<歌詞和訳>You Never Give Me Your Money – The Beatles 曲の解説と意味も
The Beatles – You Never Give Me Your Money
ザ・ビートルズ – ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー
ザ・ビートルズの11thアルバム「Abbey Road」(1969年) に収録されている曲です。
レノン=マッカートニー名義ですが実質ポール・マッカートニーの作品で、アルバム後半を彩るメドレーの最初の曲となっています。
メドレー一覧:『You Never Give Me Your Money』『Sun King』『Mean Mr.Mustard』『Polythene Pam』『She Came In Through The Bathroom Window』『Golden Slumbers』『Carry That Weight』『The End』
歌詞の意味と解釈
タイトル「君は僕にお金を渡さない」とは、「ビートルズに関する様々な金銭トラブル」を表現したものだと言われています。
ポールは、マネージャーだったブライアン・エプスタインの死後、バンドにまつわる金銭面も担当するようになっていました。
その為、他のメンバーよりもよりお金について切実な思いだったのでしょう。
ビートルズをつくった男―ブライアン・エプスタイン (新潮文庫)
掘り下げた考察は、和訳の後に載せています。
歌詞と和訳
Written by Paul McCartney
You never give me your money
You only give me your funny paper
And in the middle of negotiations
You break down
君は僕にカネを渡さない
ヘンな紙キレを渡すだけ
そして交渉の最中に
泣き崩れてしまう
・negotiation ネゴシエーション、交渉
・break down 破壊する、壊れる、泣き崩れる、衰える
I never give you my number
I only give you my situation
And in the middle of investigation
I break down
僕は君に連絡先を明かさない
僕の苦境を伝えるだけ
色々調べていくと
僕も泣き崩れてしまう
・situation 位置、立場、状況、事態
・investigation 調査、取り調べ
Out of college, money spent
See no future, pay no rent
All the money’s gone, nowhere to go
大学をやめ、カネは使い果たし
お先真っ暗、家賃も払えない
カネはもう無い、行く当てもない
Any jobber got the sack
Monday morning, turning back
Yellow lorry slow, nowhere to goBut oh, that magic feeling, nowhere to go
Oh, that magic feeling, nowhere to go
Nowhere to go
労働者はクビになる
月曜の朝はやってくる
黄色いトラックはゆっくりと、行く当てもなく
だけどあの魔法のような感覚は、どこにも行かない
あぁ、あの魔法のような感覚は、どこにも行かない
どこにも行かない
・jobber 仲買人、日雇い労働者
・sack 袋、解雇、略奪
・lorry トラック、トロッコ
One sweet dream
Pick up the bags and get in the limousineSoon we’ll be away from here
Step on the gas and wipe that tear awayOne sweet dream came true today
Came true today
Came true today
Yes, it did
素敵な夢が1つ
バッグを持って、リムジンに乗り込む
もうすぐこことはおさらばさ
アクセルを踏み、涙を拭う
素敵な夢が1つ、今日叶った
今日叶った
今日叶った
そうさ
1, 2, 3, 4, 5, 6, 7
All good children go to Heaven
1, 2, 3, 4, 5, 6, 7
All good children go to Heaven
1,2,3,4,5,6,7
良い子はみんな天国にいける
1,2,3,4,5,6,7
良い子はみんな天国にいける
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One Sweet Dream?
マネージャー ブライアン・エプスタインの死後、メンバーをまとめる立場にあったポールの負担は相当なものだったと思われます。
また、高い理想を掲げて立ち上げた多角的企業アップル・コア(アップルレコードはこの会社の一部門)も、メンバーに経営やお金の難しさを痛感させたようです。
お金についてのいざこざが書かれた曲の前半に対し、後半は開き直ったかのような解放的な内容になっています。
うがった見方をすると、歌詞に出てくる「One Sweet Dream」とは、課題が山積みのビートルズやアップルとおさらばして、リンダ夫人と再出発する(または現実逃避のバカンスに出かける)ポールの夢、と捉える事もできます。
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収録アルバム
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Abbey Road(1969年)
通算11枚目のアルバムで、アルバムタイトルはレコーディングスタジオがある通りの名前からとられました(後に、スタジオの名称も正式に「アビー・ロード・スタジオ」となりました)。