<歌詞和訳>I Talk to the Wind(風に語りて) – King Crimson 曲の解説と意味も
King Crimson – I Talk to the Wind
キング・クリムゾン – アイ・トーク・トゥ・ザ・ウィンド(邦題:風に語りて)
プログレッシヴ・ロックを代表するイギリスのバンド キング・クリムゾンの1stアルバム「クリムゾン・キングの宮殿」(1969年)に収録されている曲です。
イアン・マクドナルドの演奏によるフルート、クラリネットが印象的な曲で、騒々しい1曲目『21世紀のスキッツォイドマン』から、穏やかなこの曲へ続く流れも素晴らしいです。
歌詞の意味と解釈
歌詞は、ストレート・マン(まっすぐな男)とレイト・マン(遅れた男)という2人の人物の会話から始まります。
歌詞の主人公はレイト・マンの方と思われ、歌詞は彼が風に語り掛けたり、あっちこっちフラフラしていたり、迷いながら生きている様子が書かれています。
しかし、一つの真理や正義に向かって突き進むよりも、迷いやどっちつかずの中にこそ本質がある、というのがこの歌詞のメッセージではないか、と思われます。
(海外サイトでは、「信仰」がテーマだと解釈している人もいました)
歌詞と和訳
Written by Ian McDonald & Peter Sinfield
Said the straight man to the late man
“Where have you been?"
I’ve been here and I’ve been there
And I’ve been in between
まっすぐな男が、遅れた男に、こう言った
「お前はどこにいたんだ?」
僕はあちらにも、こちらにも
その中間にもいたはずなのに
I talk to the wind
My words are all carried away
I talk to the wind
The wind does not hear, the wind cannot hear
風に語りかけると
言葉はすべてさらわれていく
風に語りかけると
風は聴きはしない、風には聴こえない
・carry away さらっていく、運び去る、夢中にさせる
I’m on the outside looking inside
What do I see?
Much confusion, disillusion
All around me
外側に立って内側を見つめると
何か見えるのだろうか?
とめどない困惑と幻滅が
僕を取り巻くだけ
・disillusion 幻滅、幻滅させる
I talk to the wind
My words are all carried away
I talk to the wind
The wind does not hear, the wind cannot hear
風に語りかけると
言葉はすべてさらわれていく
風に語りかけると
風は聴きはしない、風には聴こえない
You don’t possess me, don’t impress me
Just upset my mind
Can’t instruct me or conduct me
Just use up my time
あなたは僕の心を捉えるでもなく、感銘を与えるでもなく
ただかき乱すだけ
僕を導くことも、教え諭す事もできず
ただ僕の時間をすり減らすだけ
・possess 所有する、取りつく、支配する
・upset ひっくり返す、散らかす、かき乱す
・instruct 指示する、教える、促す
※Youはストレートマンではなく、人々が信仰している宗教・指導者・神などを指していると解釈しました
I talk to the wind
My words are all carried away
I talk to the wind
The wind does not hear, the wind cannot hear
(×2)
風に語りかけると
言葉はすべてさらわれていく
風に語りかけると
風は聴きはしない、風には聴こえない
Said the straight man to the late man
“Where have you been?"
I’ve been here and I’ve been there
And I’ve been in between
まっすぐな男が、遅れた男に、こう言った
「お前はどこにいたんだ?」
僕はあちらにも、こちらにも
その中間にもいたはずなのに
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風と言えば…
ボブ・ディラン「Blowin’ in the Wind」(風に吹かれて)を思い浮かべます。
よければこちらの記事↑も合わせてご覧ください。
収録アルバム
アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。
In The Court Of The Crimson King(邦題:クリムゾン・キングの宮殿 1969年)
キング・クリムゾンの1stアルバムで、プログレッシヴロックの原点にして頂点とも評される、ロック史に残る名盤。ロックファンなら誰もが聴いておくべき作品ですし、個人的にも名曲揃いだと思いますが、4曲目『Moon Child』後半の抽象的なパートなどは正直聴きにくいです(笑)