<歌詞和訳>Seventeen – Sex Pistols 曲の解説と意味も
Sex Pistols – Seventeen
セックス・ピストルズ – セブンティーン
イギリスのパンクロックバンド セックス・ピストルズの唯一のオリジナルアルバム「Never Mind The Bollocks」(邦題:勝手にしやがれ!! 1977年) に収録されている曲です。
ギタリストのスティーヴ・ジョーンズが作った曲で、歌詞の一部をジョニー・ロットン(ジョン・ライドン) が直したと言われており、ジョニーはこの曲を「アンチ・ヒッピーソング」と説明しています。
歌詞の意味と解釈
タイトルは「セブンティーン」ですが、歌詞に登場する人物(You) は29歳です。
サビでは「俺は怠け者(Lazy Sod)」と繰り返され、曲も歌詞もシンプルで、いかにもパンクっぽい曲です。
しかし、29歳の成人に向かって(おそらく17歳の怠け者が)「まだ29だろ? 覚える事もたくさんあるじゃねぇか」と言っているあたりは、一般社会の常識「(親が子供に向かって)もう29なんだからしっかりしなさい」の逆の真理をついているようで、実はかなり深い曲なんじゃないかと思います。
歌詞と和訳
Written by John Lydon, Glen Matlock, Steve Jones & Paul Cook
You’re only 29
Got a lot to learn
But when your mummy dies
She will not return
お前はまだ29
覚える事はたくさん。
でもママが死んじまったら
もう戻って来ない
We like noise, it’s our choice
It’s what we wanna do
We don’t care about long hair
I don’t wear flares
騒音が好きだ、自分たちで選ぶんだ
そうしたいんだ。
髪なんて伸ばさない
裾の広がったパンツなんてゴメンだ
・flare 揺れる、燃え立つ、フレアー(先広がり)型の、突発する
長髪とベルボトムに対する拒絶は「アンチ・ヒッピー」と言えそうです
See my face, not a trace
No reality
I don’t work, I just speed
That’s all I need
俺の顔を見ろ、過去じゃなくて。
現実味がないのさ
働かず、スピードがあれば
それで十分
・trace 痕跡、足跡、結果
I’m a lazy sod, I’m lazy sod
I’m a lazy sod, I’m so lazy
(×2)
I can’t even be bothered
Lazy, lazy
俺は怠け者、俺は怠け者
俺は怠け者、すげえ怠けてる
何にもしねえってば
怠けてるんだ
・can’t be bothered (わざわざ)~する気になれない、したくない
【SEX PISTOLS】セックスピストルズ オフィシャルTシャツ#5 (M, m)
収録アルバム
アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。
Never Mind The Bollocks, Here’s The Sex Pistols(邦題:勝手にしやがれ!! 1977年)
パンクの名盤として語り継がれるピストルズ唯一のオリジナルアルバム。全英アルバムチャート1位獲得。有名プロデューサー クリス・トーマス(ピンク・フロイド等を手掛けた) による音作りは当時の他のパンクバンドとは一線を画す完成度の高いものです。
作曲と作詞のメインはベーシストのグレン・マトロックが担当しており、彼はレコーディング直前に脱退、後任にシド・ヴィシャスが加入しています(まともに演奏できない彼の代わりにベースを弾いたのはギターのスティーブ・ジョーンズ)。
ちなみに「ボロックス」とはキン〇マという意味で、畜生、クソという意味でも使われます(Never Mind The Bollocks=下らねえことは気にするな)。
2012年には35周年記念のボックスがリリースされました(上のリンクはそちらに飛びます)。
Kiss This(1992年)
ピストルズのベストアルバム。唯一のオリジナルアルバム「勝手にしやがれ!!」の全曲に、シドの『My Way』等が追加された全20曲。オリジナルアルバムにこだわらなければ、このベスト盤が一番いいと思います。