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<歌詞和訳>Fools Gold – The Stone Roses 曲の解説と意味も

Stone Roses 歌詞和訳[社会] 風刺/抗議,[表現] 他の曲名・アーティスト名が出てくる

The Stone Roses – Fools Gold
ストーン・ローゼズ – フールズ・ゴールド

 

ロックにダンスとトリップ感を融合させたイギリスのロックバンド ザ・ストーン・ローゼズのシングルとして、1989年11月にリリースされた曲です。
バンドにとって初の全英シングルチャートTOP10に入ったシングルとして、商業的成功も収めました。
その為、ストーン・ローゼズっぽくない曲でありながら、ストーン・ローゼズの代表曲の1つとなっています。

What the World is Waiting For』との両A面シングルとしてリリースされましたが、これはバンド側が『What the World~』をシングルとしてリリースする事にこだわったからだそうです。

 

オリジナルアルバムには未収録ですが、1stアルバム「The Stone Roses」のアメリカ盤に追加トラックとして収録されている他、ベストアルバム等にも収録されています。

 

印象的なドラムループは、メンバーによるとジェームス・ブラウンの『Funky Drummer』からと言われていますが、実際はボビー・バードの『Hot Pants』からではないか、とする見方が多いです(メンバーが勘違いしていた?)。

 

歌詞の意味と解釈

タイトル「フールズ・ゴールド」を訳すと"愚か者の金“となります。

歌詞は、イアン・ブラウンによると、映画「The Treasure of the Sierra Madre」(邦題:黄金 1948年公開) に触発されたものだそうです。
(この映画は、1920年代メキシコが舞台で、金鉱で一攫千金を狙った男3人組が、その後手に入れた金をめぐり仲間割れをする様子を描いたもの)


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この曲の歌詞は、端的に言えば「愚か者は黄金(成功)を掴んでもそれによって身を滅ぼす」という内容だと解釈できます。

また、成功を手にしたバンド周辺のドロドロとした事情(主にレコード会社やマネジメント)への風刺である、とする見方もできます。

 

歌詞と和訳

Written by John Squire & Ian Brown

The gold road’s sure a long road
Winds on through the hills for fifteen days
The pack on my back is aching
The straps seem to cut me like a knife
(×2)

黄金への道、それは実に長い道のり
丘の間をクネクネと進む15日間
荷物が背骨を痛めつける
肩ひもがナイフのように俺を切り裂く

 

※windsは「曲がって進む」という動詞(主語はThe gold road)として訳しています。(ここでのwindsは"風"の複数形ではありません)

 

I’m no clown, I won’t back down
I don’t need you to tell me what’s going down
Down, down, down, down, da-down, down, down
Down, down, down, down, da-down, down, down

俺はピエロじゃない、だから引き下がりはしない
何が起きているか、あんたに教えてもらう必要は無い
無い、無い、無い、、、

 

clown 道化師、ピエロ、からかう
back down 後へ引く、後退する
go down 下りる、下がる、収まる、下落する、沈む、倒れる、起きる

 

I’m standing alone, I’m watching you all
I’m seeing you sinking
I’m standing alone, you’re weighing the gold
I’m watching you sinking
Fool’s gold

俺は一人で立っている、あんたら全員を見つめている
あんたらが沈んでいくのを見ている
俺は一人で立っている、あんたらは金の重さを量っている
俺はあんたらが沈んでいくのを見つめている
フールズ・ゴールド(愚か者が手にした黄金)ってわけだ

 

weigh 重さを量る、重さがある、重荷になる

 

These boots were made for walking
The Marquis de Sade never made no boots like these
Gold’s just around the corner
Breakdown’s coming up 'round the bend
(What y’doin’? You gotta go…)

このブーツは歩く為に作られた
サド伯爵でさえ作った事の無いブーツ
黄金はすぐそこにある
崩壊はそこの角まで迫っている
(何モタモタしてるんだ、行け…)

 

Marquis de Sade マルキ・ド・サド(1740~1814年)。フランスの貴族・小説家。サディズムの語源となった。


ソドム百二十日 (角川文庫)

around the corner 角を曲がったところに、すぐそこに、間近に
around the bend 曲がり角のあたり、狂った、酔っぱらった

 

These Boots Are Made for Walkin’はアメリカの歌手ナンシー・シナトラ(フランク・シナトラの娘)のヒット曲のタイトルでもあります。
また、その後に登場するサド伯爵のくだり(サド伯爵でさえ作らなかったほど苦痛を与えるブーツ)は、黄金への道のりの過酷さを表現したものだと思われます。

 

Sometimes, you have to try to get along, dear
I know the truth, and I know what you’re thinking
Down, down, down, down, da-down, down, down

たまには折り合いをつけていかなきゃ、そうだろ、あんた
俺は真実を知っているし、あんたが心の底で考えてることもわかるんだ
底で、底で、底で、、、

 

get along 先へ進む、はかどる、暮らす、仲良くやっていく、行く

 

I’m standing alone, I’m watching you all
I’m seeing you sinking
I’m standing alone, you’re weighing the gold
I’m watching you sinking
Fool’s gold
Fool’s gold
(×2)

俺は一人で立っている、あんたら全員を見つめている
あんたらが沈んでいくのを見ている
俺は一人で立っている、あんたらは金の重さを量っている
俺はあんたらが沈んでいくのを見つめている
フールズ・ゴールドってわけだ

 

 

関連楽曲

James Brown『Funky Drummer』


イン・ザ・ジャングル・グルーヴ

 

Bobby Byrd『Hot Pants』


アイ・ノウ・ユー・ガット・ソウル~ベスト・オブ・ボビー・バード

 

Nancy Sinatra『These Boots Are Made For Walkin’』


Hit Years

 

 

 

収録アルバム

アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。

The Stone Roses(1989年)

サイケとダンスとロックが一体となった1stアルバム。イギリスのNME誌は「史上最高の英国アルバム」(2006年版) の1位にあげるなど、特にイギリスで評価が高い作品です。
ジャケットは1968年の「フランスの五月革命」(五月危機) からインスピレーションを得たもので、レモンはその時「警官隊が使う催涙ガスの効果を弱める」と信じられていたそうです。
2009年には20周年記念エディションがリリースされました(画像のリンク先はそちらです)。

 

Turns Into Stone(1992年)

初期シングルやそのB面を集めた編集盤です。

 

The Very Best Of The Stone Roses(2002年)

レーベルの垣根を超え、メンバー自らが選曲したベストアルバムです。