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<歌詞和訳>Dear God – XTC 曲の解説と意味も

2022-04-27その他の有名曲・定番曲 歌詞和訳[社会] 風刺/抗議,★★★★★ (いい歌詞)

XTC – Dear God
エックス・ティー・シー – ディア・ゴッド

 

イギリスのロックバンド XTCが1986年にリリースした曲です。

作者アンディ・パートリッジが歌詞を気に入らず(あるいは物議を醸しだす事を恐れ)、アルバム収録曲から外され、シングル『Grass』のB面としてリリースされました。

しかし、アメリカのカレッジラジオをきっかけに話題となり、結果としてシングル曲としてリリース、アルバム「Skylarking」が再発される際にも収録されました。

 

プロデューサー トッド・ラングレンのアイデアで曲の前後に子供のボーカルが使われています。
歌っているのはジャスミン・ヴェイレット(トッドの友人の娘。8歳)です。ミュージックビデオの男の子ではありません。

 

歌詞の意味と解釈

歌詞の内容は、「子供が神様に手紙を送り、人類が苦しんでいる様子を訴える」ものとなっています。

手紙の内容は徐々にエスカレートし、疑問から不信、否定へと変わっていきます。

アンディ・パートリッジは無神論者との事ですが、歌詞の内容すべてが彼の宗教観を表しているものでは無いそうです。

過激な歌詞故に、キリスト教圏ではたくさんの苦情・脅迫を受けたそうです。

 

歌詞と和訳

Written by Andy Partridge

<Jasmine Veillette>
Dear God, hope you got the letter and…
I pray you can make it better down
Here
I don’t mean a big reduction in the
Price of beer
But all the people that you made in your image, see them
Starving on their feet
'Cause they don’t get enough to eat
From God
Can’t believe in
You

拝啓神様、手紙は受け取っていただけたでしょうか…
私はあなたに、もっと良くしてもらいたいのです
この世界を。
それは、ビールをもっと安くしてください
という事じゃありません。
あなたの姿に似せて創った人間をご覧ください
“立ち尽くしたまま"、飢えている彼らを。
神様から
十分な糧が与えられないからです。
もう信じられません
あなたを

 

reduction 減少、縮小、低下
starving 飢餓、飢えた
on one’s feet 立っている状態で、自立して、立ち直って ※本来なら「on one’s knees」(=ひざまずいて)とすべきところを敢えて"feet“としているようです。ただのひねくれかもしれませんが、「ひざまずいていない=信仰心のない人々」を指しているという意図かもしれません。

 

Dear God, sorry to disturb you but…
I feel that I should be heard loud and
Clear
We all need a big reduction in amount
Of tears
And all the people that you made in your image, see them
Fighting in the street
'Cause they can’t make opinions meet
About God
I can’t believe in
You

拝啓神様、たびたび失礼いたします、ただ…
大声ではっきり
申し上げたいのです。
私たち人間は、もっと減らさなければなりません
悲しみの涙を。
あなたに似せて創った人間をご覧ください
街で争う彼らを。
神様を巡る
意見の食い違いが原因です。
もう信じられません
あなたを

 

disturb 邪魔をする、混乱させる

 

Did you make
Disease
And the diamond blue?
Did you make man-
Kind
After we made you?
And the devil
Too!

あなたが創り出したのですか?
病気や、
ダイヤモンドの青を。
あなたが人間を創ったのは
私たちがあなたを創った後ですか?
そして悪魔も!

 

Dear God, don’t know if you noticed but…
Your name is on a lot of quotes in
This book
And us crazy humans wrote it, you should take a
Look
And all the people that you made in your image
Still believing that junk is true
Well, I know it ain’t, and so do you
Dear God
I can’t believe in
I don’t believe in

拝啓神様、お気づきかどうかわかりませんが
この本には、あなたの名前がたくさん出てきます
狂った人間たちが書いたこの本です、どうか一度
目を通してください。
そしてあなたの姿に似せて創った人間は
いまだに、デタラメを信じているのです
まあ、私は信じませんし、あなただってそうでしょう
親愛なる神様
あなたが信じられません
信じるわけがありません

 

I won’t believe in Heaven and Hell
No saints, no sinners, no devil as well
The pearly gates, no thorny crown
You’re always letting us humans down
The wars you bring, the babes you drown
Those lost at sea and never found
And it’s the same the whole world round
The hurt I see helps to compound
That Father, Son and Holy Ghost
Is just somebody’s unholy hoax
And if you’re up there you’d perceive
That my heart’s here upon my sleeve
If there’s one thing, I don’t believe in

天国も地獄も信じない
聖者も、罪人も、悪魔もいない
天国の門も、茨の冠も
あなたは私たち人間を失望させてばかりだ
戦争を引き起こし、赤ん坊を溺れさせ
海に沈んだ者達は、二度と還らない
世界中のどこだってそう
こんな苦しみを見れば、はっきりわかる
父だの、子だの、聖霊だの
そんなのはふざけたでっち上げだ
あなたが天国にいるなら、わかるでしょう
包み隠さず申し上げます
確かな事が一つあるとすれば、私は信じない…

 

pearly gates (聖書に登場する)天国の門。(天国には真珠でできた12の門があると伝えられている)
thorny crown (=the crown of thorns) (キリストが被せられた)いばらの冠
compound 悪化させる、組み合わせる、構成された、合成
hoax でっちあげ、悪ふざけ、かつぐ
up there あの上で、あそこで、天国で
perceive 気がつく、知覚する
(wear)one’s heart on one’s sleep (心を袖に引っ掛ける→)心の内を明かす、感情をあらわにする

 

<Jasmine Veillette>
It’s you
Dear God

あなたを。
親愛なる神様

 

 

収録アルバム

アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。

Skylarking(1986年)

ポップ職人トッド・ラングレンのプロデュースによる8thアルバム。制作中、アンディ・パートリッジとトッドとの間に亀裂が入り完成が危ぶまれたものの、トッドがなんとか完成させたアルバム。職人的技巧が光る至高のポップ作品で、最高傑作に挙げるファンも多いです。

Dear God』は当初、収録曲から外されていたものの、後の再発盤では収録されました。

 

Fossil Fuel(Singles 1977-1992)(1996年)

2枚組31曲収録のシングル曲集です。