<歌詞和訳>#9 Dream(夢の夢) – John Lennon 曲の解説と意味も
John Lennon – #9 Dream
ジョン・レノン – ナンバー・ナイン・ドリーム(邦題:夢の夢)
ジョン・レノンの4thアルバム「Walls and Bridges」(1974年 邦題「心の壁、愛の橋」) に収録されている曲です。
同アルバムの2枚目のシングルとしてもリリースされました。
元のタイトルは「So Long Ago」や、アルバムタイトルとなった「Walls & Bridges」だったと言われており、アルバムを象徴する曲と言えます。
また、ジョンは"9″という数字を自身のラッキーナンバーとしており、この曲が全米チャート最高位9位だったことを喜んだそうです(9を使った曲としては他に、ビートルズの実験的な曲『Revolution 9』や、初期に作られたものの正式なリリースはアルバム「Let It Be」となった『One After 909』があります)
曲中に「John」と囁く声は、ジョンと愛人関係にあったとされる秘書メイ・パンのものだそうです(当初予定していた女性ボーカルがレコーディングに現れなかった為、彼女が歌ったそう)。
また、メイ・パンによると「この曲はジョンのお気に入りの曲で、夢の中から生まれた曲」だそうです。
独特なサビのフレーズ「Ah! böwakawa poussé, poussé」は、ジョンによると「夢の中で思いついた意味のないフレーズ」で、"pousse"はプッシーと発音していたそうですが、エンジニアの奥さんから「プッセと歌うべき」と提案されて、この形になったそうです。
歌詞の意味と解釈
タイトル「ナンバー・ナイン・ドリーム」を訳すと"9番目の夢“。一方邦題は「夢の夢」と付けられていますが、うまい邦題だと思います。
夢の中から生まれた曲で、テーマも夢や音楽、精神といった実体のないものを扱っています。
こういう感覚的な詞を書くのも、ジョンは抜群に上手いと思います。
また、曲もジョンの歌声にピッタリはまっていると思います。(R.E.M.のカバーを聴くと、なおさらこの曲が「ジョンが歌うための」曲な気がします)
歌詞と和訳
Written by John Lennon
So long ago
Was it in a dream, was it just a dream?
I know, yes I know
Seemed so very real, it seemed so real to me
ずっと前のこと
あれは夢だったのか、ただの夢だったのか?
いや、僕にはわかる
あれは確かな現実、僕には確かな現実に見えた
Took a walk down the street
Through the heat whispered trees
I thought I could hear, hear
Hear, hear
通りを歩き
熱い木々のさざめきを抜けると
聴こえる、聴こえる
僕には聴こたんだ
・whisper ささやく、ひそひそ話をする、さらさら鳴る、うわさ
Somebody call out my name (John)
As it started to rain (John)
Two spirits dancing so strange
雨が降り始めた時
誰かが僕の名を叫ぶのを
2つの魂が、奇妙に踊っていた
Ah! böwakawa poussé, poussé
Ah! böwakawa poussé, poussé
Ah! böwakawa poussé, poussé
アー、パワカーワ、ポッセ、ポッセ
Dream, dream away
Magic in the air, was magic in the air?
I believe, yes I believe
More I cannot say, what more can I say?
夢のように、ぼんやりと
魔法だったのか、宙に漂う魔法だったのか?
いや、僕は信じている
これ以上は言えない、言う必要ないよね?
・dream away ぼんやり過ごす
On a river of sound
Through the mirror go around, around
I thought I could feel, feel
Feel, feel
音の川に流され
鏡の中をぐるぐる、ぐるぐると
感じる、感じる
僕は感じたんだ
Music touching my soul (nhoJ)
Something warm, sudden cold (nhoJ)
The spirit dance was unfolding
音楽が僕の魂に触れ
暖かい何かが、突然冷たくなる
魂の踊りはさらに続く
・unfold 開く、広げる、明らかにする、展開する
Ah! böwakawa poussé, poussé
Ah! böwakawa poussé, poussé
Ah! böwakawa poussé, poussé
アー、パワカーワ、ポッセ、ポッセ
Ah! böwakawa poussé, poussé ×11
アー、パワカーワ、ポッセ、ポッセ
R.E.M.のカバー
収録アルバム
アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。
Walls and Bridges(1974年 邦題:心の壁、愛の橋)
4thアルバム。エルトン・ジョンが参加し、全米No.1となったシングル『Whatever Gets You Thru The Night』など、政治色が薄まった一方で音楽的には充実した作品となっています。
Power To The People – The Hits(2010年)
15曲に絞られたベストアルバム。入門編に最適です。
Gimme Some Truth.(2020年)
新リミックスが施された、ジョンの生誕80年を記念したベストアルバムです。