【ジャンル解説】デスメタル(Death Metal)
音楽ジャンルを歴史と一緒にわかりやすくまとめました。
Death Metal:デスメタルとは何か
始まり:1980年代中盤
詳細解説
デスメタルの始まりは、アメリカのスラッシュメタルバンド デスを中心とした1980年代アメリカのメタルシーンだと言われる。この頃からデスヴォイスが使われ、徐々にスラッシュメタルとは独立した1ジャンルになっていったという。
なお、デスヴォイスは日本で用いられる言葉で、海外ではグロウル、ガテラルと呼ばれるらしい。ガテラルの方がより濁った音をきかせるが、喉への負担も大きいという(デスヴォイスは地声の他、エフェクターなども用いる)。
日本ではデスメタルとブラックメタルが混同される。白塗りメイク(コープスペイント)や甲冑のような衣装はブラックメタルの特徴であり、デスメタルバンドの服装はTシャツにジーンズなど、動きやすくカジュアルなものが多い。
デスメタルは様々に音楽性を広げ「メロディック・デス・メタル」「プログレッシヴ・デスメタル」「シンフォニック・デスメタル」「ブルータル・デスメタル」など、派生ジャンルを生んでいる。それらジャンルの”デス要素”は主にデスヴォイスと低音と高速ビートである。
デスメタルとスラッシュメタルの違い
共に高速のリフとビートを特徴とするが、デスメタルはほぼ全編デスヴォイスで歌われる(叫ばれる)点が異なる。また、モチーフもデスメタルの方がよりエゲツない場合が多い。
デスメタルとグラインドコアの違い
どちらも激しさと凶暴さが際立ったジャンルだが、デスメタルには、メタルの様式(ギターソロやメロディアスなパート)がある。また、グラインドコアはデスヴォイス以外にも悲鳴や金切り声のようなボーカルがある。
デスメタルとブラックメタルの違い
どちらも激しいサウンドとオドロオドロしいモチーフをもっているが、デスメタルの方がメタルに忠実なサウンドである。ブラックメタルはより粗暴さを強調し、ヴォーカルもデスヴォイス以外に甲高い悲鳴のような声を聴かせ、低音以外にもトレモロ奏法などの高音域を効果的に用いる。
代表的なアーティスト
・モービッド・エンジェル(Morbid Angel 活動期間:1983-)
・デス(Death 活動期間:1983-2001)
・カンニバル・コープス(Cannibal Corpse 活動期間:1988-)
・ダイイング・フィータス(Dying Fetus 活動期間:1991-)
・カーカス(Carcass 活動期間:1985-95, 2007-)※メロディック・デスメタル
・オーペス(Opeth 活動期間:1990-)※プログレッシヴ・デスメタル
・フレッシュゴッド・アポカリプス(Fleshgod Apocalypse 活動期間:2007-)※シンフォニック・デスメタル、テクニカルデスメタル
動画(全部で7作品)
音楽ジャンル解説の目次はコチラ
デスメタルは、スラッシュメタルから派生したメタルの1ジャンルである。ブラストビートを用いたハイスピードの楽曲と、ダウンチューニングによる低音を強調したサウンド、グロウル(デスヴォイス)と呼ばれる意識的に声を潰したダミ声ボーカルを特徴とする。
歌詞やアートワークに死や地獄、暴力や殺人などを扱う点も特徴である。
同様に激しいメタルのジャンルであるスラッシュメタル、グラインドコア、ブラックメタルとの違いは以下を参照。