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<歌詞和訳>Video Killed The Radio Star(ラジオ・スターの悲劇) – The Buggles 曲の解説と意味も

その他の有名曲・定番曲 歌詞和訳

Video Killed The Radio Star – The Buggles
ビデオ・キルド・ザ・レディオ・スター(邦題:ラジオスターの悲劇) – ザ・バグルス

 

音楽プロデューサー トレヴァー・ホーン、ジェフ・ダウンズ、ブルース・ウーリーが1979年に制作した曲で、同年、ホーンが在籍していたポップグループ ザ・バグルスと、ウーリーが在籍していたニューウェイヴ・バンド ブルース・ウーリー&ザ・カメラ・クラブが自身の作品でリリースしました。

一般的にはザ・バグルスの曲として知られ、世界各国でヒットとなりました。

MTVが1981年、初めて放送したビデオとしても知られています(アメリカではこの曲はヒットしていませんでしたが、この放送をきっかけに売れたそうです)。

非常にポップな曲調とは裏腹に、歌詞の内容はやや悲劇的で、新技術への批判が混じったものとなっています。

 

Bruce Wooley & The Camera Clubeのバージョン(実はこちらの方が先にリリースされました)はこちら↓
(バグルスに比べると圧倒的に売れ無さそうですねw)

 

 

歌詞の意味と解釈

タイトルを直訳すると「ビデオがラジオスターを殺した」となります。歌詞が意味するところは、メディアの主流がラジオからテレビへと移り変わり、ラジオのスターは没落していったというものになります。

ラジオスターの没落が象徴しているものは、テクノロジーの変化、そしてそれと同時進行する人々の価値観の変化だと思われます。

 

とはいえ、この曲の歌詞はイギリスの作家J.G.バラードの短編小説「The Sound-Sweep」(邦題:音響清掃) に触発されたものと言われており、「The Sound-Sweep」の世界観を理解していないと、歌詞のところどころは理解しにくいものになっているようです。

「The Sound-Sweep」の前提知識がないと、主人公とラジオスターの会話(関係性)や、そもそもラジオスターとは何者なのか?という事もよくわかりません。

 

【The Sound-Sweepのあらすじ】(英語版wikipediaより)
主人公は、音楽のない世界で音を吸い取る無口な少年で、廃墟となった録音スタジオに住むオペラ歌手と友人になる。「超音波音楽」の進歩により、これまでの音楽はすべて時代遅れとなり、オペラ歌手は困窮していた。

(和訳されたものはこちら「短編全集1」に収録されています)

 

この曲の主人公とラジオスターの関係は、小説「The Sound-Sweep」の少年とオペラ歌手を想起させます。

それと同時に、トレヴァー・ホーンら作曲者たちの「ラジオへの想いや自分たちの音楽体験」も歌詞に散りばめていると思われます。

 

タイトルが指す「ビデオ」は、ここでは「テレビ」と訳した方が意味合いとしては正しそうですが、原タイトルの語感を重視し、そのまま「ビデオ」と訳しました。

 

 

歌詞と和訳

Written by Bruce Woolley, Geoff Downes & Trevor Horn

I heard you on the wireless back in ’52
Lying awake, intently tuning in on you
If I was young, it didn’t stop you coming through
Oh-a, oh-a
They took the credit for your second symphony
Rewritten by machine on new technology
And now I understand the problems you could see

あなたの歌声をラジオで聴いたのは、1952年の事。
ベッドの中で眠らずに、一生懸命あなたの声を探してた。
僕がまだ子供なら、いつまでもあなたを聴き続けていただろう

奴らはあなたの曲をクレジット無しで消費したんだ
新技術のサンプリングマシーンで書き換えて。
今なら僕にもわかる、あなたが感じた苦しみが

 

wireless 無線の、ラジオ
lie awake 眠らずに横たわる、寝ないで起きている
intently 夢中で、熱心に
tune in on チャンネルを合わせる
second symphony 交響曲第2番
take credit for 自分の手柄にする

 

They took the credit for your second symphony のくだりは、ラジオスターの曲が許可なしでサンプリングされている様子を表したものだと思われます。second symphonyは文字通りの意味ではなく、反対にcredit forは文字通りの意味になっていると思われます。それらを意識し、上記のように訳しました。
(ただし、ラジオスター=ソプラノ歌手だとしたら、second symphonyは文字通りの意味になります)

 

Oh-a, oh-a
I met your children
Oh-a, oh-a
What did you tell them?

あなたの子供たちに会ったんだ

子供たちに何て言ったの?

 

※ここはおそらく主人公(リスナー)とラジオスターの会話になっており、主人公はラジオスターの子供たちに"ある事実"(曲タイトルの内容)を伝えた、という話だと思われます。

 

Video killed the radio star
Video killed the radio star
Pictures came and broke your heart
Oh-a-a-a-oh

ビデオがラジオスターを終わらせた
ビデオがラジオスターを終わらせた
映像の時代が訪れ、あなたの心を打ち砕いた

 

And now we meet in an abandoned studio (Oh-a)
We hear the playback and it seems so long ago (Oh-oh-oh-oh-a)
And you remember the jingles used to go

そして今、僕らは使われていないスタジオで出会う
ずっと昔みたいに、プレイバックが聴こえる
あなたはよく使われていたあのジングルを覚えている

 

abandoned 見捨てられた、放棄された
playback (録音したばかりの音楽の)再生、プレイバック、再生

 

Oh-a, oh-a
You were the first one
Oh-a, oh-a
You were the last one

あなたは最初のスターだった

そして最後のスターだった

 

Video killed the radio star
Video killed the radio star
In my mind and in my car
We can’t rewind, we’ve gone too far
Oh-a-a-a-oh
Oh-a-a-a-oh

ビデオがラジオスターを終わらせた
ビデオがラジオスターを終わらせた
僕の心の中も、車の中も

僕らは巻き戻せない、随分と行き過ぎてしまったから

 

Video killed the radio star
Video killed the radio star
In my mind and in my car
We can’t rewind, we’ve gone too far
Pictures came and broke your heart
Put the blame on VCR

ビデオがラジオスターを終わらせた
ビデオがラジオスターを終わらせた
僕の心の中も、車の中も

僕らは巻き戻せない、随分と行き過ぎてしまったから
映像の時代が訪れ、あなたの心を打ち砕いた
すべての元凶はビデオデッキなんだ

 

put the blame on 責任をなすり付ける、罪をきせる、~のせいにする
VCR ビデオ・カセット・レコーダー、ビデオデッキ

 

※VCRの部分は歌詞カードによってはVTR(ビデオ・テープ・レコーダー、映像コンテンツそのもの)と書かれているものもあるらしく、ここでは両者の使い分けはあいまいかもしれません。「巻き戻せない」、「行き過ぎた」という表現に繋がっていると思われます。

 

 

 

You are a radio star
You are a radio star
(You are) Video killed the radio star (A, a radio star)
(A radio star) Video killed the radio star
(You are) Video killed the radio star (A, a radio star)
(A radio star) Video killed the radio star
(You are) Video killed the radio star (A, a radio star)
(A radio star) Video killed the radio star
(You are) Video killed the radio star (A, a radio star)
(A radio star) Video killed the radio star
(You are) Video killed the radio star (A, a radio star)
(A radio star) Video killed the radio star
(You are) Video killed the radio star (A, a radio star)
(A radio star) Video killed the radio star
(You are) Video killed the radio star

あなたはラジオスター
あなたはラジオスター
ビデオがラジオスターを終わらせた
ビデオがラジオスターを終わらせた

 

 

収録アルバム

アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。

The Age of Plastic(邦題:ラジオ・スターの悲劇 1980年)

1980年にリリースされたザ・バグルスの1stアルバムです。原題はThe Age of Plasticですが、邦題は大ヒット曲(Video Killed the Radio Star)から付けられました。

 

English Garden(1979年)

共作者の2人と袂を分かったブルース・ウーリーが結成したニューウェーブバンド Bruce Woolley & The Camera Clubの1stアルバムです。バグルスに先駆けて『Video Killed the Radio Star』が収録され、リリースされました。

 

Definitive Anthology 1978-1981(2024年)

Bruce Woolley & The Camera Clubのオリジナルアルバムは入手困難なので、こちらのアンソロジーの方が入手しやすくなっています。