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【ジャンル解説】ブラックメタル(Black Metal)

2018-04-11音楽ジャンル辞典

音楽ジャンルを歴史と一緒にわかりやすくまとめました。

 

Black Metal:ブラックメタルとは何か

 

 

始まり:1980年代

 ブラックメタルとは、スラッシュメタルから派生したメタルの1ジャンルである。同じくスラッシュメタルから派生したデスメタルが様式化・技巧的になっていく反動として、メタルが持つ凶悪さ・粗暴さを追求したといわれる。

 音の特徴としては、攻撃的でノイジーなサウンド、うめき声や悲鳴のように耳を突くボーカル、禍々しい雰囲気をつくるトレモロピッキング(ギターの単音を高速で弾く奏法)などがあげられる。

 デスメタルが扱うテーマが死や地獄や暴力であるのに対し、ブラックメタルは反キリスト教やサタニズム(悪魔崇拝)、黒魔術と言ったテーマを扱い、思想の上でも過激さや邪悪さ、厭世的なものを志向する傾向がある。

 それは見た目にも現れ、顔面の白塗り(コープスペイント)や甲冑風の衣装、逆十字のシンボルや、全身黒ずくめ等、特徴的な見た目をしている。他のメタル系のジャンルと比較しても服装に対するこだわりが強いとされる。

 

 

詳細解説

 ブラックメタルの名称は、1982年のヴェノムのアルバムタイトル「Black Metal」からきているといわれる。

 ブラックメタルは北欧や東欧で特に盛んである。地域性なのか、録音の状態が粗いものが多い(特に1980年代)が、それがかえってサウンドの禍々しさを増大させ、ブラックメタルの個性となっている。

 

 ブラックメタルを語る上で最も大きな出来事が、1990年代初頭のノルウェーで起こった”インナーサークル事件”である。これはノルウェーのブラックメタルアーティストが中心になった反キリスト団体で、「誰が一番邪悪か」を競うように教会の放火や、果ては殺人まで行った事件である。
 これはごく一部のアーティストの動きであったが、世界中にセンセーショナルに報じられたため、ブラックメタル全体に危険なイメージが定着したという。

 

 なお、現在はブラックメタルのこのような凶悪なイメージは払拭されつつあるらしい。ノルウェーではブラックメタルはメジャーなジャンルとなっているらしく、ブラックメタルの聖地として同地に世界中のファンが訪れるという。

 

 ブラックメタルからもサブジャンルが生まれている。ノルウェーのエンペラーは、作品を追うごとにクラシックや交響曲の要素を取り入れシンフォニック・ブラックメタルの先駆けとなった(ここではブラックメタルの粗暴さは薄れている)。また、ポーランドのベヒーモスがブラッケンド・デスメタルと呼ばれる(ブルータル・ブラックとも呼ばれる)ように、ブラックメタルとデスメタルの境界が薄れている例もある。

 

 

 

代表的なアーティスト

ヴェノム(Venom 活動期間:1979-)
メイヘム(Mayhem 活動期間:1983-93, 1994-)
バーズム(Burzum 活動期間:1988-2000, 2009-)
エンペラー(Emperor 活動期間:1991-2001, 2005-07, 2013-)
ダークスローン(Darkthrone 活動期間:1987-)
ベヒーモス(Behemoth 活動期間:1991-)

 

 

 

動画(全部で6作品)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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