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<歌詞和訳>Born To Run(明日なき暴走) – Bruce Springsteen 曲の解説と意味も

2022-11-28その他の有名曲・定番曲 歌詞和訳[恋愛] 青春,[生き方] 信念/自分らしさ,[生き方] 反抗/自由,[表現] 詩的/文学的,励まし/力をもらえる歌詞

Bruce Springsteen – Born To Run
ブルース・スプリングスティーン – ボーン・トゥ・ラン(邦題:明日なき暴走)

 

アメリカのシンガーソングライター ブルース・スプリングスティーンの3rdアルバムBorn To Run」(1975年)の表題曲で、シングルとしてもリリースされた曲です。

スプリングスティーンの代表曲であるだけでなく、"ロック史に残る名曲"に挙げられる事が多い曲です。

 

歌詞の意味と解釈

タイトル「ボーン・トゥー・ラン」を訳すと"走る為に生まれてきた“となります。

若者の愛と夢と自由が詩的に詰まった歌詞は、一つの小説のような読みごたえがあります。

歌詞には自動車やバイクに関する単語が登場し、タイトルにもある"Run“は車(おそらく改造車)かバイクでの走りを指していると思われますが、車とバイクどちらなのかは断定できません。

また、走りそのものよりも、"Run“は退屈な安定よりもハイリスクな夢を追いかけるような"生き様"を表現した言葉とも言えます。

 

歌詞は「ウェンディ(歌詞に登場する女性)へのラブレター」だと解釈されているそうですが、スプリングスティーン本人は「単に(彼の故郷ニュージャージー州の)フリーホールドからの脱出」の歌だと説明しています。

 

なお、スプリングスティーンはこの曲を出すまでは売れておらず、まさに歌詞の主人公のような心境でこの曲を書いたのではないかと思われます。

 

歌詞と和訳

Written by Bruce Springsteen

In the day, we sweat it out on the streets
Of a runaway American dream
At night, we ride through mansions of glory
In suicide machines
Sprung from cages out on Highway 9
Chrome wheeled, fuel injected and steppin’ out over the line

昼は、届かぬアメリカンドリームの路上で
汗を流している
夜は、暴走するマシンに乗り
栄光の館を駆け抜ける
ピカピカのホイール、燃料は満タンで
檻から抜け出しハイウェイ9号、そして境界線を飛び越える

 

runaway 逃亡者、逃亡、逃亡した、暴走した
mansion 大邸宅、屋敷
suicide machines 直訳すると「自殺マシーン」ですが、おそらく「事故って死んでしまうほどスピードを出している車」を指していると思われます。
spring 跳ぶ、跳ねる、起因する、春、スプリング
cage ケージ、鳥かご、刑務所
chrome クロム、クロムメッキを施した金属
fuel injected 燃料噴射式の(fuel 燃料、inject 注入する)

 

Oh, baby this town rips the bones from your back
It’s a death trap, it’s a suicide rap
We gotta get out while we’re young
`Cause tramps like us, baby we were born to run
Yes, girl, we were

オー、ベイビー、この町はお前を骨抜きにしちまうぜ
それは死に至る罠、自滅への拘留
若いうちに抜け出すんだ
なぜなら俺達みたいな流れ者は、突っ走る為に生まれてきたのさ
そうさ、俺達は

 

rip 切り裂く、はぎ取る
rap ラップ、叩く、逮捕する、容疑
gotta (=have got to)~しなければならない
tramp 重い足取り、放浪者、激しく踏みつける、放浪する

 

Wendy let me in, I wanna be your friend
I want to guard your dreams and visions
Just wrap your legs 'round these velvet rims
And strap your hands across my engines
Together we could break this trap
We’ll run till we drop, baby we’ll never go back

ウェンデイ、入れてくれ、お前と仲良くしたいんだ
お前の夢と幻想を、守ってやりたい
お前の両足でベルベットのホイールをまたぎ
お前の両手を俺のエンジンに回し
一緒に、この罠を突破するんだ
俺達は倒れるまで走る、ベイビー、決して後戻りはしない

 

wrap 包む、巻き付ける、覆うもの
rim 縁、枠、タイヤの縁
strap 革ひも、ストラップ、革ひもで結びつける

 

Oh, will you walk with me out on the wire?
`Cause baby I’m just a scared and lonely rider
But I gotta know how it feels
I want to know if love is wild, babe
I want to know if love is real
Oh, can you show me?

俺と一緒に、この危険な綱渡りをしてくれるかい?
所詮俺は怖がりで寂しがりのライダー
でも、どんな感じか知りたいのさ
愛はワイルドなのか
愛はリアルなのか
俺に教えてくれるかい?

 

wire ワイヤー、針金、ケーブル、糸

 

Beyond the palace, hemi-powered drones
Scream down the boulevard
The girls comb their hair in rearview mirrors
And the boys try to look so hard
The amusement park rises bold and stark
Kids are huddled on the beach in a mist
I wanna die with you, Wendy, on the streets tonight
In an everlasting kiss

パレスの向こうでは、イカつい車が
大通りで唸りを上げている
女たちはバックミラー越しに髪をとかし
男たちは強面に見せようとする
その遊び場は無骨に、無愛想にそびえ立ち
若者は霧のかかったビーチに吸い寄せられる
俺はお前と一緒に死にたいんだ、ウェンディ、今夜、路上で
永遠の口づけを交わしながら

 

palace 宮殿、城、官邸
 ※ここでは「Palace Amusements」というニュージャージー州の屋内遊園地を指しているようです。詳細は英語版wikipedia「Palace Amusements」を参照。
hemi-powered drones ヘミエンジン搭載のクライスラー社の自動車を指しています。
 70年代当時「マッスルカー」と呼ばれた高出力エンジン搭載の車が路上でレースをしていた様子を指しているようです。

Hemi Muscle 70 Years: Chrysler, Dodge & Plymouth High Performance

comb コーム、櫛、髪をとかす
stark 荒涼とした、過酷な、全く
huddle 群れる、群れさせる、群れ、集団、体を丸める
everlasting 永遠の、果てしない

 

※このパートは、ニュージャージー州の海岸都市アズベリーパークの当時の様子を描いたもののようです

 

(1, 2, 3, 4) The highways jammed with broken heroes
On a last chance power drive
Everybody’s out on the run tonight
But there’s no place left to hide
Together, Wendy, we can live with the sadness
I’ll love you with all the madness in my soul

ハイウェイは、ラストチャンスの追い上げを試みる
敗れたヒーローたちでごった返している
今夜、誰もがここから抜け出そうとしているが
隠れる場所は残されていない
さあ、ウェンディ、俺達は悲しみを背負ったまま生きていける
魂が生み出す狂熱すべてでお前を愛す

 

jam 詰め込む、いっぱいにする、混雑、ジャム
power drive 不明な言葉ですが、おそらく"必死の追い上げ"のようなニュアンスで使っているのではないかと思います。
on the run 走り回って、逃亡して

 

Oh, someday girl, I don’t know when
We’re gonna get to that place
Where we really want to go, and we’ll walk in the sun
But till then, tramps like us
Baby, we were born to run

あぁ、そしていつの日か、いつになるかわからないが
俺達はそこへたどり着くんだ
俺達が本当に行きたい場所へ、そして陽射しの中を歩こう
だがそれまでは、俺達みたいな流れ者は
ベイビー、突っ走る為に生まれてきたんだ

 

Oh honey, tramps like us
Baby, we were born to run
Come on with me, tramps like us
Baby, we were born to run

なぁ、ハニー、俺達みたいな流れ者は
ベイビー、突っ走る為に生まれてきたんだ
さあ行こう、俺達みたいな流れ者は
ベイビー、突っ走る為に生まれてきたんだ

 

 

収録アルバム

アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。

Born To Run(1975年 邦題:明日なき暴走

ブルース・スプリングスティーンを一躍スターに押し上げ、まさにアメリカン・ドリームを体現するような3rdアルバム。オリジナル版は音質が不評でしたが、2014年にリマスターが施されました(リンク先はリマスター版です)。

 

The Esential Bruce Springsteen(2014年)

1973年のデビュー作から2014年のアルバム「High Hopes」までの代表曲を収録した2枚組ベストアルバム。1984年までの曲はデジタルリマスターが施されており、入門編にぴったりの作品です。