【ジャンル解説】グラインドコア(Grindcore)
音楽ジャンルを歴史と一緒にわかりやすくまとめました。
Grindcore:グラインドコアとは何か
始まり:1980年代中盤イギリス
詳細解説
グラインドコアの音楽的特徴は、ブラストビート(同じビートを超高速で連打する)が多用され、ボーカルは歌よりも悲鳴や怒号のような叫び声が多い。
速く激しいだけではなく、不快なほどの騒がしさや狂気が、このジャンルの本質といえる。
1986年にリリースされたナパーム・デスのアルバム「スカム」が元祖といわれており、その激しく短いサウンド(最短で1秒台の曲もある)は、多くのアーティストに影響を与えたという。ナパーム・デスのようにメタルが下地にあるものの他、AxCxのように金切り声やノイズを多用して曲をメチャクチャにするようなアーティストもいる。
また、日本のハードコアバンドのS.O.B(エス・オー・ビー)やGismは、このジャンルの形成に影響を与えたという。
代表的なアーティスト
・ナパーム・デス(Napalm Death 活動期間:1981-)
・ブルータル・トゥルース(Brutal Truth 活動期間:1990-99, 2006-14)
・テロライザー(Terrorizer 活動期間:1986-89, 2003-06, 2009-)
・AxCx(エーエック・シーエックス 活動期間:1988-2000, 2003-11)
・ピッグ・デストロイヤー(Pig Destroyer 活動期間:1997-)
・S.O.B(SxOxBとも表記される 活動期間:1985-)
・カーカス(Carcass 活動期間:1985-95, 2007-)※活動中盤以降はメロディックデスメタルの始祖と言われる
動画(全部で8作品)
音楽ジャンル解説の目次はコチラ
グラインドコアとは、スラッシュメタルやデスメタル、ハードコアなどの激しい音楽を、より激しく、攻撃的に演奏したものを指す。
速さや重さだけでなく、グラインド(grind=すり潰す)の名の通り、悲鳴や咆哮のようなボーカルスタイル、荒々しくノイジーな音質や演奏も特徴である。
歌詞やアートワークは、現実社会の暗部をえぐり出すようなものが多く、そこに惹かれるリスナーも多いと思われる。
万人受けはしないジャンルだが、激しい音楽を求めるリスナーなら無視できないジャンルといえる。