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<歌詞和訳>American Jesus – Bad Religion 曲の解説と意味も

2020-01-30Bad Religion 歌詞和訳[社会]【反戦/平和を願う】

Bad Religion – American Jesus
バッド・レリジョン – アメリカン・ジーザス

 

メロコアの元祖と言われるアメリカのパンクバンド バッド・レリジョンの、7thアルバム「Recipe For Hate」(1993年) に収録されている曲です。

同アルバムの最初のシングルとしてもリリースされ、バッド・レリジョンの代表曲となっています。

バックボーカルにはPearl Jamのエディ・ヴェダーが参加しています。

 

歌詞の意味と解釈

タイトル「アメリカン・ジーザス」の意味は “アメリカの神(イエス・キリスト)" です。 

歌詞には、アメリカがどれほど「神に選ばれた特別な国であるか」が書かれています。

もちろん、これがアメリカ政府に対する非難である事は、シングル盤のジャケットからも明らかです。(シングルが見つからなかったので同デザインのTシャツ↓です)

また、メンバーによるとこの曲は、湾岸戦争中に当時の米大統領ジョージ・ブッシュ(父親の方)がしきりに口にしていた「We’ll win, because God is on our side!」という言葉を皮肉ったものだそうです。

そして、非難の矛先はアメリカの権力者だけではなく、自分たちが世界の中心だと信じて疑わない傲慢なアメリカの国民性や、キリスト教的な価値観にも向けられていると思われます。

 

歌詞と和訳

Written by Greg Graffin & Brett Gurewitz

I don’t need to be a global citizen
Because I’m blessed by nationality
I’m a member of a growing populace
We enforce our popularity

俺は地球の一員になる必要などない
国籍の特権を得ているから。
俺は繁栄を続ける民族の一人
俺達は名声を力ずくで手にいれる

 

nationality 国籍、国民性
populace 大衆、民衆
enforce 実施する、強いる
popularity 人気、流行

 

There are things that seem to pull us under and
There are things that drag us down
But there’s a power and a vital presence
That’s lurking all around

俺達を陥れようとするものがあろうと
俺達を引きずり落そうするものがあろうと
力をみなぎらせた軍隊が
至る所で待ち構えている

 

presence 存在、駐留、配備
lurk 潜む、待ち伏せる、隠れている

 

We’ve got the American Jesus
See him on the interstate

We’ve got the American Jesus
He helped build the president’s estate

俺達にはアメリカのキリストがついている
その姿をハイウェイで見るはずだ

俺達にはアメリカのキリストがついている
あの御方が大統領の地位に一役買っている

 

interstate 各州間の、州と州を結ぶ高速道路
 キリスト教の看板がハイウェイに設置されていることを指しているそうです。

estate 土地、財産、階級

 

 

I feel sorry for the earth’s population
Cause so few live in the U.S.A
At least the foreigners can copy our morality
They can visit but they cannot stay

地球の皆には気の毒だが
アメリカに住めるのは限られた者だけだ。
外国人でも、俺達のモラルはマネできる
アメリカに来る事はできるが、留まる事は許されない

 

Only precious few can garner the prosperity
It makes us walk with renewed confidence
We’ve got a place to go when we die
And the architect resides right here

選ばれた尊い民族だけが、繁栄を手にする
その事実が、俺達に新たな自信をくれる
俺達は死んだ後も、行く場所が用意されている
世界の創造主もこの国に住んでいる

 

garner 集める、獲得する
prosperity 繁栄、成功
confidence 信用、大胆さ、ずうずうしさ、確信
architect 建築家、創造者
reside 住む、駐在する、属する

 

We’ve got the American Jesus
Bolstering national faith

We’ve got the American Jesus
Overwhelming millions every day

俺達にはアメリカのキリストがついている
国民の信仰を強めていく

俺達にはアメリカのキリストがついている
毎日、何百万もの人間を蹂躙していく

 

bolster 支持する、元気づける、長枕
faith 信頼、確信、信仰
overwhelming 圧倒する、制圧する、転覆させる

 

 

He’s the farmer’s barren fields
(In God)
The force the army wields
(We trust)
The expression on the faces of the starving millions
(Because he’s one of us)

あの御方は不毛の地の農場主
(神よ)
軍隊を掌握する力
(信じております)
何百万人もの餓死者に浮かぶ表情
(あの御方は我らの味方)

 

barren 不毛の、非生産的な
wield ふるう、掌握する
starve 餓死する、飢える

 

The power of the man
(Breakdown)
He’s the fuel that drives the Klan
(Cave in)
He’s the motive and conscience of the murderer
(He can redeem your sin)

選ばれし人間の力
(破壊せよ)
あの御方は暴走する差別主義者の力の源
(屈服せよ)
殺人の動機であり観念
(あの御方は我らの罪を背負ってくださる)

 

conscience 良心、善悪の観念
・the Klan 
白人至上主義の差別主義団体KKK(クー・クラックス・クラン)

wikipedia「クー・クラックス・クラン」より)

 

He’s the preacher on T.V
(Strong heart)
The false sincerity
(Clear mind)
The form letter that’s written by the big computers
(And infinitely kind)

あの御方はテレビに映る伝道師
(強い心)
偽りの誠意
(明確な意思)
巨大なコンピューターが書いた定型メール(戦死者への哀悼手紙)
(無限の慈しみ)

 

preacher 説教者、伝道者
sincerity 誠実、正直

 

The nuclear bombs
(You lose)
The kids with no moms
(We win)
And I’m fearful that he’s inside me
(He is our champion)

核爆弾
(貴様らの負けだ)
母親のいない子供達
(我らの勝ちだ)
あの御方が俺の中にいるなんてゾッとする
(あの御方が我らの頂点に君臨する)

 

 

Yeah, we’ve got the American Jesus
See him on the interstate
(We’ve got the American Jesus)

We’ve got the American Jesus
Exercising his authority

俺達にはアメリカのキリストがついている
その姿をハイウェイで見るはずだ
(我らはアメリカの神に護られている)

俺達にはアメリカのキリストがついている
あの御方の権威を行使する

 

exercisie one’s authority 職権を行使する、幅を利かせる

 

We’ve got the American Jesus
Bolstering national faith

We’ve got the American Jesus
Overwhelming millions every day

俺達にはアメリカのキリストがついている
国民の信仰を強めていく

俺達にはアメリカのキリストがついている
毎日、何百万もの人間を蹂躙していく

 

(One nation under God) (×10)

(神の下にあるたった一つの国)

 


Bad Religion Suffer Album (L)

 

収録アルバム

アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。

Recipe For Hate(1993年)

7thアルバムで、最初エピタフからリリースされたものの、数か月後にメジャーレーベルAtlanticから再リリースされました。名曲『American Juesus』を始め、速さよりもミドルテンポで味のある曲が中心です。
日本では"マンウィズ“のバンド名に由来となった『Man With The Mission』が収録されていることで少し有名。曲名だけでなく、アルバムジャケもマンウィズに影響を与えているようです。

 

All Ages(1995年)

1stアルバム「How Would Hell Be Any Worse?」(1982年) から6thアルバム「Generator」(1992年) までの代表曲が収録されたベストアルバム(3rd「Suffer」以降の曲が中心)。日本盤には代表曲『American Jesus』が追加収録されています。