<和訳>Highway 61 Revisited (追憶のハイウェイ61) – Bob Dylan
Bob Dylanの6作目のオリジナルアルバム「Highway 61 Revisited(追憶のハイウェイ61)」(1965年) の表題曲です。
Bob Dylan – Highway 61 Revisited
ボブ・ディラン – ハイウェイ 61 リヴィジテッド(邦題:追憶のハイウェイ61)
Oh, God said to Abraham, “Kill me a son"
神がアブラハムに言った「お前の息子を生贄に差し出せ」
Abe said, “Man, you must be puttin’ me on"
アブラハムが言った「ねぇ旦那、私をからかってるんでしょ?」
God said, “No" Abe say, “What?"
神が言った「違う」、アブラハム「何ですって?」
God say, “You can do what you want, Abe, but
The next time you see me comin’, you better run"
神「お前の好きなようにするがいい、だが、次に会った時は容赦しない」
Well, Abe said, “Where do you want this killin’ done?"
それから、アブラハムが言った「どこで生贄にすればいいんですか?」
God said, “Out on Highway 61"
神が言った「ハイウェイ61の外れだ」
Well, Georgia Sam, he had a bloody nose
それから、鼻血を流したジョージア・サム
Welfare department, they wouldn’t give him no clothes
福祉局からは、衣類も与えられなかった
He asked poor Howard, “Where can I go?"
彼は貧しいハワードに尋ねた「俺はどこへ行ったらいい?」
Howard said, “There’s only one place I know"
ハワードが言った「1つだけ知っている」
Sam said, “Tell me quick, man, I got to run"
サムは言った「はやく教えてくれよ、もう行きたいんだ」
Old Howard just pointed with his gun
老いたハワードは彼の銃を差して言った
And said, “That way, down Highway 61"
「あそこさ、ハイウェイ61さ」
Well, Mack the Finger said to Louie the King
マック・ザ・フィンガーはルイ王に言った
“I got forty red-white-and-blue shoestrings
And a thousand telephones that don’t ring
Do you know where I can get rid of these things?"
「私には40本の赤と白と青の靴紐と、1000個の鳴らない電話がありますが、それを処分する場所を知りませんか?」
And Louie the King said, “Let me think for a minute, son"
ルイ王は言った「少し考えさせてくれ」
Then he said, “Yes, I think it can be easily done
Just take everything down to Highway 61″
それから言った「そうだ、あそこなら簡単にできるぞ。ハイウェイ61に持っていけばいい」
Now, the fifth daughter on the twelfth night
Told the first father that things weren’t right
12番目の夜に、5番目の娘が1番目の父に言った、
“My complexion, " she says, “is much too white"
「私の顔色が」彼女は続けた「白すぎると思うの」
He said, “Come here and step into the light"
父は言った「こっちの明るいところで見せてごらん」
He said, “Hmm, you’re right, let me tell the second mother this has been done"
「ふむ、そうだな、2番目の母にもう用事は済んだと伝えておこう」
But the second mother was with the seventh son
And they were both out on Highway 61
しかし、2番目の母は7番目の息子と一緒に、ハイウェイ61の外れにいた
Now, the roving gambler he was very bored
そして、さすらいのギャンブラーはとても退屈して
Trying to create a next world war
次の世界大戦を仕掛けようとしていた
He found a promoter who nearly fell off the floor
彼は床に転げ落ちそうなプロモーターを見つけた
He said, “I never engaged in this kind of thing before
But yes, I think it can be very easily done
プロモーターが言った「そんな催しには関わった事がないけど、とても簡単にいくと思うよ
We’ll just put some bleachers out in the sun
And have it on Highway 61″
日向に観覧席を用意すればいいんだから、ハイウェイ61で」
Written by Bob Dylan
Highway 61 Revisited Lyrics © Sony/ATV Music Publishing LLC
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言葉の意味・解説
・Abraham アブラハム。キリスト教、ユダヤ教、イスラム教のそれぞれの聖典で登場します。創世記においては、神から一人息子イサクを生贄に捧げるよう試練を与えられました。息子を殺す寸前で神の使いが止め、アブラハムの信仰心は称えられたと言われます。
・put on だます、からかう、上に置く、装う、催す
・highway 61 ハイウェイ61(国道61号線)。アメリカのニューオリンズからメンフィス、セントルイスを通り、アイオワやミネソタに入る国境。ディランの故郷ダルースを通り、カナダとの国境まで伸びていたと言います。エルヴィス・プレスリーの生誕地はこの国道沿にあると言われ、その他にも61号線にまつわるブルースの逸話は多数あります。
・Georgia Sam ジョージア・サム。ディランが敬愛したブルースシンガー ブラインド・ウィリー・マクテル(Blind Willie McTell 1898-1959)の別名といわれます。ディランは『Blind Willie McTell』という曲も制作しています。
・get rid of 免れる、処分する、取り除く
・complexion 顔色、血色、様相
・roving 流浪する、移動する
・bleacher 屋根無しの観覧席、外野席
雑記
寓話的な話や、風刺と思われる話が展開される楽曲です。暗示的な単語が、想像力を膨らませる、詩のような歌詞です。2018年現在もライヴのレパートリーに入っており、ディランを語る上でも忘れられない楽曲と言えます。
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