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<歌詞和訳>Atoms For Peace – Thom Yorke 曲の解説と意味も

2019-06-08[ソロ/サイドプロジェクト][社会] 風刺/抗議

Thom Yorke – Atoms For Peace
トム・ヨーク – アトムス・フォー・ピース

 

イギリスのオルタナティブ・ロックバンド レディオヘッドのフロントマン トム・ヨークの、初のソロアルバム「The Eraser」(2006年) に収録されている曲です。

 

トムは後に、プロデューサーのナイジェル・ゴドリッチやレッド・ホット・チリ・ペッパーズのベーシスト フリーらとともに、この曲と同名のスーパーバンド “アトムス・フォー・ピース" を結成しました。


AMOK (Deluxe Edition)

 

歌詞の意味と解釈

曲のタイトル「アトムス・フォー・ピース」を訳すと “平和のための原子力" (または「核エネルギーの平和利用」)となります。

この言葉は、アメリカのアイゼンハワー大統領が1953年の国連総会で演説したテーマとして知られています。

トム・ヨークがこの言葉を曲名、そして後にバンド名に用いたのには、言葉のインパクトのみならず、先進国や富裕層主導の国際社会に対する皮肉や猜疑心が込められていると思われます。

歌詞には「アトムス・フォー・ピース」という言葉も、原子力に関する話も出て来ませんが、いかにもトムらしいSFチックな言葉や、未来に対する悲観、行動する事への啓発が込められているようです。

 

歌詞と和訳

Written by Thom Yorke

No more going to the dark side
With your flying saucer eyes

No more falling down a wormhole
That I have to pull you out

空飛ぶ円盤のような目をして
これ以上ダークサイドに飲まれていかないで

僕が引き上げなくちゃいけないような
ワームホールにはもう落っこちないで

 

dark side ダークサイド、暗黒面、暗部
 また、SF映画「スターウォーズ」では”フォース”という不思議な力を邪悪な心で操る事を「ダークサイド」と呼んでいました。


スター・ウォーズ:ダース・ベイダー (MARVEL)

wormhole ワームホール
 2つの離れた領域を結びつけるトンネルのような時空構造で、タイムマシンのような働きをもつと考えられる。 
 アインシュタインの相対性理論の計算式の中で存在が導かれているそうです。

 

The wriggling, squiggling worm inside
Devours from the inside out

No more talk about the old days
It’s time for something great

体内をのたうち回る、うねうねした虫が
隅々まで食べ尽くしてしまう

過ぎた日々の事をもう語らないで
今は素晴らしい時なんだから

 

wriggle 体をくねらせる、のたうつ
squiggle 波線、走り書き
devour 貪る、滅ぼす、食い入る
inside out 裏返し、ひっくり返す、隅々まで

 

Want you to get out and make it work
So many allies, so many allies
So many allies, so many allies
So feel the love come off of them
And take me in your arms

君を外へ逃がし、なんとかさせてあげたい
大勢の同胞たち、大勢の同胞たち
大勢の同胞たち、大勢の同胞たち
彼らからの愛を感じ
僕を抱きしめて

 

allies 味方、同盟
come off とれる、引かれる

 

Peel all of your layers off
I want to eat your artichoke heart

No more leaky holes in your brain
And no false starts

君の覆いをはぎ取って
そのアーティチョークの芯を食べてしまいたい

君の頭にこれ以上穴が空きませんように
出だしにつまづきませんように

 

artichoke アーティチョーク(チョウセンアザミ)。
若いつぼみは食用になるそうです。


東京堂 フラワー資材 アーティチョークM グリーン FV003000-024

false start フライング、出だしの失敗

 

I want to get out and make it work
So many allies, so many allies
So many allies, so many allies
So feel the love come off of them
And take me in your arms

君を外へ逃がし、なんとかさせてあげたい
大勢の同胞たち、大勢の同胞たち
大勢の同胞たち、大勢の同胞たち
彼らからの愛を感じ
僕を抱きしめて

 

I want to get out and make it work
Want you to get out and make it work
I’ll be ok

外へ逃げ出して、上手くやりたい
君を外へ逃がし、なんとかさせてあげたい
僕は大丈夫

 

 

収録アルバム

アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。

The Eraser(2006年)

ソロ1作目。エレクトロニクスとトムのボーカルが中心で、派手さはありませんが沁みる作品です。レディオヘッド好きならきっと好きになる内容だと思います。