【ジャンル解説】ガレージロック・リバイバル/ポストパンク・リバイバル
音楽ジャンルを歴史と一緒にわかりやすくまとめました。
Grage Rock Revival:ガレージロックリバイバルとは何か
始まり:2000年代
詳細解説
2000年前後のロックシーンの主流は、ニューメタルやポストグランジに代表される厚みのあるサウンドや、若者向けのエモやポップパンク、音楽の多様化や複雑化が進んだオルタナティヴロック/ポストロックだった。
そんな中、隙間の多いサウンドとシンプルな構成のロックンロールを演奏するバンドが多数台頭した。この流れを音楽メディアは”ガレージロック・リバイバル”または”ロックンロールリバイバル”と呼んで歓迎した。
ストロークス、ヴァインズ、リヴァティーンズなどの新人バンドだけでなく、ホワイト・ストライプスやハイヴスなどのキャリアのあるバンドも一緒に取り上げられた。それぞれのバンドは音こそ違えど、70年代~90年代に隆盛を極めたグランジやパンク、メタルやハードロック、ブリットポップなどの影響をほとんど感じさせず、ヒップホップやテクノとも無縁の音楽だった。
まるで60年代のガレージロックやビートミュージックからやってきたようなサウンドをしていたため”ガレージロック・リヴァイヴァル”と呼ばれた。その後も、前述のバンドに影響を受けた世代であるアークティック・モンキーズなどが登場した。
ただし、60年代のガレージロックのような危なさや怪しさは感じられず、あくまで音の作りを形容したものといえる。
Post-Punk Revival:ポストパンクリバイバルとは何か
ポストパンク・リバイバルとは、ガレージロック・リバイバルと同時期の2000年前後に現れた、ポストパンクのサウンド(主にパンクとファンクとダブを混ぜたような、尖ったギターとビートが跳ねたサウンドや、ディスコチックなノリ)を感じさせるバンドの一群である。
ニューウェーブ・リバイバルとも呼ばれる。
なお、ガレージロック・リバイバルとポストパンク・リバイバルの違いは、ガレージロック・リバイバルは粗い音作りの勢いのあるシンプルなロック(ストロークス、ホワイトストライプス)、ポストパンク・リバイバルにはエレクトロニクスやダンスミュージックも取り入れた実験性と斬新さがあるもの(フランツ・フェルディナンド、キラーズ)と言える。
代表的なアーティスト
【ガレージロック・リバイバル】
・ストロークス(The Strokes 活動期間:1999-)
・ホワイトストライプス(The White Stripes 活動期間:1997-2011)
・ハイヴス(The Hives 活動期間:1993-)
・リバティーンズ(The Libertines 活動期間:1997-2004, 2010-)
・アークティック・モンキーズ(Arctic Monkeys 活動期間:2002-)
・キングス・オブ・レオン(Kings of Leon 活動期間:2000-)
・クリヴス(The Cribs 活動期間:2001-)
【ポストパンク・リバイバル】
・フランツ・フェルディナンド(Franz Ferdinand 活動期間:2002-)
・LCDサウンドシステムズ(LCD Soundsystem 活動期間:2001-11, 2015-)
・キラーズ(The Killers 活動期間:2002-)
・インターポール(Interpol 活動期間:1997-)
・ヤーヤーヤーズ(Yeah Yeah Yeahs 活動期間:2000-)
・フォールズ(Foals 活動期間:2005-)
動画(全部で13作品)
音楽ジャンル解説の目次はコチラ
ガレージロック・リバイバルとは、2000年前後に登場したシンプルなサウンドのロックアーティスト群を指す。
当時、ニューメタルに代表される厚みのあるサウンドが主流な中、ガレージロック・リバイバルのアーティストの隙間が多いサウンドとシンプルな構成のロックは新鮮で、メディアやリスナーに歓迎された。
ロックの初期衝動に回帰した1970年頃のガレージロックになぞり、ガレージロックリバイバルと称された。