【ジャンル解説】クロスオーヴァー(Crossover)
音楽ジャンルを歴史と一緒にわかりやすくまとめました。
Crossover:クロスオーヴァーとは何か
始まり:1980年代中盤アメリカ
詳細解説
クロスオーヴァーの名前は、このジャンルのパイオニアといえるバンド、D.R.Iのアルバムタイトル『Crossover』からとられていると言われる。また、カリフォルニアのスケーターギャングなどで結成されたスイサイダル・テンデンシーズは、ファンクなどの黒人音楽の要素も取り込んだ。
見た目はTシャツ(バンドTも多い)に短パン、ジーパンといったラフなストリートファッションをしており、ライヴでの激しい動きを想定したもののようである。
なお、1980年代当時のヘヴィメタルとハードコアパンクのファンは互いに相容れない存在であり、ファン同士が小競り合いになる事もあったと言われる(南米では死者を出すほどの抗争にもなったと言われる)。
しかし、スラッシュメタルやクロスオーヴァーというジャンルでアーティスト側が融合する事により、リスナーの垣根も無くなっていったと言われる。
クロスオーヴァーの人気はやや短命ではあったものの(多くのバンドが普通のメタルとなって魅力を失ってしまったという)、パンクとメタルの垣根を一部取り除いた功績は大きい。この事が後のミクスチャーロックやニューメタルの商業的なブレイクの下地を育んだとも考えられる。
代表的なアーティスト
・D.R.I.(Dirty Rotten Imbeciles 活動期間:1982-)
・スイサイダル・テンデンシーズ(Suidical Tendencies 活動期間:1982-95, 1997-)
・アグノスティック・フロント(Agnostic Front 活動期間:)
・S.O.D.(Stormtroopers of Death 活動期間:1985-2007)
動画(全部で4作品)
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クロスオーヴァーとは、1980年代当時最も速く激しい音楽だったハードコアパンクと、スラッシュメタルが融合して生まれたロックの1スタイルである。クロスオーヴァースラッシュとも呼ばれる。
主にハードコアパンクのバンドが、スラッシュメタルのような激しいリフを取り入れたケースが多く、スケートボードなどストリートカルチャーとの親和性が高い。
ライヴのノリも、ハードコアパンクのようにモッシュやダイヴが盛んで、ステージ上まで観客が入り乱れるような激しいものだったようである。