<歌詞和訳>Epitaph(墓碑銘) – King Crimson 曲の解説と意味も
King Crimson – Epitaph
キング・クリムゾン – エピタフ(邦題:墓碑銘)
プログレッシヴ・ロックを代表するイギリスのバンド キング・クリムゾンの1stアルバム「クリムゾン・キングの宮殿」(1969年)に収録されている曲です。
感傷的なボーカルとメロディ、多用されるメロトロン(鍵盤型のテープ再生楽器で、録音された管楽器や弦楽器などを鍵盤で再生する)が特徴的な、キング・クリムゾンの代表曲です。
中盤とアウトロのインストゥルメンタル・セクションには「March for No Reason」(理由なき行進)、「Tomorrow and Tomorrow」(明日も、その明日も)というタイトルが付いている為、曲名は「Epitaph (Including “March For No Reason" and “Tomorrow And Tomorrow")」とも表記されています。
(アルバムリリース当時、5曲という収録曲は少なすぎたため、曲に副題を付けたそうです)
歌詞の意味と解釈
「Confusion will be my epitaph」(=“混乱"が私の墓碑銘となるだろう)という有名な一節を持つ曲です。
歌詞は、当時の冷戦を反映させたような、核戦争や人類の終末を暗示した内容に読み取れます。
「混乱が私の墓碑銘」と嘆いている"私"とは、終末を混乱しながら見守るしかない無力な一人の人間のように思われます。
歌詞の主人公は全人類の代弁者であり、「愚かな争いを繰り返せば、人類の墓にはただ"混乱"という一言だけが刻まれる事になるだろう」という警告が込められた歌詞だと、解釈して訳しました。
歌詞と和訳
Written by Michael Giles, Greg Lake, Ian McDonald, Robert Fripp & Peter Sinfield
The wall on which the prophets wrote
Is cracking at the seams
Upon the instruments of death
The sunlight brightly gleamsWhen every man is torn apart
With nightmares and with dreams
Will no one lay the laurel wreath
When silence drowns the screams?
預言者たちの言葉が刻まれた壁が
ひび割れ、崩れていく
死の道具によって
太陽の光が燦然ときらめく
夢と悪夢によって
人々の心は引き裂かれ
静寂が悲鳴を飲み込む時
勝利の冠を戴く者などいるのだろうか?
・prophet 預言者
・seam 縫い目 (at the seams=継ぎ目から~する)
・instrument 道具、楽器
・gleam 微光、きらめき、かすかに光る
・tear apart ばらばらにする、苦しめる、心を引き裂く
・laurel wreath 月桂冠(月桂樹の葉で出来たリース、勝利の象徴)
KOZEEY緑の葉 ローマギリシャ 女神 月桂冠 仮装 衣装 カチューシャ
※「世界の終末」という視点で考えるとinstruments of deathは核兵器を指していると解釈でき、歌詞の内容が具体性を帯びてきます。
Confusion will be my epitaph
As I crawl a cracked and broken path
If we make it we can all sit back and laugh
But I fear tomorrow I’ll be crying
Yes, I fear tomorrow I’ll be crying
Yes, I fear tomorrow I’ll be crying
混乱、私の墓にはそんな一言が刻まれるのだろう
ひび割れ、崩れた小道を這いながら。
乗り越えられたなら、私たちはくつろぎ笑っていられようが
私は明日を恐れ、嘆くことだろう
そう、明日を恐れ、嘆くことだろう
ああ、明日を恐れ、嘆くことだろう
・confusion 混乱、錯乱、困惑
・path 小道、歩道、進路
・sit back 深く座る、くつろぐ、傍観する
Between the iron gates of fate
The seeds of time were sown
And watered by the deeds of those
Who know and who are known;Knowledge is a deadly friend
If no one sets the rules
The fate of all mankind I see
Is in the hands of fools
いくつもの運命の鉄門の間で
時代の種は蒔かれ
育まれる、
名を成した人々の功績によって。
規律無き世界において
知識は死を招く友となる。
全人類の運命は愚か者共の手の中に
あるように見える
・fate 運命、宿命
・sow 種を蒔く
・deed 行為、偉業
・deadly 致命的な、命取りの、恐ろしい
・mankind 人類
The wall on which the prophets wrote
Is cracking at the seams
Upon the instruments of death
The sunlight brightly gleamsWhen every man is torn apart
With nightmares and with dreams
Will no one lay the laurel wreath
When silence drowns the screams?
預言者たちの言葉が刻まれた壁が
ひび割れ、崩れていく
死の道具によって
太陽の光が燦然ときらめく
夢と悪夢によって
人々の心は引き裂かれ
静寂が悲鳴を飲み込む時
勝利の冠を戴く者などいるのだろうか?
Confusion will be my epitaph
As I crawl a cracked and broken path
If we make it we can all sit back and laugh
But I fear tomorrow I’ll be crying
Yes I fear tomorrow I’ll be crying
Yes I fear tomorrow I’ll be crying
Crying…
Crying…
Yes I fear tomorrow I’ll be crying
Yes I fear tomorrow I’ll be crying
Yes I fear tomorrow I’ll be crying
Crying…
混乱、私の墓にはそんな一言が刻まれるのだろう
ひび割れ、崩れた小道を這いながら。
乗り越えられたなら、私たちはくつろぎ笑っていられようが
私は明日を恐れ、嘆くことだろう
そう、明日を恐れ、嘆くことだろう
ああ、明日を恐れ、嘆くことだろう
嘆くことだろう…
嘆くことだろう…
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収録アルバム
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In The Court Of The Crimson King(邦題:クリムゾン・キングの宮殿 1969年)
キング・クリムゾンの1stアルバムで、プログレッシヴロックの原点にして頂点とも評される、ロック史に残る名盤。ロックファンなら誰もが聴いておくべき作品ですし、個人的にも名曲揃いだと思いますが、4曲目『Moon Child』後半の抽象的なパートなどは正直聴きにくいです(笑)
Sleepless: The Concise King Crimson(1993年)
1993年にリリースされたベストアルバム。1stアルバム~再結成後のアルバム「Three Of a Perfect Pair」(1984年)までの楽曲を収録。全アルバムを網羅しているわけではなく、代表作「クリムゾン・キングの宮殿」「レッド」「ディシプリン」の割合が多い一方で、「太陽と戦慄」からの収録は無し。名曲『Starless』は後半部分がカットされていたりと、不満はある内容ですが、キング・クリムゾンの雰囲気を軽くなぞるにはよいアルバムかと思います。
The Condensed 21st Century Guide to King Crimson(濃縮キング・クリムゾン〜ベスト・オブ・キング・クリムゾン1969-2003 2006年)
タイトル通り1969年「クリムゾン・キング~」から2003年「The Power To Believe」までの楽曲を収録した2枚組ベストアルバム。キング・クリムゾンといえば1974年のアルバム「レッド」までの楽曲ばかり取り上げられがちですが、再結成以降の楽曲も2枚目でしっかり聴けます。