<歌詞和訳>I Fought The Law – The Clash 曲の解説と意味も
The Clash – I Fought The Law
ザ・クラッシュ – アイ・フォウト・ザ・ロウ
イギリスのパンクロックバンド ザ・クラッシュが1979年にリリースしたEP(Expended play)「The Cost of Living」に収録されている曲です。
オリジナルアルバムには未収録ですが、1979年にリリースされたアメリカ版の「The Clash(白い暴動)」には収録されています。
この曲はザ・クリケッツのカバ―ですが、バンドを代表する曲となり、シングル集などにも収録されています。
歌詞の意味と解釈
「法律と戦った」というタイトルはいかにもパンクバンド、ザ・クラッシュらしいです。カバー曲ですが、まるで彼らが作ったのではないかと思えるくらい、クラッシュの世界観にマッチしています。(「法律と戦って、勝ったのは法律」という、哀愁を漂わせるところも、ジョー・ストラマーっぽいです)
歌詞の内容は、「強盗をした悪党が捕まって、今は労役を強いられている」というものですが、歌詞の端々に、偶然にもザ・クラッシュと重なる部分が見えてきます(そちらは和訳の後で)。
歌詞と和訳
Written by Sonny Curtis
Breakin’ rocks in the hot sun
I fought the law and’a the law won
I fought the law and’a the law wonI needed money 'cause I had none
I fought the law and’a the law won
I fought the law and’a the law won
熱い太陽の下 岩を砕いている
俺は法律と戦ったが、勝ったのは法律さ
俺は法律と戦ったが、勝ったのは法律さ
金が必要だったんだ 文無しだったから
法律と戦ったが、勝ったのは法律さ
法律と戦ったが、勝ったのは法律さ
I left my baby and it feels so bad
I guess my race is run
She’s the best girl that I ever had
I fought the law and’a the law won
I fought the law and’a
恋人を置いていった、酷い気分さ
俺も運の尽きみたいだ
彼女は今まであった中で最高の女
俺は法律と戦ったが、勝ったのは法律さ
俺は法律と戦った
Robbin’ people with a six-gun
I fought the law and’a the law won
I fought the law and’a the law wonI lost my girl and I lost my fun
I fought the law and’a the law won
I fought the law and’a the law won
6連拳銃で強盗をやった
法律と戦ったが、勝ったのは法律さ
法律と戦ったが、勝ったのは法律さ
彼女を失い、楽しみを失った
法律と戦ったが、勝ったのは法律さ
法律と戦ったが、勝ったのは法律さ
Breakin’ rocks in the hot sun
I fought the law and’a the law won
I fought the law and’a the law won
I needed money 'cause I had none
I fought the law and’a the law won
I fought the law and’a the law won
俺は恋人を置いていった、酷い気分さ
俺も運の尽きみたいだ
彼女は今まであった中で最高の女
法律と戦ったが、勝ったのは法律さ
法律と戦ったが、勝ったのは法律さ
I fought the law and’a the law won(×14)
I fought the law and’a
俺は法律と戦ったが、勝ったのは法律さ
俺は法律と戦った
ミニポス(B5サイズミニポスター)POS-041/Joe Strummer(ジョー・ストラマー)/ロックシリーズ
さらに解説
訳す上で、気にした箇所が3つあります。
「Breakin’ rocks in the hot sun」は、岩石を打ち砕く(労役を強いられる) 受刑者の姿と考えられます。しかし、既存のロックを破壊した(エルヴィスもビートルズも否定した) パンクロックならではの「ロックを壊す」という意味にも受け取れます。
また、「in the hot sun」の部分は同じくロンドンパンク SEX PISTOLSの代表曲『Holidays in the sun』(邦題:さらばベルリンの陽) との共鳴も感じます。
「She’s the best girl that I ever had」は「今まで会った中で最高の女」と訳しました。文脈的には「今までヤッた中で最高の女」くらいの方が正しそうですが、遊び目的の女性との別れよりも、「人生を棒に振ってもいいくらい好きになった女」との別れと考えた方が歌詞がカッコイイと思います。また、ジョー・ストラマーは知り合いを助ける為に入籍し(戸籍だけ貸した状態)、本当の妻とは結婚できない状態になってしまいました。こういう"お人好し"な部分からも、上記の訳の方がぴったりくると考えました。
オリジナルとカバー
ザ・クリケッツによるオリジナルはこちらです↓(1959年作品)
(ちなみにクリケッツとは"コオロギ"の事で、ビートルズの名前の由来にもなりました)
グリーン・デイもカバーしていますが、こちらはザ・クラッシュのカバーバージョンのカバーとなっています。
日本では、意外なところでマーシーこと真島昌利(ブルーハーツ、ハイロウズ、クロマニヨンズ)が日本語でクリケッツのバージョンをカバーしています。
↓長らく廃盤だったソロの3rdアルバム(1992年)が2007年にリイシュー。追加されたボーナスディスクに『I Fought The Law』が収録されています。
収録アルバム
アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。
Pearl Harbour ’79(1979年)
本国イギリスより2年遅れでリリースされた、アメリカ版「The Clash」(すでに輸入盤が出回っていた為、曲をかなり入れ替えてリリースされた) を、日本限定のアートワークでリリースした作品です。誰が考えたか知りませんが、タイトルはカッコイイです(こういうところも抜かりなくカッコイイのがクラッシュですね)。
The Essential Clash(2003年)
2枚組40曲収録のベストアルバム。代表曲は余さず聴ける内容。無かった事にされているラストアルバム「カット・ザ・クラップ」からも1曲収録されています。
Hits Back(2013年)
1982年のブリクストン公演のセットリスト(スタジオ音源)+代表曲8曲を追加した2枚組ベストアルバム。装丁も凝っており、ファンも納得の"作品"に仕上がっています。
クラッシュのすべてを知りたい人へ
幻のバンドスコア