<歌詞和訳>She’s Always A Woman – Billy Joel 曲の解説と意味も
Billy Joel – She’s Always A Woman
ビリー・ジョエル – シーズ・オルウェイズ・ア・ウーマン
アメリカのシンガーソングライターでピアノ奏者 ビリー・ジョエルの5thアルバム「The Stranger」に収録されている曲です。
日本やオーストラリアではシングルとしてリリースされ、日本ではオリコンチャート2位になるヒットとなりました。
歌詞の意味と解釈
この曲は、なんとなく歌詞を読むと「小悪魔的な女性に翻弄される男性の様子」が描かれたラヴソングのように思われます。
しかし、実はそうではなく、「キャリアウーマン的な"やり手の女性"を讃えた歌」と読み取れます。
事実、この曲はビリー・ジョエルの当時の妻、エリザベス・ウェーバーについて書かれた曲と言われています(詳細は和訳の後に書いています)。
彼女はビリーのビジネスをマネジメントしており、契約関係などの交渉事も担当していたそうです。
ピアノ & ボーカル ビリー・ジョエル グレイテイスト・ヒッツ
歌詞と和訳
Written by Billy Joel
She can kill with a smile, she can wound with her eyes
She can ruin your faith with her casual lies
And she only reveals what she wants you to see
She hides like a child but she’s always a woman to me
彼女は微笑み一つで人を捕え、その眼差しで人を傷つける
何気ない嘘で、心を打ち砕く
そして自分の見せたいところしか、人に見せようとしない
子供みたいに雑に隠している、でも彼女は僕にとって一人の女性
She can lead you to love, she can take you or leave you
She can ask for the truth but she’ll never believe you
And she’ll take what you give her as long as it’s free
Yeah she steals like a thief but she’s always a woman to me
愛を差し伸べたかと思えば、それで人を振り回す
本心を訊ねるけれど、決して本気にはしない
代償のないものだけを、彼女は手にする
そう、彼女はまるで泥棒なんだ、でも僕にとっては一人の女性
Oh, she takes care of herself, she can wait if she wants
She’s ahead of her time
Oh, and she never gives out and she never gives in
She just changes her mind
あぁ、彼女は自分で何でもできるし、その気になればずっと待ち続ける
時代の先を進んでるのさ
そして、彼女は気持ちをさらけ出す事も無ければ、折れることも無い
感情を操るだけなんだ
・take care of 世話をする、大事にする、始末する
・ahead of one’s time 進歩的で、時代に先がけて
・give out 配る、尽きる、気持ちを表現する
・give in 屈する、従う
And she’ll promise you more than the Garden of Eden
Then she’ll carelessly cut you and laugh while you’re bleeding
But she’ll bring out the best and the worst you can be
Blame it all on yourself cause she’s always a woman to meMmm
Mmm
エデンの園より素敵な楽園を約束したかと思えば
うかつに人を傷つけて、血が流れても笑っている
彼女は人の最高なところも最悪なところも暴いてしまう
それはすべて自分の仕業、だって彼女は一人の女性なんだから
・Garden of Eden エデンの園。旧約聖書に登場する理想郷。
・bring out 引き出す、持ち出す、明らかにする
Oh, she takes care of herself, she can wait if she wants
She’s ahead of her time
Oh, and she never gives out and she never gives in
She just changes her mind
あぁ、彼女は自分で何でもできるし、その気になればずっと待ち続ける
時代の先を進んでるのさ
そして、彼女は気持ちをさらけ出す事も無ければ、折れることも無い
感情を操るだけなんだ
She is frequently kind and she’s suddenly cruel
She can do as she pleases, she’s nobody’s fool
But she can’t be convicted, she’s earned her degree
And the most she will do is throw shadows at you
But she’s always a woman to meMmm
Mmm
たまに優しくなったと思えば、突然酷いこともする
好き勝手に振る舞いながら、抜け目ない彼女
だけど彼女を罰する事なんてできない、彼女には豊富な知識があり
人を煙に巻いていく
でも彼女は僕にとっては一人の女性なんだ
・frequently しばしば、頻繁に
・nobody’s fool 騙しにくい人、抜け目のない人
・convicted 有罪と決まる
・earn one’s degree 学位を取得する
BILLY JOEL ビリージョエル The Stranger Tシャツ ブラック
最初の妻エリザベス・ウェーバー
彼女のいかにも仕事のできそうな容姿やエピソード(その辣腕ぶりで男どもをやり込めていたそうです)を考えると、タイトルの「僕にとってはいつも女性」というのはロマンチックな表現というよりも、文字通り「仕事では手厳しい相手だろうけど、僕にとっては一人の女性なんだ」という意味の方が、自然に受け取れます。
(どちらの意味にもとれるように緻密に言葉を並べているところにこそ、この歌詞の凄さですね)
また、ビリーはエリザベスとその後離婚してしまった為(1982年) 、ライヴではこの曲はしばらく封印されていたそうです(また、たまにセットリストに登場してもビリーは気持ちを込めて歌えなかったと言います)。
ちなみに、同じくエリザベスに捧げた名曲『Just The Way You Are』も、離婚後はしばらく封印されていたそうです。
Just The Way You Areの歌詞和訳はこちら。
収録アルバム
アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。
The Stranger(1977年)
1,000万枚以上を売り上げ、ビリー・ジョエル最大のヒット作となっている5thアルバム。ビリー・ジョエルと言えば、まずはこのアルバムか次作の「52nd Street」と思われます。
Billy Joel: The Ultimate Collection(邦題:ビリー・ザ・ヒッツ 2000年)
キャリアを総括した全36曲2枚組のベストアルバム。ベストアルバムは何種類か出ていますが、代表曲を網羅するにはこれが一番と思われます。
Piano Man The Very Best Of Billy Joel(2004年)
19曲入りのお手軽なベストアルバムです。
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