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<歌詞和訳>I Found Out(悟り) – John Lennon 曲の解説と意味も

2022-12-17John Lennon 歌詞和訳[社会] 風刺/抗議

John Lennon – I Found Out
ジョン・レノン – アイ・ファウンド・アウト(邦題:悟り)

 

ジョン・レノンの1stアルバム「John Lennon/Plastic Ono Band」(1970年 邦題:ジョンの魂) に収録されている曲です。

当時のジョンは、ヨーコの薦めで原初療法(プライマル・スクリーム・セラピー)と呼ばれる精神治療を行っており、当時の作品はその影響を大きく受けています。

 

歌詞の意味と解釈

タイトルの「ファウンド・アウト」(find outの過去形)は、(知らなかった物事を)"わかった、発見した“という意味です。

歌詞の内容は、宗教や偶像崇拝に対する反発を表現したものとなっています。
(宗教批判の曲なのに宗教的な"悟り"という邦題が付いているのが皮肉っぽくて面白いと感じたので、歌詞でも"悟った“と訳しました)

 

批判の対象はキリスト教に留まらず、自身が一時期傾倒していた東洋(インド)の思想にも及んでいます。

また、ビートルズや平和活動などで自分自身が偶像にされる事への嫌悪感、さらには身内のポールやジョージを批判するようなものや、自身の両親との関係に至るまで、様々な不満が歌詞に含まれています。

それら様々な事柄を悟り、苛立ちをぶちまけたような辛辣な語り口は、攻撃的なロックサウンドとあいまって痛快です。

 

歌詞と和訳

Written by John Lennon

I told you before, stay away from my door
Don’t give me that brother, brother, brother, brother
The freaks on the phone, won’t leave me alone
So don’t give me that brother, brother, brother, brother

前にも言っただろ、僕の家に近づくな
僕の事を同胞だなんて止めてくれ、同胞、同胞、同胞だなんて
おかしな奴らが電話してきて、僕につきまとう
僕の事を同胞だなんて止めてくれ、同胞、同胞、同胞だなんて

 

door ドア、扉、一軒、部屋、玄関
brother 兄弟、仲間、同業者
freak 中毒者、マニア、奇人、珍事

 

※この歌詞は、ジョンに近づきたがる平和活動家(?)のような団体を指したものらしいです

 

I, I found out!
I, I found out!

僕は、僕は悟ったんだ!
僕は、僕は悟ったんだ!

 

Now that I showed you what I been through
Don’t take nobody’s word what you can do
There ain’t no Jesus gonna come from the sky
Now that I found out I know I can cry

僕の経験を教えたんだから
人のデマカセを真に受けるのはもうやめろ
天からキリストが降臨、だなんてあるわけない
僕は悟ったのさ、泣けてくるよ

 

take someone’s word ~の言う事を真に受ける
 ※Don’t take nobody’s word what you can doは直訳すると「あなたならできるという言葉を真に受けるな」となります

 

I, I found out!
I, I found out!

僕は、僕は悟ったんだ!
僕は、僕は悟ったんだ!

 

Some of you sitting there with your cock in your hand
Don’t get you nowhere, don’t make you a man
I heard something about my Ma and my Pa
They didn’t want me so they made me a star

君らの何人かは、座ってアソコをしごいてる
そんな事しててもどうにもならないし、一人前になれるわけでもない。
ママとパパの事を聞いたんだ
二人は僕が不要だったから、僕をスターにしたんだと

 

with your cock in your hand 自分のチ〇コを手に持つ(マスターベーションする)
get someone nowhere ~をどこにも連れて行かない、~の役に立たない
Ma Pa ママ、パパ

 

I, I found out!
I, I found out!

僕は、僕は悟ったんだ!
僕は、僕は悟ったんだ!

 

Old Hare Krishna got nothing on you
Just keep you crazy with nothing to do
Keep you occupied with pie in the sky
There ain’t no guru who can see through your eyes

古臭いハレ・クリシュナが君の役に立つものか
何をするでもなく、ただ君を狂わせる
誇大妄想で君を夢中にさせるだけ
君の目を見れば君の事がわかるとか、そんな教祖はいないのさ

 

Hare Krishna ハレ・クリシュナ(マントラの一つ)。もともとはヒンドゥー教のクリシュナ(神)への崇拝を示す言葉。ビートルズは1968年、超越瞑想の修行の為にインドに滞在。ジョン以上にジョージはインドカルチャーに傾倒し、自身の曲のテーマとしても大きく取り上げています(例『My Sweet Lord』)。
have(get) nothing on ~にはかなわない、~に及ばない
occupy 占める、満たす
pie in the sky 実現性のない夢、絵に描いた餅(直訳すると「空にあるパイ」)
guru グル、教祖、ヒンドゥー教の導師、リーダー

 

I, I found out!
I, I found out!

僕は、僕は悟ったんだ!
僕は、僕は悟ったんだ!

 

I seen through junkies, I been through it all
I seen religion from Jesus to Paul
Don’t let them fool you with dope and cocaine
No one can harm you, feel your own pain

僕は中毒者どもを見抜いてきた、それら全部を見抜いてきた
キリストからポール(パウロ)に至るまで、宗教を見てきた
マ〇ファナやコカ〇ンなんかで惑わされるな
君を害せる奴はいない、君の痛みを感じるのは君だけだ

 

junky ジャンキー、中毒者。麻薬中毒者を指す事が多いですが、ここでは宗教などに熱中している人も含めてジャンキーと呼んでいると思われます
see through 通してみる、見抜く、切り抜けさせる、最後までやり通す
Paul ポール・マッカトニーとパウロ(キリストの使徒パウロ、あるいはローマ教皇)をかけたものと思われます
dope まぬけ、麻薬、カッコいい

 

I, I found out!
I, I found this out!
I, I found out!

僕は、僕は悟ったんだ!
僕は、こいつを悟ったんだ!
僕は、僕は悟ったんだ!

 

 

収録アルバム

アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。

John Lennon/Plastic Ono Band(邦題:ジョンの魂 1970年)

ジョンの実質的なソロデビュー作。シンプルなサウンドと、ジョンのむき出しの精神性が融合した作品です。