶほどの人気ジャンルとなっていった。
　しかし、似たようなバンドが乱立し、シーンの中心にいたナイン・インチ・ネイルズも難解な作風へ変化していくと、次第に人気も下火になっていった。

 

 

 

代表的なアーティスト

・ナイン・インチ・ネイルズ（Nine Inch Nails　活動期間：1988-）
・ミニストリー（Ministry　活動期間：1981-2008, 2011-）
・マリリン・マンソン（Marilyn Manson　活動期間：1989-）
・フィータス（Foetus　活動期間：1981-）
・スキニー・パピー（Skinny Puppy　活動期間：1982-95, 2003-）
・ゴッドフレッシュ（Godflesh　活動期間：1988-2002, 2010-）
・スタッビング・ウエスト・ワード（Stabbing Westward　活動期間：1986-2002, 2016-）
・KMFDM（ケー・エム・エフ・ディー・エム　活動期間：1984-1999, 2002-）

【広い意味で含まれるアーティスト】
・キリング・ジョーク（Killing Joke　活動期間：1978-96, 2002-）
・フロント242（Front 242　活動期間：1981-）
・スワンズ（Swans　活動期間：1982-97, 2010-）
・プロング（Prong　活動期間：1986-97, 2002-）
・フィア・ファクトリー（Fear Factory　活動期間：1989-）
・ラムシュタイン（Rammstein　活動期間：1994-）
・アタリ・ティーンエイジ・ライオット（Atari Teenage Riot　活動期間：1992-2000, 2010-）

 

 

動画（全部で15作品）

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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