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<歌詞和訳>This Charming Man – The Smiths 曲の解説と意味も

2018-05-17Smiths(The Smiths)歌詞和訳

The Smiths – This Charming Man
ザ・スミス – ディス・チャーミング・マン

 

The Smithsの2枚目のシングルとして1983年10月にリリースされた曲です。
オリジナルアルバムには未収録で、編集盤「Hatful of Hollow」(”帽子一杯の虚無” 1984年)他、ベスト盤などで聴くことができます。

ザ・スミスの中でも特に人気の高い曲で、7つのテイクがまとめられた「This Charming Man Remixes」(1993年) もリリースされています(日本盤は1992年に10曲収録)。

 

 

歌詞の意味と和訳

歌詞の内容は、「貧しい美少年が、とある魅力的な男性(=ディス・チャーミング・マン) と出会い、援助を受けていく」というものです。

複雑で特殊なシチュエーションのわりには、歌詞はかなり簡素なため、様々な解釈がされているようです。

基本的には「人生の試練に雄々しく立ち向かうのを良しとするマッチョイズムの否定」「同性愛」といったテーマで受け取られているようです。

詳細については、和訳の後に掲載しました。

 

歌詞と和訳

Written by Morrissey & Johnny Marr

Punctured bicycle on a hillside desolate
Will Nature make a man of me yet?

When in this charming car
This charming man

寂れた丘の斜面に、パンクさせられた自転車
こんな僕でも大人になれるのだろうか?

そんな時、魅力的な自動車に乗った
とある魅力的な男性

 

Why pamper life’s complexity
When the leather runs smooth on the passenger seat?

I would go out tonight but I haven’t got a stitch to wear
This man said, “It’s gruesome that someone so handsome should care”

「人生の試練とやらに翻弄される事はないさ?
助手席に張られたレザーはこんなに滑らかさ」


今夜は遊びに行きたいけど、着ていく服がない
すると男がこう言った、「こんな美男子がそんな事を気にするなんて、ぞっとするよ」

 

pamper 甘やかす、満足させる
gruesome 恐ろしい、ぞっとする

 

Ah, a jumped-up pantry boy
Who never knew his place
He said, “Return the ring”
He knows so much about these things
He knows so much about these things

身の程をわきまえず
調子に乗ってしまった雑用係の少年。
「もう指輪は返しな(二人の関係は終わりさ)」と男は言った
男はこの手のことには抜け目ない

男はこの手のことには抜け目ない

 

I would go out tonight but I haven’t got a stitch to wear
This man said, “It’s gruesome that someone so handsome should care”

Naaa nana nana nana, this charming man
Naaa nana nana nana, this charming man

今夜は遊びに行きたいけど、着ていく服がない
すると男がこう言った、「こんな美男子がそんな事を気にするなんて、ぞっとするよ」

ある魅力的な男性
あぁ、ある魅力的な男性

 

A jumped-up pantry boy
Who never knew his place
He said, “Return the ring”
He knows so much about these things
He knows so much about these things
He knows so much about these things

身の程をわきまえず
調子に乗ってしまった雑用係の少年。
「もう指輪は返しな」と男は言った
男はこの手のことには抜け目ない
男はこの手のことには抜け目ない

 

 

さらに解説

上の和訳には、かなり個人的な解釈が含まれていますが、それでも歌詞だけ読んでも意味がはっきりしない内容で、ある程度”想像力”を働かさなければなりません。

年下の美少年に惹かれるという性癖は、『Handsome Devil』に顕著に描かれています。

しかし、モリッシーの気持ちを表しているのは、助けを受ける少年の側にありそうです。

「”ある魅力的な男性”に都合よく助けてもらう」というシチュエーションは、男臭い努力や勤労を否定し、自分は養われる側である、というはっきりとした意思表明のように感じます。

そこは『Headmaster Ritual』(軍隊式学校教育への嫌悪) や『Still Ill』(イギリスは僕を養うべきだ) といった曲に現れています。

 

曲の中で最も謎めいたフレーズ、He said, “Return the ring” については、調子に乗り過ぎた少年が、男に見捨てられる(二人の契りを表す指輪の返却を求められる) ものだと解釈しました(チャーミング・マンはお気に入りの少年に指輪を渡している?)。これは話のオチだと思います。

 

タイトルを、The Charming Manとせず、This Charming Man としているところも気になります。

ここでのThisは”とある”と訳しましたが、初期のモリッシーの作品は大事な部分をあいまいにする傾向があり(『These Things Take Time』『William, It Was Really Nothing』『What Difference Dose It Make?』。作意なのか自信の無さの表れなのかは不明ですが)、この歌詞全体の「漠然とした、説明不足な感じ」は、それが顕著に表れている例といえます。

 

 

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