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<歌詞和訳>Bye Bye Badman – The Stone Roses 曲の解説と意味も

Stone Roses 歌詞和訳[社会] 風刺/抗議

The Stone Roses – Bye Bye Badman
ストーン・ローゼズ – バイ・バイ・バッドマン

 

ロックにダンス(レイヴカルチャー)の要素を融合させたイギリスのロックバンド ザ・ストーン・ローゼズの1stアルバム「The Stone Roses」(1989年) に収録されている曲です。

 

歌詞の意味と解釈

この曲は、アルバムのジャケットと同じく1968年のフランス五月革命(五月危機)に影響を受けた曲と言われています。(フランス五月革命についてはこちらのwikipediaの記事をご参照ください)

※アルバムジャケットのデザイン自体も「Bye Bye Badman」と呼ばれているそうです。

 

バンドがフランス五月革命に影響を受けた理由については、2つの説明がネット上では確認できました。1つは、ヨーロッパ中をヒッチハイクで旅していたイアンが、五月革命に参加したフランス人男性と知り合ったという話。もう一つは、イアンとジョンがフランス五月革命のドキュメンタリーを見て大きな感銘を受けたという話です。

 

とはいえ、歌詞は(ストーンローゼズらしく)抽象的であり、単に「暴動に参加した学生の声を代弁したもの」というわけではなさそうです。

歌詞のほとんどは暴動に参加した学生(若者)の視点で、保守政権や警官隊に対する反発や憎しみが書かれています。
ここでのBad Man(悪党)とはまさしく、自由を弾圧しようとする権力者を指しています。

一方、終盤の歌詞は、暴力による抵抗では解決しない(俺の投げる石はフレンチキスだ)、暴力はやめよう、という内容に読み取れます。

つまり、「バイ・バイ・バッドマン」とは、「さよなら、暴力」という意味ではないかと、私は考えます。

その裏付けとして、ストーン・ローゼズのバンド名の由来は諸説ありますが、「投石ではなく花(音楽)によって革命を行う」事を意味しているという説もあるからです。

 

 

歌詞と和訳

Written by John Squire & Ian Brown

Soak me to my skin
Will you drown me in your sea?
Submission ends and I begin
Choke me, smoke the air
In this citrus sucking sunshine
I don’t care, you’re not all there
Every backbone and hearts you break
Will still come back for more
Submission ends it all

肌まで浸かってる
お前の(欲望の)海で、俺を溺死させる気かい?
言いなりは終わりだ、俺が始めるんだ。
ガスをまいて、俺を窒息させてみろ
柑橘が沁みるこの陽光の中で。
どうだっていいさ、お前は正気じゃない
お前が破壊する人々の背骨や心臓(意志や心)
さらに勢いを増して戻ってくる
言いなりは終わりだ、完全に

 

soak 浸す、つける、ずぶ濡れにする、吸収する、巻き上げる
drown おぼれ死ぬ、溺死させる、水浸しにする、覆い隠す、かき消す
submission 服従、提案
citrus シトラス、柑橘類
not all there 頭がおかしい、正気でない

In this citrus sucking sunshine ここでのシトラスとは、ジャケットにも使われているレモンだと思われます。レモンは、警官隊がまく催涙ガスの効果を消すのに有効だとして、実際に使われていたそうです。

 

Here he comes
Got no questions, got no love
I’m throwing stones at you man
I want you black and blue and
I’m gonna make you bleed
Gonna bring you down to your knees
Bye bye, badman, bye bye

ほら奴が来た
疑問も愛情も一切持たず。
俺はお前に石を投げつけるのさ
そしてお前をあざだらけにして
血まみれにして
仕舞いには屈服させてやる。
じゃあな、悪党、じゃあな

 

black and blue あざだらけ、青黒いあざができるほど
bring someone to his knees ひざまずかせる、服従させる

 

Choke me smoke the air
In this citrus sucking sunshine
I don’t care, you’re not all there
You’ve been bought and paid
You’re a whore and a slave
Your dock’s not a holy shrine
Come taste the end, you’re mine

ガスをまいて、俺を窒息させてみろ
柑橘が沁みるこの陽光の中で。
どうだっていいさ、お前は正気じゃない
お前は金で買われたんだ
お前は売春婦であり奴隷だって事。
お前のドックはちっとも神聖な場所じゃない
さあ終わりを味わいな、お前はもう俺の手の内にあるんだ

 

whore 売春婦、売春する
dock ドック、波止場、ドックに入れる、被告席、切り尾
shrine 聖堂、神社、聖地

 

Here he comes
Got no questions, got no love
I’m throwing stones at you, man
I want you black and blue and
I’m gonna make you bleed
Gonna bring you down to your knees
Bye bye, badman, bye bye

ほら奴が来た
疑問も愛情も一切持たず。
俺はお前に石を投げつけるのさ
そしてお前をあざだらけにして
血まみれにして
仕舞いには屈服させてやる。
じゃあな、悪党、じゃあな

 

 

I’ve got bad intention
I intend to knock you down
These stones I throw, oh, these French kisses
Are the only way I’ve found
(×2)

俺にも悪意があるんだ
君をびっくりさせてやろうと思ってる
俺が投げる石ってのは、実はフレンチキスなんだ
これが俺が編み出した唯一の(革命の)やり方なんだ

 

intention 意図、意思

 

※こちらの最後の歌詞だけ、イアン(またはバンド)からリスナーに向けられたものである、と解釈して訳しました。

 

収録アルバム

アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。

The Stone Roses(1989年)

サイケとダンスとロックが一体となった1stアルバム。イギリスのNME誌は「史上最高の英国アルバム」(2006年版) の1位にあげるなど、特にイギリスで評価が高い作品です。
ジャケットは1968年の「フランスの五月革命」(五月危機) からインスピレーションを得たもので、レモンはその時「警官隊が使う催涙ガスの効果を弱める」と信じられていたそうです。
2009年には20周年記念エディションがリリースされました(画像のリンク先はそちらです)。