【ジャンル解説】ブルース(Blues)
音楽ジャンルを歴史と一緒にわかりやすくまとめました。
Blues:ブルースとは何か
始まり:1900年代アメリカ
詳細解説
ブルースの起源は、19世紀後半頃、アメリカ南部のアフリカ系アメリカ人(黒人)の間で行われた収穫祭や慰霊歌、労働歌と言われている。ブルースの語源は悲しみを表す”Blue”からきていると言われ、初期のブルースは悲しみや憂鬱を表現する独唱歌だったという。
ブルースの歴史は、1903年に白人のW・C・ハンディが黒人のブルースの演奏を楽譜に起こしたことから始まったと言われる。この年がブルース生誕の年とされ、アメリカ合衆国議会は2003年にブルース生誕100年記念し「ブルースの年」を宣言している。
Father Of The Blues: An Autobiography
最初にレコーディングされたブルースのレコードは1920年のメイミー・スミスの『Crazy Blues』だと言われる。
その後ブルースは様々に発展し、アコースティックギターの弾き語りスタイルのカントリー・ブルースの他、アメリカ南部ではギターとハーモニカで熱くソウルフルな歌と演奏をするデルタ・ブルースが発展し、アメリカ北部の都市部ではピアノやバンド形式などの洗練された形式のシティ・ブルースが生まれた。
1950年頃にはエレキギターを用いたバンド形式のブルース(シカゴ・ブルース)が生まれ、代表的なアーティストとしてマディ・ウォーターズがいる。ロックンロールの始祖と呼ばれるチャック・ベリーも、マディ・ウォーターズに大きな影響を受けたと言われる。
1960年代初めにはイギリスにもブルースが伝わり、ローリング・ストーンズ、フリートウッド・マック、クリームなど、ブルースに影響を受けたロックバンドが数多く登場し、それらは”ブルースロック”と呼ばれた。
代表的なアーティスト
【戦前のブルース】
・ロバート・ジョンソン(Robert Johnson 1911-1938)
・チャーリー・パットン(Charley Patton 1891-1934)
・ブラインド・レモン・ジェファーソン(Blind Lemon Jefferson 1893-1929)
【戦後以降のブルース】
・ハウリン・ウルフ(Howlin’ Wolf 1910-1976)
・マディ・ウォーターズ(Muddy Waters 1913-1983)
・ジョン・リー・フッカー(John Lee Hooker 1917-2001)
・B.B.キング(B.B.King 1925-2015)
・バディ・ガイ(Buddy Guy 1936-)
動画(全部で8作品)
音楽ジャンル解説の目次はコチラ
ブルースとは、ギターを伴奏にした哀歌を起源とする音楽で、アメリカの黒人の間で誕生した。ブルースの語源は悲しみや憂鬱を表す”Blue”からきている。ロックを始め、20世紀の様々な音楽に影響を与えた。
ブルースの種類として、アコースティックギターで演奏される”カントリーブルース”、ソウルフルな歌とハーモニカの演奏が特徴の”デルタブルース”、ピアノなどとバンドを組んだ”シティブルース”、エレキギターとバンドスタイルが導入された”シカゴブルース”などがある。